フランスの北東部、ライン川を挟んでドイツと国境を接するのがアルザス地方、その内側がロレーヌ、シャンパーニュ地方だ。2016年、グランテスト地域圏に統合された。アルザスは、地理的にも文化的にもドイツの影響が非常に濃い。木骨組みと漆喰で構成した、この地方独特の家並みは、独仏両国の間で揺れ動いた歴史を物語っている。一方、公国としての繁栄を知るロレーヌ地方では、古都ナンシーを中心に開花したアールヌーヴォーの建築物を訪ねてみたい。
アルザス、ロレーヌ、シャンパーニュの観光のヒント
気候
8月を除いて降雨量が少なく乾燥している。夏は暑く、冬は寒さが厳しい。雪が降ることもある。春と秋がベストシーズン。
特色
アルザス、シャンパーニュとも、ブドウ畑の中に村が点在する、絵画的な風景に出合える。ロレーヌ地方では、バカラなど職人工芸の技が脈々と受け継がれている。
周遊のヒント
アルザスはストラスブールからコルマールまで、ワイン街道の村を訪ねながら南下したい。ロレーヌ地方のナンシーを組み込むのもいい。シャンパーニュ地方は、ランスを起点にエペルネーなどシャンパン造りの村を訪ねたい。
一度は訪れたいランスのシャンパンセラー
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世界遺産、ランスの大聖堂
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アールヌーヴォー様式の建築が点在する町、ナンシーの中心はスタニスラス広場
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伝統的な造りの家並みが続くリクヴィルは、ワイン街道で最も人気のある村
アルザス、ロレーヌ、シャンパーニュのおもな祭りとイベント
8月
友人フリッツの結婚式(マルレンアイム/14・15日):アルザス地方の童話に基づいた結婚式を忠実に再現する祭り
9月
笛吹きの祭り(リボーヴィレ/第1日曜):中世の伝説をもとに、音楽隊のにぎやかなパレードが繰り広げられる
11月
クリスマスマーケット(アルザス地方全域/下旬〜12月):クリスマスツリー発祥の地であるアルザス地方では、ワイン街道沿いの村々にクリスマスマーケットが立つ
12月
聖ニコラの祭り(ナンシー/第1週末):聖ニコラ(サンタクロースの起源とされる聖人)をたたえて華やかなパレードが行われる
木骨組みの建物がかわいいストラスブールのプティット・フランス
アルザス、ロレーヌ、シャンパーニュの名産品と料理
アルザス料理はドイツ色が濃厚。ビール、ワイン、フォワグラの生産も盛んだ。名産品としては、リボーヴィレのプリント生地などがある。ロレーヌ地方では、キッシュをはじめ、ナンシーの菓子マカロンが名物。
ベックオフBäkeofe:マリネした肉とジャガイモを重ね焼きしたアルザス料理(料理:モーリス・ギルエット)
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クグロフKougelhopf:パンのブリオッシュ生地を専用の型で焼いた、アルザス地方の焼き菓子
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シュークルートChoucroute:塩漬け発酵させたキャベツを豚肉とともに白ワインで煮込み、腸詰類を盛り合わせたアルザスの代表的料理
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クローナンブールKronenbourg:1664のラベルで知られる、アルザスビールの代表的銘柄
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タルト・フランベTarteFlambée:アルザス風極薄ピザ(料理:アントワーヌ・シェフェール)
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ビエール・ド・ノエルBièredeNoël:クリスマスの時期にだけ発売される期間限定の「クリスマス・ビール」
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マカロン・ド・ナンシーMacarondeNancy:ナンシーのマカロンはクリームを挟まない伝統的な形。アーモンドの素朴な味わいが魅力
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シャウルスChaource:コクのあるシャンパーニュ地方の白カビチーズ
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ミラベルMirabelle:ロレーヌ地方で取れる黄色い西洋スモモ
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ゲヴュルツトラミネールGewurztraminer:華やかでフルーティな香りが持ち味のアルザスワイン
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キッシュ・ロレーヌQuicheLorraine:卵、生クリーム、ベーコン、チーズで作る塩味の効いたロレーヌ風キッシュ
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シャンパーニュChampagne:発泡ワインのなかでシャンパンと名乗れるのは、シャンパーニュ地方で造られたものだけ
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ベルガモット・ド・ナンシーBergamotesdeNancy:ベルガモットで香りづけされたキャンディはナンシーの名物
基本情報