キーワードで検索
日本人にも知名度が高い、アメリカのスーパーマーケット「トレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)」。1967年西海岸カリフォルニア州創業したこのスーパーは、アメリカ43州で562店舗数を展開(2023年5月時点)しており、ニューヨーク州にはカリフォルニア州に次いで2番目に多い店舗数があります。デザイン性の高いパッケージに包装された、手頃な価格の自社商品が並び、アメリカでも20〜40代の単身者や小人数家族を中心に絶大な人気があります。「日本へのおみやげはトレーダー・ジョーズで調達!」という情報をよく目にしますが、実際に訪れてみると商品数が多いので、「何を買ったらいいの?」と迷ってしまうかもしれません。そこで今回は、ニューヨーク市在住の筆者がトレーダー・ジョーズでのショッピングについてアドバイスします!
目次
まずは、トレーダー・ジョーズの特徴を確認しておきましょう。
トレーダー・ジョーズは日本進出していませんが、日本でもカルディ等で一部の商品を購入することは可能です。
さて、豊富な商品が並んだトレーダー・ジョーズではいったい何を買えばいいでしょうか。筆者がピックアップしたおすすめ商品から、ばらまき用に重宝するお土産まで徹底的に紹介します。ぜひ滞在中のショッピング、おみやげ選びの参考にしてみてくださいね。
クッキーなどの菓子類は軽くてかさばらないので、日本へのおみやげにおすすめです。
筆者のお気に入りの「マイヤーレモンクッキーシンズ」は、シンプルなパッケージのロングセラー商品。ほんのり香るレモンがすっきりとしていて、飽きのこない上品な味。指でつまんだ薄さもちょうどよく、コーヒーにも紅茶にもばっちり合います。筆者はトレーダー・ジョーズに行くたび、マストで買います。
大きめのチョコチップが気前よく入った「ウェイモア・チョコレートチップス・クッキー」。たっぷりと454gも入っており、お得です。職場や家族のおみやげに。
ニューヨークで人気のチョコレートカバーのミニプレッツェルは、ばらまきみやげにいかがでしょうか。筆者は甘さ控えめの「ダークチョコレートカバー・ミニプレッツェル」が好きですが、甘党の方にはミルクチョコレート味もおすすめです。
板チョコもパッケージがかわいいものが種類多くあるのですが、チョコレートそのものは、一般的な日本製チョコレートの方がデリケートでおいしいと感じます。
チーズ味のスナックが大好きで、新製品があると買わずにはいられない筆者。パルメザンチーズとブラック・トリュフ風味のコーンスナックとは見逃せず、購入してみました。ニューヨークでは近年チーズ+トリュフの組み合わせがはやっていて、レストランのフレンチフライ(フライドポテト)の味付けでも人気。トリュフそのものを使用しているわけではなく、トリュフオイルかトリュフ塩で風味をつけています。筆者の大好きな組み合わせですが、実は当たり外れも多いのが難。
この「ファンシーチーズ・クランチーズ」は、微かなトリュフ味とさっぱり系のチーズ味。後味にちょっとケミカルな感じが残るので、好き嫌いは分かれるかもしれません。話のネタに買ってみるのもアリかもしれませんね。
比較的最近出たと思われる、コーン系のスナック「オーガニック・カチョエぺぺ・パフ」。店内でかっこいい利用客が「あ、コレコレ」と買っているのを見かけて、真似して購入したのが始まり。チーズと胡椒が効いた、ビールに合う大人味のスナック。約140グラムの量もほどよく、筆者のお気に入りです。
上記の「カチョエぺぺ・パフ」に凝るまでは、「ホワイトチェダー・コーンパフ」にはまっていました。今は西日本限定で売られている日本のコーンスナック「カール」に近いです。200グラム近くある大袋なので、抱えて食べだすと止まらなくなり危険。食感は軽くても、しっかりチーズの味がするので結構なカロリーのはず(汗)。
同製品のサワークリーム味は味自体の印象が薄いので、筆者はホワイトチェダー味がお気に入りです。買い物かごに入れている人をよく見かける、ロングセラーのスナックです。
ポップコーン好き、チーズ好きだったら、きっと気にいる「ホワイトチェダー・ポップコーン」。袋を開けると、一気に食べたくなる衝動に駆られます。手についたチーズまで舐めてしまうおいしさ。
トレーダー・ジョーズといえば「エコバッグ」は外せませんね。スーパーマーケットのオリジナル・エコバッグを定着させた先駆者といわれています。ビビッドなカラーに、ポップなデザインがいかにもアメリカらしくて、ばらまきみやげにもぴったり。
以前はビニールのエコバッグでしたが、現在は洗えるタイプのキャンバス地エコバッグが主流です。裏表の柄が違うので、気分により柄を使い分けしても良いですね。
