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シャンパーニュ地方が伯爵領であった中世の時代、その中心都市だったのがトロワ。古くから北ヨーロッパと地中海岸地方を結ぶ交通の要所であったこの町には、各地の産物が集まり、大規模な市が立った。中規模の町ながら中心部に10もの教会が集まることからも、当時の町の繁栄ぶりがうかがえる。優れた職人たちにも恵まれ、教会美術のなかでも彫刻とステンドグラスは傑作揃い。ルネッサンス期に建てられた木骨組みの民家も、市街地そのものとして保存され、まるで町全体が美術館であるかのようだ。
トロワの地図を見ると、この町が偶然にもシャンパンコルクの形をしているのがわかる。ちょうど「コルク」の下に当たる位置に駅があり、サン・ピエール・エ・サン・ポール大聖堂があるコルクの頭の部分に向かって歩くことになる。コルクの中心部分は昔からの商業地区で、とりわけアレクサンドル・イスラエル広場 Pl. Alexandre Israëlを中心とした一帯に、リオン・ノワールの館 Hôtel du Lion Noirなど16世紀の古い町並みが残る。
古い民家が並ぶトロワの中心部に、「猫小路 Ruelle des Chats」という名前の路地がある。屋根から屋根へと猫が渡り歩けるほど狭いことから、この名がつけられたのだそう。路地の入口に彫られた猫の顔が目印だ。
パリ・東駅からTERで約1時間30分。