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パリから南東に1時間も車を走らせると、なだらかな起伏のあちこちに、白壁に赤い屋根の集落が点在するようになる。ブルゴーニュ地方はフランスの食糧庫だ。ブルゴーニュ公国の首都であったディジョンを中心に、南に続く「黄金の丘」、起伏の多い森林地帯、そこからロワール川につながる豊かな高原地帯、そしてソーヌ渓谷と、緩やかではあるが変化に富んだ地形が続く。
それらの斜面ではフランス特有の丈の低いブドウの木が植えられ、あるいは食肉用の白牛シャロレが群れをなす。パリとはうって変わった強い日差しのなか、勤勉なこの地方の人たちが仕事に精を出しているのも見える。豊かな実りを思わせる光景だ。
[気候]
夏は暑く、冬は冷え込みが厳しい。ベストシーズンは秋。気候も穏やかで、ブドウ畑巡りに最適の季節。
[特色]
言わずと知れた美食とワインの里。ブルゴーニュ公国時代の華麗な遺産、珠玉のロマネスク教会など、芸術の宝庫でもある。
[周遊のヒント]
中心都市のディジョン、ボーヌはTGVも停車し、交通の便がいい。オータン、クリュニーへはディジョンを拠点に足を延ばせばよい。一方、ロマネスク教会のある村々のほとんどは鉄道がなく、バスも1日1本などという所が多い。レンタカーかタクシーの利用を考えよう。ブドウ畑巡りはボーヌからのツアーに参加すると効率的。
1月
サン・ヴァンサン・トゥールナント祭(最終週末):毎年違う村が輪番制で開催するワインの祭り(2024年はシャンボール・ミュジニーとモレ・サン・ドニで開催)
5月
指輪の祭り(スミュール・アン・オーソワ/31日):フランス最古の競馬で、優勝者には金の指輪が与えられる。中世を再現する時代行列もある大がかりな祭典
7月
バロック音楽祭(ボーヌ/毎金・土・日曜):オスピス・ド・ボーヌなどで室内楽やオペラのコンサートが開かれる国際的な古楽音楽祭
11月
栄光の3日間(ボーヌ/第3週末):ブルゴーニュ最大のワイン祭り。ワインの競売と収穫を祝う大晩餐会が開かれる
エスカルゴやブッフ・ブルギニョンなど、日本でもポピュラーな料理が味わえる。名産のワインやマスタードを使った料理が多い。食前酒には、ディジョン生まれのキールをどうぞ。