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セーヌ川の河川港としてローマ時代からの歴史をもち、後にノルマンディー公国の首府としても栄えた古都。木骨組みの家が並ぶ旧市街には、荘厳なゴシック様式の大聖堂や教会が点在し、「町そのものが美術館」と称されるのもうなずける。大聖堂は印象派の画家モネによって描かれ、世界に知られることになった。15世紀にジャンヌ・ダルクが火刑に処された町としても知られ、悲劇の場所には彼女の名を冠した教会が建つ。
ルーアンの駅はリヴ・ドロワト Rive Droite駅。駅を出ると真っすぐ走っている大通りがジャンヌ・ダルク通り Rue Jeanne d'Arcで、町の中心部は駅からセーヌ川にいたるまで、この通りの左右に広がっている。駅を出て10分ほど通りを歩くと左側に金色さんぜんたる1本針の大時計 Gros Horlogeを掲げたアーチが見える。ルネッサンス様式の時計は14世紀、門は16世紀に造られたもので、一見の価値がある。アーチをくぐり、両側に飲食店やブティックの並ぶ歩行者天国を経て、ノートルダム大聖堂に続く。
大聖堂北側のサン・ロマン通り Rue St-Romainをさらに進んでいくと、サン・マクルー教会。このあたりは、ルーアンの旧市街で、ノルマンディー独特の木骨組みが印象的な町並みが残っている。ルーアン焼の店や骨董店、雰囲気のいいレストランも多く、そぞろ歩きが楽しい場所だ。
パリ・サン・ラザール駅からルーアン・リヴ・ドロワト Rouen Rive Droite駅までIntercitésで1時間15分〜1時間30分。
内部は「時」をテーマにした博物館で、14世紀の時計のメカニズムなどを見学できる。
サン・ヴァンサン教会(現存しない)から移された16世紀のステンドグラスが美しい。
15世紀、英仏百年戦争のさなかに突如現れた救国の少女ジャンヌ・ダルク(→P.241)。敗色濃かったフランスを奇跡的な勝利に導いたにもかかわらず、魔女として断罪される。1431年5月30日、わずか19歳のジャンヌはここルーアンで火刑に処せられた。処刑場となった旧市場広場Pl. du Vieux-Marchéには、ジャンヌ・ダルク教会Eglise
Ste-Jeanne d'Arcが建ち、彼女をしのぶ人々の参拝が絶えない。