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モデルを決して美化することなく、内面を見透かすようなリアルな表現で描き上げた19世紀の画家クールベ。パリのオルセー美術館に展示されている、幅約6.5m、高さ約3mの大作『オルナンの埋葬Un enterrement à Ornans』は、彼の故郷であるこの町で描かれたものだ。モデルとなったのは町の人たち。背景にはこの地方特有の石灰質の白い崖も見える。クールベは作品を官展に出品し、故郷に錦を飾るはずだった。ところが、官展での評判は最悪、その横柄な態度も災いして、彼はすっかり嫌われ者になってしまった。
クールベが再び評価を得るようになったのは、死後何十年もたってから。売りに出された生家は「友の会」に買い取られ、クールベ美術館Musée Courbetに改装された。常設展示されたオルナンの風景画などを観ていると、クールベの自然に対する観察眼の鋭さがわかるはずだ。
クールベは亡命先のスイスで亡くなったが、その遺骸はオルナンに運ばれ、町の墓地で永遠の眠りについている。
ブザンソン・ヴィオット駅前からMobigo社の204番のバスで約45分。PlaceCourbet下車。