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フランスの最西端、北はイギリス海峡、南は大西洋に面し、ワニの頭部さながらに海に突き出しているのがブルターニュ地方だ。雨の多い海洋性気候、独特の歴史と文化が、この地方をフランスの中でも個性の強い地域としている。人々の生活は素朴だ。乱石積みや木骨組みに漆喰造りの積み木のように単純な家並みの続く町は、まるで16世紀にタイムスリップしたような印象を与える。ブルターニュはどこか神秘的だ。それは、世界中が新時代に向けて発展するなか、ケルトまで遡る長い歴史上で彼らが築き上げた文化を、今もかたくなに守り続けているように思えるからだ。そして、多くの神話が言い伝えられているのも、どこか謎めいている。
メキシコ湾からの暖流のおかげで緯度のわりには温暖。フランスで最も雨が多い地方といわれるが、年間日照時間は平均的で長降りしない。
海岸は砂浜と断崖が交互に続き、外洋に面した所は波が荒い。潮位差の大きいことでも知られ、サン・マロにはこれを利用した世界でも珍しい潮力発電所がある。
レンヌ、ヴァンヌ、カンペールなどにTGVで入り、これらの町を起点にバスや列車で移動するといい。城壁の町サン・マロからヴァンヌへ、そしてカルナックに巨石群を訪ねる、ケルト文化、先史時代へのロマンあふれるコースもおすすめ。
パルドン祭(ロクロナン/通常第2日曜):日常の罪の許しを願う宗教祭。教会でのミサのあと、旗や聖像を掲げた人々がブルトン語の聖歌を歌いながら行進する
コルヌアイユ・フェスティバル(カンペール/19〜23日'23):ブルターニュの伝統音楽や踊りのフェスティバル
ケルト民族フェスティバル(ロリアン/4〜13日'23):ケルトの伝統音楽、踊りなどを中心とする国際的なフェスティバル
カキをはじめ新鮮な魚介類を使った料理がおすすめ。今やフランス中で食べられるソバ粉のクレープはもともとこの地方の郷土料理。名産の有塩バターをたっぷり使ったお菓子もおいしい。