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サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路「ル・ピュイの道」のなかでも重要な山あいの村コンク。ここには登山靴にリュック、そして旅姿の聖ヤコブ同様、木の杖を手にした巡礼者が多い。ル・ピュイ・アン・ヴレからの長い道のりをたどってきた者たちは、思いおもいに時を過ごしたあと、モワサックへ向けて歩き出す。
巡礼者たちが訪れるサント・フォワ修道院教会 Abbatiale Ste-Foyは、4世紀初頭にわずか12歳で殉教した聖女フォワにささげられた教会だ。もともと近郊の町アジャンの教会にあった聖女フォワの遺骨がコンクにやってきたのは9世紀のこと。コンク出身のとある修道士が、コンクにもっと人を呼び込みたいという一心から盗み出したのだ。この修道士、遺骨を盗むために、10年間も身分を隠してアジャンの修道院に潜り込んでいたというから驚く。彼の望みどおり、その後、多くの巡礼者が聖女フォワを崇拝しにコンクを訪れるようになり、巡礼最盛期の11世紀半ばには、この教会が建てられた。フランスロマネスクを代表する教会で、特に正面のタンパンの彫刻が見事だ。
聖女フォワの聖遺骨を納めた黄金の聖女像 Statue-reliquaire de Ste-Foyは、教会の隣の宝物殿 Le Trésorにある。素朴な表情の顔は5世紀頃、ほかの部分は数世紀後の作品といわれている。
トゥールーズからTERでロデズ巡礼者が集う山あいの村Rodezまで約2時間20分。そこから223番のバスで約1時間10分。
URL:https://www.lio-occitanie.fr/
フィジャックから約44km、トゥールーズから約185km。