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NY最大規模のマルシェ「ユニオンスクエア・グリーンマーケット」を徹底攻略!

青山 沙羅

青山 沙羅

アメリカ・ニューヨーク特派員

更新日
2024年5月3日
公開日
2024年5月3日
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世界的な大都市ニューヨークにあるのは、天まで伸びるほどの高層ビルだけではありません。車で2〜3時間かけて郊外へ行くと農園や牧場があり、自然の恵みにあふれています。食に対する意識の高いニューヨーカーは、安心して食べられるオーガニック、無農薬、産地直送の食材を好みます。ニューヨーク近郊で農家の新鮮な食材を直売する「ユニオンスクエア・グリーンマーケット」は、季節の実りや新鮮な食材が揃い、地元住民をはじめ旅行客にも大人気です。今回は筆者も大好きなこのマーケットの魅力を、多数の写真でわかりやすくご紹介します。きっと、あなたも訪れたくなりますよ。

ユニオンスクエア・グリーンマーケットとは?

犬の散歩がてら、買い物に来る地元住民も多い

1976年に数人の農家によって始まったユニオンスクエア・グリーンマーケット(以下、グリーンマーケットと表記)は、現在ではニューヨーク市最大規模のファーマーズ・マーケットになりました。ニューヨーク市を北上したニューヨーク州郊外や隣のニュージャージー州、ペンシルバニア州、バーモント州などから運ばれてきた、新鮮な果物や野菜、肉、魚貝、チーズ、ホームメイドのパン、ジャム、ピクルス、季節の切り花や植物、ワイン、アップルサイダー、はちみつ、メープルシロップなど魅力的な商品を揃えた屋台が並びます。季節の恵みを手に入れようと、年間で6万人もの買い物客が訪れるといわれます。

グリーンマーケットは、日本でいえば青空市や道の駅のようなものなので、日本人にとっても親しみが湧くのではと思います。

安全性が高い商品が手頃な価格で手に入る

りんごが出ているうちは、まだ冬の感覚。日本の品種「むつ」も人気

グリーンマーケットは地元のビジネスを守るという側面ももっています。民間資金による非営利団体”Grow NYC”は、市場競争に追いつけない小〜中規模の農場が次々と消えていくのを見かねて、地元のビジネスを守り、安全で新鮮な食材を消費者に届けるためにこのマーケットを立ち上げました。

収穫したての新鮮な食材が、地元であるニューヨーク近郊農家から直接届きます。仲介者やブローカーを通さないため、出荷元が明らかで商品の安全性が高く、仲介手数料がない分やや手頃な値段も利点です。

愛犬家が多くやってくる

©︎HideyukiTatebayashi お気に入りの友達を連れてきた犬

グリーンマーケットが行われるユニオンスクエアは、ドッグランが併設する公園で、愛犬家が多く集まります。ショッピングにお供する、さまざまな犬が見られることも楽しみのひとつです。

  • 買い物をおとなしく待つ犬
  • 「買い物が済んだら、ドッグランへ連れて行ってね」

マストチェックなアイテム6つ

1.季節を届けてくれる花々

優しく華やかな、きんぽうげ科のラナンキュラス20ドル

日本の青森県とほぼ同じ緯度のニューヨークは、寒冷地であり1年の半分が冬です。そのため、ニューヨーク住民は春や夏の訪れを待ちわびており、季節の移り変わりを象徴する花々に心を躍らせます。

初夏のピオニー(芍薬)や夏のひまわりは、特に住民に人気が高いです。アメリカ人は華やかな花が好きな方が多い印象です。男女問わず、花を嬉しそうに抱えている人が多いです。花を飾ると、部屋がパッと明るくなりますよね。

アネモネのブーケ15ドル

季節の花もいいですが、ボリュームのあるユーカリの枝も好まれ、すっきりした香りは部屋の匂い消しにもなりますよ。また切り花だけでなく、バジルやパセリなどのハーブ、鉢植えの花もあります。筆者も時々購入しますが、質がいいです。

