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ロワール川の支流、ゆったりと流れるヴィエンヌ川のほとりに建つシノン城Forteresse Royale de Chinon。1429年、ジャンヌ・ダルクが初めてシャルル7世に謁見した場所として、この城は歴史に名を刻むことになった。
ジャンヌの力を試すために、シャルル7世は、替え玉を玉座に座らせ、自分は廷臣に扮して人々の間に紛れていた。ところが、ジャンヌは偽の王には目もくれず、一面識もないシャルル7世のもとに迷わず歩み寄ってひざまずいたという。その歴史的会見の後数世紀を経て、すっかり廃墟となったシノン城。ジャンヌを迎えた大広間も、今では暖炉を残すのみだ。とはいえ、うち捨てられた廃墟独特の枯れた味わいがあり、ほかの華麗な城館よりもこの城を好む古城ファンは少なくない。
城の麓には、古く美しい家並みの城下町が広がる。ロワール地方の郷土料理が食べられるレストランや名産のシノンワインが飲めるワインバーも多く、ぶらぶら歩きが楽しい。シノン出身の作家、ラブレーが言っている。“人はワインを造り、ワインは人をつくり変える”。そんなワインを一度飲んでみてほしい。
トゥールからTERまたは国鉄バスで約50分。駅からシノン城までは約1.5km。