ニューヨークでクラフトビール。摩天楼を眺めながらブリュワリー巡り
2024.7.18
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冬が長いニューヨークにおいて、ふわりとやさしい表情を見せる束の間の春は、筆者の大好きな季節です。ニューヨークは高層ビルばかりのイメージがありますが、街中には自然があふれた公園が多く、都会の喧騒から離れて心を休めることができます。今回は筆者のお気に入りである「リバーサイド・パーク」と、そのなかでもクラブアップルツリーの並木道があり、有名ラブコメ映画のロケ地として登場した花壇がある、91〜96丁目あたりをご紹介。花のベールをまとう、知られざる春のニューヨークの魅力を、読者の皆様にお届けします。
目次
リバーサイド・パークは、ニューヨーク市マンハッタンの最西端、72丁目から158丁目までの4マイル(約6.5㎞)に、ハドソン・リバー沿いに縦長のかたちで広がるウォーターフロントの公園。マンハッタンの中央にあるセントラルパークとは、ほぼ並行に位置しています。
セントラルパークに比べると知名度は低いですが、子供や愛犬を連れてゆっくり散歩ができ、地元住民に愛されています。整備が行き届いているので、清潔で治安もいいです。ハドソン・リバーの対岸には、お隣のニュージャージー州が見えます。
公園には、スケートボードができるスケートパーク、野球場、バスケットボールコート、サッカー場、テニスコート、野球場、マリーナ(2028年再開予定)、ドッグラン、ウォーターフロント沿いの自転車専用レーンなどがあり、夏になるとヨガやダンス、スポーツ、映画上映、ライブミュージックなどさまざまなイベントに無料で参加できるのも楽しみです。
リバーサイド・パークを訪れるにあたって、筆者がおすすめする時期は春(だいたい4月中旬頃)*です。クラブアップルツリー(リンゴ科の木)、八重桜が濃淡の花々を咲かせ、公園は花のベールで覆われます。
そのさまは、ふわふわと幸せのオーラが漂っているかのようで、大好きな風景です。普段は眉間に皺を寄せ、前のめりに先を急いでいるニューヨーカーも、この花盛りのなかでは笑顔でリラックス。ベンチが多いので、休みながら眺めることもでき、読書している人も多いです。芝生エリアでは、子供連れがピクニックしていることも。ただし、日本と違って屋外での飲酒は違法ですので、残念ながら花見酒はできません。
花々が咲き誇る春のリバーサイド・パーク。筆者はクラブアップルツリーが目当てですが、ほかにも桜やチューリップ、水仙、タイツリソウ、クリスマスローズなど、春の花があちこちで見られます。
筆者がいちばん好きな、リンゴ科の清楚で可憐な花です。リバーサイド・パークには、クラブアップルツリーと桜の並木道(crabapple grove)があり、一斉に花を咲かせる姿は見事です。蕾は濃いピンク、咲きはじめは淡いピンク、満開になると白に色を変えてゆくので、変化を見守るのも楽しいです。筆者はこの花には大切な思い出があり、毎年春の開花時期には訪れています。
メグ・ライアンとトム・ハンクスの1998年映画『ユー・ガット・メール(You’ve got Mail)』のラストシーンで登場した「91丁目花壇(ガーデニング好きのための庭園)」。オンライン上でやり取りしていたふたりが、初めて顔を合わせるハッピーエンドが撮影されました。
花壇はボランティアの人々により手入れされており、春には各種チューリップや水仙、バラ、タイツリソウなどが花を咲かせます。映画では撮影用にプロが手を加えていたようで、実際の花壇とは少し異なります。やや雑然として手作り感がありますが、それもまた趣があります。
リバーサイドパークの91〜96丁目あたりでは、ニューヨーカーは皆このようにして過ごしています。
最もよく見かけるのが、愛犬を連れての散歩。公園内には6ヶ所のドッグランがあるため、犬は思い切り走り回ることができ、多くの友達(犬)に出会えるのでご機嫌です。
その次が子連れのファミリー。アッパー・ウエストは富裕層の住宅地なので、ベビーシッターに連れられて日光浴に来た乳幼児・幼児も見かけます。広い公園内には、子供用の公園もあり、91丁目の「カバの遊び場(Hippo Playground)」には滑り台やブランコ、カバの水遊び場の遊具がありますよ。
参照:ドッグラン https://riversideparknyc.org/map
ニューヨーカーはジョギング好き。川沿いに木々の中を走る、気持ちのいいジョギングコースです。
自転車専用レーン以外ではスピードは出せませんが、サイクリングをしている人もいます。旅行者には、米大手銀行シティバンクがスポンサーのシティバイク(Citi Bike)のレンタル自転車に人気があります。アプリをダウンロードすると、どこにステーション(乗降場)があるかを確認できます。
利用は16歳以上。
利用料金は1日19ドル、1回4.79ドル(電気自転車は別途追加料金)。「30分を超過すると1分ごとに追加料金が加算」されるので、30分ごとに乗り換えましょう。
返却の際は、ロックして戻すこと。紛失、盗難の場合は、1200ドルがチャージされますのでご注意を。
静かで落ち着いた公園なので、散策やデートにもピッタリ。
今回ご紹介したクラブアップルツリーの並木道を見たい方は、地下鉄で向かう場合、1、2、3(赤)ラインの96丁目下車が便利です。まっすぐ最西端まで向かうと、並木道の入り口が見えます。96丁目駅は、タイムズスクエア駅からアップタウン行きに乗り、10分ほどの乗車時間です。
ニューヨークの春は短いですが、筆者は花開くリバーサイドパークに出会ってから、春の季節が大好きになりました。今回は広いリバーサイドパークのなかでも、春に訪れて欲しい91〜96丁目エリアをご紹介しました。次回は、眺めがすばらしい埠頭やリバーカフェがあるウォーターフロントの「リバーサイドパーク・サウス」70丁目エリアをご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに。
ニューヨークの秘密の花園を見に、ぜひニューヨークへいらしてくださいね。ニューヨークでお待ちしています!
TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO:Hideyuki Tatebayashi
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監修:地球の歩き方
掲載情報は2024年5月時点の情報です。情報は変更になる場合がありますので、事前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
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