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観光客として訪れるよりも、住んでみたいと思わせる町がある。モンペリエはそのひとつだ。13世紀創立の由緒ある大学があり、町では片手に本、片手にパンといういでたちで、詩人ペトラルカや作家ラブレーの後輩が歩いているのに出会う。地中海から吹いてくるさわやかな風を受けて、旧市街をゆっくり散歩するのがベストかもしれない。
駅前広場を抜け、Rue de Magueloneを歩き進むとすぐに広々としたコメディ広場Pl. de la Comédieに出る。パリのオペラ座パレ・ガルニエを模した劇場や、三美神の彫像が立つ泉があるモンペリエの中心だ。コメディ広場から続く遊歩道の西側にはファーブル美術館Musée Fabreがある。所蔵品は15世紀から20世紀まで幅広いが、特に近代フランスの作品に観るべきものが多く、ロマン主義から新古典主義を経て写実主義にいたるまでの美術史の流れを追うことができる。なかでも見逃せないのは、クールベの『出会いLa Rencontre』。一見何の変哲もない絵だが、19世紀当時はやっていた官展派のカビ臭い絵にたたきつけた「写実主義」という名の挑戦状である。
コメディ広場の北西一帯は17〜18世紀の町並みが残る旧市街。旧市街を抜けた所には、17世紀末にルイ14世をたたえるために造られた凱旋門Arc de Triompheが建つ。
コメディ広場をはじめ、旧市街のほとんどの通りは歩行者天国となっているうえ、緑と噴水のさわやかな公園がいたるところにあり、散策が気持ちいい。徒歩で十分回れる町だが、新市街アンティゴンAntigoneなどへ行くときは、トラムに乗るのもいいだろう。
パリ・リヨン駅からモンペリエ・サン・ロックMontpellier St-Roch駅までTGVで約3時間30分。トゥールーズからIntercités(要予約)で約2時間10分。
パリCDG空港またはパリORY空港からモンペリエ・メディテラネMontpellier Méditerranée空港まで約1時間20分。空港から620番のシャトルバス(Navette Aéroport)でアンティゴン地区のPl. de l'Europeまで約25分。そこから中心部へは1番のトラムで約10分。
URL:www.montpellier.aeroport.fr