トレーダー・ジョーズのエコバックは日本でも買えるものですが、現地だと安く日本にはない様々な種類のエコバックを購入できます。
表の柄はオイルサーディン(イワシの油漬け)の缶詰です。いずれも色合いや柄がかわいくて、どれを買えばいいか悩みますね。お手頃価格なので、悩んだら全部買ってしまう手もあります。
こちらは保冷機能がついたエコバッグ。たっぷりと入る大きさなので、キャンプやドライブで活躍しそうです。
アメリカに住んでいて日本が羨ましいのは、良質でプチプラのスキンケアが充実していること。アメリカのドラッグストアでは肌質にあったものをなかなか見つけられず、日系スーパーで日本のものを2〜3倍の値段で泣く泣く購入することもありました。
そこで在住10年以上経ってから、アメリカのスーパーマーケットに注目してみました。トレーダー・ジョーズで思い切りスルーしていた、シンプルなパッケージの「オールインワン・フェイシャルクレンザー」を購入してみたら、思いのほか品質がよくてびっくり。
がっつりなアイメイクでなければマスカラも落ちて、ダブル洗顔は不要。無臭で肌に刺激がないうえ、洗い上がりもしっとり。洗顔料を忘れてしまった!という旅行者はもちろん、スキンケア商品好きの方は要チェックです。
逆に、バラの絵が描かれたピンクのボトルの化粧水(Facial Toner)は、アメリカの化粧水によくあるピリピリ感があるので、筆者は苦手です。化粧水が入っているスプレーボトル自体は大きさがちょうどよく、細かい霧状のスプレーが出て使い勝手がいいので、ほかの化粧水を入れて愛用しています。クリニークの化粧水が好きな方にはいいと思うので、気になる方は試してみてください。
日本人の髪質はアメリカ人と違うので、合わないシャンプーを選んでしまうと絡まったりキシキシしたり。筆者もシャンプー選びには苦労していました。価格も日本に比べて高いので、失敗して散財することも度々。
そんななかでこのお手頃価格のシャンプーは、比較的日本人の毛質にも合うと思います。ミント系のスースーするシャンプーなので、夏にぴったり(冬に使うと寒く感じます)。
シャンプーを持参するのを忘れてしまった方や、長期滞在する方は試してみてはいかがでしょうか。コンディショナーとセットでどうぞ。シトラス系のボディソープも、ロングセラーです。
ヒマラヤンソルトの火付け役になったといわれる、トレーダー・ジョーズ。値段が安くパッケージがかわいいので、キッチンに1本置いておきたくなります。気がつけば、「ヒマラヤン」の名前が外れて「ピンクソルト・クリスタル」という商品名になっており、現在はヒマラヤ山脈産ではないのかもしれません。
同シリーズのレモンペッパーやガーリックソルトも、味に変化をもたせたい時に役立ちます。ばらまきみやげにもいいですが、容れ物のガラスのグラインダーは割れ物のうえ、結構重さがあるので荷物の重量制限には要注意です。
ソーセージを食べる時や、ポテトサラダの味付けに役立つディジョン・マスタードも手頃です。筆者もよく購入していました。容量が369gもあるので、使い手があります。
99セントの安さなので、まとめて買っておくと誕生日や礼状に使える「グリーティングカード」。誕生日のほか、季節のイベント系のカード(バレンタインや卒業祝い、クリスマス)も販売されています。
クリスマスシーズンに旅行に行く方は、「クリスマスシーズン限定のお菓子」もおすすめ。パッケージがかわいらしく、星型やクリスマスツリー型など、ワクワクするものが色々な登場します。ただし、12月になってもなかなか販売されず、販売され始めたと思うと一瞬で売れてしまうので、マメに見に行かないと買えないのが難点。
さて、ここまでおすすめの商品を紹介してきましたが、ここからはトレーダー・ジョーズで買い物をするにあたり気をつけたほうがいいことをまとめます。好感度が高く固定ファンも多い人気のスーパーですが、過去に起こった出来事を振り返りながら、商品の安全性についても理解しておきましょう。
2016年5月にトレーダー・ジョーズで販売されていた10点以上の冷凍野菜(冷凍チャーハンを含む)はリステリア菌汚染の可能性があり、リコールされました(参照記事)。その半数の商品名には「オーガニック」と名付けられていました。「オーガニック」製品だからといって安全が保障されているわけではないので、盲信は危険です。
アメリカ在住者はニュースなどで知っていますが、「トレーダー・ジョーズはリコール商品が多い」ことでも有名です。リコールとは、購入者に安全上の被害を及ぼす可能性がある商品を回収すること。食品の場合、健康に悪影響を及ぼし、病気を引き起こす可能性があります。
参照
