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この町がフランス領になったのは17世紀半ばのこと。それまでスペイン領カタルーニャ地方の町だったという背景もあり、ずいぶんとスペイン色の濃い町である。星型の城塞に囲まれたマジョルク王宮、レピュブリック広場周辺に立つ市場の土臭い雰囲気。スペインに来てしまったんじゃないかと思うほど。現在はピレネーゾリアンタル県(北カタルーニャ)の中心都市だが、モンペリエとバルセロナをつなぐ幹線上にあり、歴史的にも地理的にも、フランスとスペインの橋渡しの役割を担っている。
駅正面から真っすぐ延びるジェネラル・ド・ゴール大通りAv. du Général de Gaulleを10分ほど歩き、カタローニュ広場Pl. de Catalogneで右折するとすぐテ川の支流バス運河La Basseに出る。緑の美しい運河沿いを北東に歩いていくと広場があり、さらに運河沿いを進むとカスティエ門がある。ここからマジョルク王宮にいたるまでの一帯が旧市街だ。
旧市街の中心であり、観光案内所のあるラ・ロージュ広場Pl. de la Logeには、中世の代表的建築物である市庁舎Hôtel de Villeなどが残る。1315年に造られた市庁舎の中庭には、彫刻家マイヨールの代表作『地中海La Méditerranée』がひっそりと置かれている。市庁舎東側には、1324年から1509年にかけて建設されたサン・ジャン大聖堂Cathédrale St-Jean。南側の礼拝堂にかかる木造のキリスト磔刑像は14世紀のもの。毎年聖金曜日(復活祭2日前)の聖血行列では、全身を布で覆った信者たちがこのキリスト像を担いで町を練り歩く。
パリ・リヨン駅からTGVで5時間〜5時間15分。モンペリエからTGVで約1時間30分、TERで約1時間50分。