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一度は泊まってみたい、NYの老舗有名ホテル。歴史と有名エピソードを現地特派員が紹介します
2023.1.20
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観光都市であるニューヨークには数多くのホテルがあります。セレブ御用達の高級ホテルや、映画・小説に出てくる有名ホテル、駅近のホテル、安さ重視のホテル……。選択肢が多いなかでホテルに求めるものは何でしょうか。映画に出てくる主人公の気分になれる贅沢なホテルか、あるいは財布に優しいリーズナブルなホテルでしょうか。今回は、ニューヨーク在住の筆者がグーグルレビューで旅行者の口コミ評価の高いホテルをピックアップ。在住者の目線でホテルの外観や周辺環境をチェックしてみました! ホテル選びの参考になれば幸いです。
目次
まず、ニューヨークの高級~エコノミーホテルに泊まるにはどれくらいの費用がかかるのかを確認していきましょう。
以下に高級・中級・エコノミーホテルの一例とそれぞれの予算感を掲載します。どの価格帯のホテルが予算に合うかの参考にしてみてください。宿泊代のほか税金、ホテルによりアメニティー(施設利用)料金など、基本宿泊料の15~20%程度が別途加算されます。なお、ニューヨークのホテルの部屋はどこも狭いのが一般的。
2023年4月現在、1ドルは約133円です。
高級ホテル(5つ星ホテル)
予算感:700~1200ドル~(+税等)
ポイント
高級ホテルについては、以下の記事でもそのエピソードや部屋の雰囲気を詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
中級ホテル
予算感:150~300ドル(+税等)
ポイント
エコノミーホテル
予算感:80~200ドル(+税等)
ポイント
ニューヨークには行きたいけれど、英語が通じるか心配だったり、清潔感・安全性について不安を感じたりする方がいるかもしれません。そんな方には日系ホテルがおすすめ。ニューヨークで旅行者に人気の日系ホテルふたつをご紹介します。
「ザ・キタノホテル(The Kitano Hotel New York)」は、ニューヨーク初の日系ホテルとして1973年にオープン。テニスプレーヤーの錦織圭選手や大坂なおみ選手など、多くの有名日本人がニューヨークに来ると宿泊しています。なかでも錦織選手は「キタノホテルは、私にとってニューヨークの家のような場所」と評価しています。
米国最大級の交通拠点グランドセントラル駅まで徒歩5分、エンパイアステートビルディングまで徒歩8分、タイムズスクエアまで徒歩15分と観光に便利な立地であるにも関わらず、パークアベニューに面した静かな環境にあります。
全室に深いバスタブ(アメリカのバスタブは浅いことが多い)やウォシュレット、日本茶セットが完備されており、また、受付に日本語対応可能なスタッフがいるのは嬉しいポイント。ただし、オープンが1973年ということもあり、施設の古さを感じるとの口コミもあります。
2023年3月現在、日本食レストラン「白梅」とジャズクラブ「JAZZ at キタノ」は一時休業中。2023年春より、西武プリンスホテルと提携し「ザ・プリンス キタノ ニューヨーク」へ変更予定。リニューアル後の変化が期待されます。
ホテルからは地下鉄駅や多くの観光地へ徒歩で行くことができ、近辺には財閥の図書館や博物館など文化施設があり閑静なエリア。パークアベニューは富裕層の住居が多く、雰囲気および治安もよいです。
日本で人気のチェーンホテル「変なホテル(Henn na Hotel New York)」が、2021年10月オープン。フロントで出迎える恐竜ティラノサウルスのロボットが大人気。
近隣は地下鉄の各ラインにアクセスが可能です。また、エンパイアステートビルディングまで徒歩9分、タイムズスクエアまで徒歩10分と観光地にアクセスがよく、巨大デパートのメイシーズまで1ブロックと買い物にも便利です。ホテル内の和食レストラン「五助(Gosuke)」では、寿司や天ぷら、カツ丼などのメニューが提供されています。
全室に深いバスタブやウォシュレット、衣類を除菌・消臭・除湿・低温乾燥するLG Styler製のクローゼットがあり、アメリカでは珍しいスリッパが設置されているなど日系らしい気配りが伺えます。ただし、和食レストラン以外には日本人のスタッフは常駐していない様子。
エコノミーホテルですが、タイムズスクエアまで徒歩圏内のため、カウントダウンのある大晦日には価格が急上昇します。