アメリカ在住者では、トレーダー・ジョーズのピーナッツ・バターがリコール商品として記憶に残っている人も多いと思います。上記の商品はトレーダー・ジョーズの外注先が製造しており、すでに撤去・廃棄のうえ改善されているはずです。それでも、筆者はあえて手に取ろうとは思いません。繰り返しリコールが起こっているのは、食品基準に関する意識が低い気がするからです。
以前はトレーダー・ジョーズのメーリングリストに登録していたのですが、あまりにも頻繁に「リコール商品のお知らせ」が来るので嫌気がさし、登録を解除してしまいました。リコール商品は「オーガニック」と名付けられているものも目につきます。
トレーダー・ジョーズに限らず、オーガニック系スーパーと言われる「ホールフーズ Whole Foods」でも、2019年11月サラダバーなどで取り扱いの70品目もの食品が、リステリア菌汚染の可能性によりリコールされています。また、販売商品にアレルギー成分の未表示を繰り返していることから、2020年12月にFDA(アメリカ政府による食品医薬品局)から警告を受けています。
参照
トレーダー・ジョーズに限らず、アメリカではすぐに食べられるようにカット野菜やカットフルーツ、サラダミックス(数種類のサラダ用野菜を混ぜ合わせパックしたもの)が多いですが、切ったら傷みやすいはずのこれらの商品が変色もせず、新鮮そうに見えることがよくあります。
二次加工の野菜・果物類は、リコールになることもしばしばです。アメリカ疾病予防管理センターによると、米国における食中毒の多くは、人々が生で食べる野菜や果物に付着した細菌によって引き起こされるとのことで、有害な細菌には大腸菌、ノロウイルス、サルモネラ菌、リステリア菌、シクロスポラ菌があります。旅先ですぐに食べられるサラダやカットフルーツは便利に見えますが、これらの理由から手放しではおすすめできません。過去にもサラダ用のカット野菜で、広域集団感染による食中毒が発生したことがあります。
旅行時に手軽に食べられる商品ですが、絶対に安全とは言い切れない事実があることを把握しておきましょう。
参照
安い価格に惹かれ、筆者も何回か買ったバッグ入りのアボカド。グリーンのネットに入っているため、色や鮮度が判別しにくいのですが、購入してよくよく見てみると粒が小さく、熟れなかったので半分は捨てることになりました。安かろう悪かろうと思い、最近は購入していません。
バナナも安いのですが、なかなか良品に当たらないので、トレーダー・ジョーズでは、青果はあまりおすすめできません。
個人的に青果がおすすめなのは、ストリートにいるベンダー(屋台)の八百屋です。彼らは安くて、品質が良いものを販売していて、ひとつから買えるので旅行者にも買いやすいと思います。よくトレーダー・ジョーズの店舗前に出店しているので簡単に見つけることができると思います。
トレーダー・ジョーズでは、目につくところに季節の花や鉢植えがあり、値段も安いことからつい買い物かごに入れてしまうのですが、筆者の経験では日持ちがしなかったり、育たなかったりしたことが多かったです。鮮度があまりよくないように思えます。
ホテルなどに花を飾りたい場合は、旅行者には14丁目にあるユニオンスクエアのグリーンマーケットの花やグリーンは鮮度や品質がよくおすすめ。屋外の青空市で、月、水、金、土の開催です。トレーダー・ジョーズのユニオンスクエア店のすぐ近くです。
人気スーパートレーダー・ジョーズのおすすめ商品と注意しておきたいことを紹介しました。最後にポイントをまとめますので、ショッピングの際の参考にしてみてください。
トレーダー・ジョーズは、自社ブランド商品のほとんどを他社メーカーに外注しています。そのため、トレーダー・ジョーズの商品と同じような商品をほかのスーパーで見かけることがあるかもしれませんが、トレーダー・ジョーズのほうが中間業者を介していない分、低価格でお買い得です。
たくさんの魅力的な商品が並べられていますが、「トレーダー・ジョーズの商品だから安心」「オーガニックだから安全」と決めつけずに、商品のクオリティと安全性をしっかりと見極めて、賢くショッピングをしてみてくださいね。
参照
TEXT・PHOTO:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
*Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方
※店内撮影については、店舗スタッフの許可を得て撮影しています。
※掲載情報は2023年6月時点の情報です。価格や商品構成などは変更になる場合がありますので、事前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。