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サン・マロは海の男たちの町。この港から多くの船乗りが出航し、広い海を舞台に数々の武勇伝を残した。カナダを発見した16世紀の冒険家ジャック・カルティエもそのひとり。17世紀には海賊の拠点ともなり、サン・マロはフランス最大の港として栄えた。エメラルド色の海に囲まれ、明るく開放的な気分に満ちたこの町は、今ではブルターニュで最も人気のあるリゾート地のひとつである。
駅を背にして約300m進み、ロータリーを抜けると旧市街までの1本道Av. Louis Martinが続く。歩くと20分ほどかかるので、駅前からサン・ヴァンサン門 Porte St-Vincentまでバスに乗ると楽だ(1、2、3番バスでIntra-Muros下車)。観光案内所もすぐ正面にあり便利。
高い城壁に囲まれた旧市街は、玉石を敷き詰めた細い通りが迷路のように入り組んでいる。海賊や船乗りを描いた看板やマリングッズの店などを見ながら気ままに歩くのが楽しい。城壁の上も散策すれば、エメラルドの海を眺めながら旧市街の周りをぐるりと一周できる。ディナン港からは、ディナンやディナールなど近郊の町へ、Naye港のフェリーターミナルからはイギリス王室属領のジャージー島方面行きの船が頻繁に出ている。
17〜18世紀の歴史的町並みがそのまま残るサン・マロ旧市街。しかし第2次世界大戦時に町の8割が破壊されてしまった。戦後、崩れ落ちた石を一つひとつ積み上げてもとどおりに復元したのが今の町なのだ。美しい町並みの陰には、サン・マロの人々の並々ならぬ苦労があったことを覚えておきたい。
17世紀のイギリス海峡では「コルセールCorsaire」と呼ばれる海賊が大暴れしていた。彼らは、敵国の船を襲う権利をフランス王から与えられた、いわば合法的な海賊。コルセールの拠点港となったサン・マロは、彼らが外国船から略奪した富のおかげでフランス最大の港となった。城壁の内側には今も石造りの豪華な家々が並び、港町サン・マロのかつての繁栄ぶりをしのばせてくれる。
パリ・モンパルナス駅からTGVで2時間20分〜2時間50分。レンヌからTERで約1時間。