ホテルのフロントで吠える恐竜ロボットは迫力があり、筆者もテンションが上がりました! 各空港からのアクセスがよく便利な立地で、最寄りの地下鉄駅(34丁目駅 A、C、E線)まで徒歩2分程度と便利。同じストリートには人気のベーグル店やカフェなどがあり雰囲気良好ですが、多くの店が夕方には営業終了となります。
周辺は、日本で例えると新宿の歌舞伎町のような雑多な繁華街なので、早朝深夜は注意が必要です。最寄り駅近くのマクドナルドは客層が悪いため、利用するならテイクアウトがおすすめです。
ニューヨークを舞台にした映画や小説に登場する、セレブが愛した有名・高級ホテル。思い切って大枚をはたいて、憧れのホテルでゆっくり過ごすことを目的にニューヨーク旅行するのもよいですよね。
ニューヨークでは、価格の高さ=治安のよさを表している側面もありますので、高価格なぶん安心して宿泊できるでしょう。
米旅行誌『トラベル + レジャー』や『コンデナスト トラベラー』でトップホテルとして何度も選出されている「ザ・カーライル」。メトロポリタン美術館まで徒歩7分ほどの閑静な高級住宅街にあり、喧騒から逃れて静かな滞在ができるクラシックホテルです。ジョン・F・ケネディがスイートを所有して愛用したことから「ニューヨークのホワイトハウス」とも呼ばれました。
故ダイアナ妃やウィリアム王子夫妻、ヘンリー王子夫妻のイギリスのロイヤルファミリーや、トゥルーマン以降の歴代米大統領、スティーブ・ジョブズやミック・ジャガー、デビッド・ボウイ、マイケル・ジャクソンなど、超一流のセレブが宿泊しており、宿泊客のプライバシーが慎重に保護されていることから、ニューヨーク・タイムズ紙は「秘密の宮殿(Palace of Secrets)」と表現しています。
口コミではスタッフの質の高さが評価されるも、施設の古さや価格の割に部屋がさほど広くないなどの指摘もあります。
マンハッタンの中でもハイソな雰囲気が漂う、アッパーイースト。ホテルのあるマディソン・アベニュー沿いには、同じく5つ星ホテルや高価なブランド店が立ち並び、5番街よりも敷居が高く感じられます。最寄りの地下鉄駅(77丁目4、6線)まで5分程度ですが、このホテルに泊まるような客は地下鉄を利用しないかも?(笑) メトロポリタン美術館およびセントラルパークまで徒歩7分。周辺は綺麗で静か、治安は最高のエリアです。
「ザ・ペニンシュラ」は、1928年に香港で開業した旗艦ホテルを持つ、香港、上海、東京、北京、ニューヨーク、シカゴ、ビバリーヒルズ、バンコク、マニラ、パリなど世界10都市に展開するラグジュアリーホテル。
10軒のホテルすべてが『フォーブス・トラベルガイド』のホテル部門で最高評価の5つ星を獲得するという、世界のホテルグループでも唯一の快挙を成し遂げています。近代美術館やロックフェラーセンター、ティファニーにも程近い5番街の観光に便利なロケーションに位置しています。
ザ・ペニンシュラホテル ニューヨークとしての開業は1988年ですが、1905年にオープンした「The Gotham Hotel」が前身であり、ホテルとしては100年以上の歴史があります。
イタリアン・ルネッサンス様式の重厚な正面を入ると、吹き抜けの広々としたエントランスホールがあり、ドラマチックに美しい大階段があります。
客室は数回のリノベーションにより、クラシックな印象を残しながらモダンでスッキリしたデザインに。カップルで受けられる最上階のスパにも定評あり。
クリスマスシーズンにはエントランスをはじめ、ホテル全体が美しくデコレーションされるため必見です。宿泊せずにラウンジでお茶だけ飲んでも雰囲気に浸れそうです。
マンハッタンのど真ん中5番街にある、観光に交通アクセスに抜群のロケーション。正面玄関は5番街の大通りに面していないため比較的静かで、向かい側には教会があります。近辺には高価なレストランやラグジュアリーブランド店があり、グルメにショッピングなど、散財してしまいそう。治安は良好ですが、教会近辺にホームレスがいることもありますので覚えておきましょう。
ニューヨークのホテルは日本と比べ本当に高額ですが、探してみたらマンハッタンにしてはお手頃価格で、宿泊客に嬉しいサービスがあるホテルを見つけました。ホテル探しの参考にしてくださいね。筆者が実際に足を運び、ホテルの周辺環境についても確認しています。
人気観光スポットのハドソンヤード、タイムズスクエアに程近い、観光にも交通のアクセスも便利なロケーションにある「ステイ・パイナップル」。南国のイメージのパイナップルとニューヨークはあまり接点がないように感じますが、ほかにもサンフランシスコ、シカゴ、シアトル、ポートランド、ボストンなど全米に展開するチェーンホテルです。
部屋はあまり広くはないようですが、愛犬と一緒に泊まることができる珍しいホテルです。無料で自転車を利用できたり、オリジナルクッキーやパイナップルウォーターなどが提供されたりと嬉しいサービスがあります。インテリアや備品の全てにパイナップルのロゴが付いているので、チェックアウトするまでにパイナップルが大好きになっているかもしれませんね。