  • チューリップのブーケ
  • 白、赤、黄、ピンク、オレンジなど好みの色のチューリップが探せる
  • 桃の花
  • イースター直前の時期、イースターをモチーフにした花
  • キャンディみたいな可愛さ
  • パンジーの鉢植え
ハート型もあるドライフラワーのリース。シーズンに合わせているので、サンクスギビングやクリスマスの時期のリースもすてき。販売:NY州郊外にあるキャッツキルエリアから出店しているTheRiverGardenflowerfarm

生花と並んで人気があるのが、ドライフラワーのリース。部屋に飾れば、カントリースタイルのインテリアが即座に完成。ハート型のリースはバレンタイン時期に人気でした。

サンクスギビングやクリスマスには、季節に応じたすてきなリースが登場するのが楽しみ。

部屋に飾りたいドライフラワーのブーケ40ドル販売:TheRiverGardenflowerfarm

2.近郊の農家から直送される新鮮な野菜とフルーツ

秋〜冬のニューヨークでは、りんごが収穫される

グリーンマーケットでは、各農家の農園で収穫されたばかりの新鮮な野菜やフルーツが手に入ります。

スーパーマーケットの商品は西海岸や外国から長時間かけて運ばれ、店頭に並ぶ直前まで倉庫で保管されているのに対し、ファーム・トゥ・テーブル(農地からトラックで直送)のこのマーケットでは消費者との距離が近く、地産地消にもつながっています。

子供にも安心して食べさせられる、無農薬、自然飼料の野菜を出荷している農家

出店基準によって遺伝子組み換え作物の販売は禁止されていますが、オーガニック栽培については混在しているようですので、気になる方は店内のポップ(説明書き)などで確認しましょう。

運営のGrowNYCによると、市場競争で苦戦する小〜中規模のグリーンマーケット農家の80%は、このマーケットがなければ廃業すると報告しました(※)。家族経営の農場の存続に、グリーンマーケットが貢献しているといえます。

  • 新鮮さに目を惹かれる
  • ラディッシュも人気
  • キッチンを飾るインテリアにもなる野菜
  • ニューヨーク州はりんごの産地
  • 写真の農家では、無農薬、遺伝子組み換えをしていない野菜を出荷していると注意書きが貼ってあった
  • きのこ類も豊富まいたけも見かけた

3.NY名物のアップルサイダーとアップルサイダー・ドーナツ

©︎HideyukiTatebayashi ニューヨーク名物のアップルサイダー(濾過していないりんごジュース)を召し上がれ。自家農園で収穫したりんごが使われています。販売:MigliorelliFarm

グリーンマーケットの名物は、マンハッタンを北上したニューヨーク州産りんごが原料の「アップルサイダー」と「アップルサイダーのドーナツ」。アップルサイダーとは炭酸水ではなく、濾過していないりんごジュースを意味し、フランス語ではシードルと呼ばれるものと同様です。アルコールの入っているものは、「ハードサイダー」と呼ばれます。

ホッとする素朴な味のジュースを、ぜひお試しくださいね。冬期のホットアップルサイダーは、シナモンやクローブを加えて鍋で熱したもので、冷えた体が温まります。

アップルサイダーのドーナツは、アップルサイダーを練り込んだ、シナモン味のふんわりした食感のドーナツ。見た目は地味ですが、シンプルなおいしさで筆者は大好きです。グリーンマーケットでは、3個5ドルで販売されています。ドーナツは時間が経つと油が染み出すので、購入したら早めに食べましょう。

  • 各農家で出している人気商品。値段も手頃
  • ボトル入りは持ち帰れます
  • 筆者はMigliorelliFarmが販売するアップルサイダー・ドーナツを買いました。おいしかった!
  • 各農家で価格や味は多少異なります。お気に入りを見つけましょう。写真はBreezyHillOrchardのもの
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