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ブルターニュの文化は、海の向こうイギリスからやってきたケルト人によって築かれた。彼らが最初に降り立ったのが、フランス西北端のフィニステール県。フランス語で「地の果て」を意味し、フランス人さえも「異郷」を感じる土地だという。フィニステールの中心都市カンペールは、今もケルト文化の影響を色濃く残す町だ。どこからともなく流れてくるケルト音楽の響き。お祭りの日には、白いレースの帽子と刺繍入りの黒いドレスの民俗衣装を着た女性たちに出会うこともある。中世の面影が残る旧市街の通りを歩いていると、時の流れが止まったかのような錯覚にとらわれる。
駅を出ると、広場の向こうに広い通りAv. de la Gareが東西に走っている。この通りを駅を背にして右側に向かって進んでいくと、見えてくるのがオデ川。花で飾られた鉄の橋の連なりが美しい。右岸にはサン・コランタン大聖堂Cathédrale St-Corentinのある中心街、左岸には小高い丘が見える。観光案内所は丘の麓の広場にある。
大聖堂に隣接して、県立ブルターニュ博物館Musée Départemental Bretonがある。民俗衣装や伝統的な家具などが多数展示されていて見応え十分。大聖堂周辺の旧市街、とりわけ正面の通りRue Kéréonから聖堂を背景にした風景がすばらしい。ブルターニュ名物のクレープリーや、ケルトグッズを売る店が軒を並べる旧市街は、散策が楽しい場所だ。
パリ・モンパルナス駅からTGVで約3時間50分。レンヌからTGVで約2時間5分。