米経済誌『フォーブス』で「ニューヨークのベストホテル(2023年2月13日掲載)」の中でベストバリュー(もっともお得な)ホテルに選出されています。
各空港からのアクセスがよく便利な立地で、最寄りの地下鉄駅(34丁目駅 A、C、E線)まで徒歩3分程度で便利。小規模なホテルなので、ロビースペースは狭いです。周辺は、日本で例えると新宿の歌舞伎町のような雑多な繁華街なので、早朝深夜は注意が必要です。愛犬と泊まりたい人、ニューヨーク旅行リピーター、宿泊料が割引時の利用をおすすめ。
2021年11月にオープンしたばかりの「ザ・ムーア」は、煉瓦造りのタウンハウスが並ぶ高級住宅地チェルシーエリアにあり、人気の観光スポットザ・ハイラインまでは徒歩10分程度の好立地。周辺にはおしゃれなカフェやレストランがたくさんあり、ニューヨーカーの気分で過ごせます。日系ケーキ店「ハーブス」もすぐそば。
ホテルの屋上にはすてきなルーフトップ・ワインバーがあり、エンパイアステート・ビルディングが望めます。わずか6階建ての小さなホテルなので、プライベート感覚で過ごせるのも魅力。
ただし、ニューヨークのホテルあるあるですが部屋は狭く、壁が薄くて防音が不完全との口コミもあります。
マンハッタンではパトカーや消防車のサイレンなど24時間を通して騒音があるので、落ち着かないエリアでもあります。それも大都会ニューヨークならではと受け入れるしかないのも事実です(苦笑)
最寄り地下鉄駅(23丁目駅 C、Eライン)まではわずか徒歩1分のアクセスのよさ。ガラス張りのカフェを併設したホテルは、小規模ながら清潔感があります。ホテルが面している22丁目は住宅街で、雰囲気や周辺環境はよい。最寄りの地下鉄駅付近にはホームレスがいることもあるので、早朝深夜は注意が必要です。
世界的に有名なクラシック音楽の殿堂、カーネギーホールに隣接し、セントラルパークまで徒歩3分の優雅な環境にある「ザ・カーネギーホテル」。セントラルパーク、5番街、ミュージカル劇場、タイムズスクエアはいずれも徒歩5分以内、繁華街にあるのに比較的静かで、周辺環境は良好。
特筆すべきは、ロビーでの無料の朝食、ワインとチーズが提供されるハッピーアワー、コーヒーや紅茶が24時間無料という3つのサービス! 旅行でありがちな「小腹が空いたけど、何をどこで食べればいいのかわからない」という心配がありません。
旅行者の多いミッドタウンは物価が高く、近辺のデリやスーパーマーケットでコーヒーとパン1個を買っただけで10ドルはあっという間にとんでしまいます。こちらの朝食はシェフが焼いてくれる熱々のオムレツやベーコンなどではありませんが、セルフサービスのパンやフルーツ、ヨーグルト、ドリンクが無料で提供されます。これらを部屋に持ち帰って食べてもよし、セントラルパークでピクニックにしてもよし、このエリアではありがたいサービスです。
タネを明かせば、基本宿泊料と税金の他に「施設利用料金(ホテルによってはアメニティー料金とする場合も)」として約30ドルを払います。それでも30ドルで、これらの充実したセルフサービスは利用価値ありです。利用者の口コミも高い宿となっています。
詳細はこちらをご覧ください。
セントラルパークに近く、高級コンドミニアムやロシアンティールームなどの高級レストラン、カーネギーホールが林立する、マンハッタンの中でも地価の高い57丁目は、飛び抜けて治安も雰囲気もよいエリアです。
ホテルは1本裏手に入った56丁目にあるので、意外に静か。周辺はクラシック音楽やバレエ・ダンスの劇場などアート色が濃く、隣にはギリシャレストランがあるなど、治安は問題ありません。超高級ホテルが多いエリアでは穴場のホテルなので、料金が安い時に賢く予約したいですね。
こぢんまりとしたホテル内は清潔感があり、フロントの女性スタッフはにこやかで感じよく、筆者が旅行者だったら「ここに宿泊したい」と思いました。
筆者がホテル探しでおすすめしたいのは、グーグルマップで探すことです。
上記の方法で、メディアやガイドブックには掲載されていない最新の、かつ旅行者に評価の高いホテルを見つけることができます。予算内で自分好みのホテルがあったらクリックしてみてください。利用者の投稿した写真や口コミが見られるので、ホテルについて実際のイメージがつかめますよ。
TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
監修:地球の歩き方
掲載している宿泊料は2023年3月時点の情報です。価格やサービスは事前の予告なく変更になる場合がありますので、公式サイトで最新情報をご確認ください。