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第2次世界大戦が終わったとき、この町は一面焼け野原だった。1944年6月から2ヵ月にわたった攻防戦は町の4分の3を焼き尽くし、人々に愛されてきたサン・ピエール教会の尖塔も吹き飛ばされ、屋根のない無残な姿だけが残った。ところが今はどうだろう。そのような歴史の跡は、6月6日大通りという通りの名前に残っているにすぎない。サン・ピエール教会ももとの姿によみがえっている。かろうじて戦災を免れたふたつの修道院は、ノルマンディー公ウィリアム(仏名ギヨーム)征服王の時代を今に伝えている。現在のカンは、ノルマンディー上陸作戦の戦跡を訪れる観光客や、カンの大学に学ぶ各国の学生たちであふれ、活況を呈している。
カン国鉄駅から中心街までは1kmほど離れているが、町を縦断して郊外まで延びるトラムが運行しているので、利用するといい。19年にリニューアルされ、3線とも国鉄駅から6月6日大通り Av. du 6 Juinを通って町の中心に向かう。サン・ピエール教会前 St-Pierreで下車すれば、すぐ近くに観光案内所がある。教会と向かい合う丘に城があり、右に行けば女子修道院。左に行けば男子修道院にたどり着く。
カンは、ノルマンディー上陸作戦の戦跡を訪ねる拠点でもある。まずは平和記念館 Le Mémorial de Caenで情報収集をしてから出かけてみるといい。平和記念館からは上陸作戦の舞台となった海岸へのバスツアーも出ている。
パリ・サン・ラザール駅からIntercitésで約2時間10分。ルーアンからTERで約1時間40分。