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パリから北東に約80km。コンピエーニュ城 Palais de Compiègneは、フランス君主制が生んだ最後の宮殿だ。城の建設を始めたのは、コンピエーニュの森での狩猟をこよなく愛したルイ15世。しかし次のルイ16世の時代にも完成しないまま、フランス革命の嵐に巻き込まれる。マリー・アントワネットは、これから住む自分の部屋について壁の色からカーテンの質、家具にいたるまで、彼女の好みに合わせていちいち指定するほどの気の入れようだったが、ついに一度も住まないまま、断頭台の露と消えた。
その後ナポレオン1世が、フランス革命によって荒れはてた宮殿を修築。ナポレオン3世の時代になると、ここで数々の宴会や、名士を何百人も集めた狩り場開きなどが行われ、コンピエーニュ城の黄金時代が訪れる。
城内には、ルイ15世時代から第二帝政時代までの歴代君主の豪華な居室が並ぶ大居室群 Les Apartements historiquesのほか、ふたつの博物館がある。第二帝政博物館 Musée du Seconde Empireでは第二帝政時代の絵画や工芸品を展示。もうひとつの交通博物館 Musée National de la Voiture et du Tourismeでは、17世紀末のベルリン馬車から20世紀のガソリン自動車まで、300年にわたる地上輸送手段の歴史をたどることができる。
パリ・北駅からTERで40〜55分。