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石灰岩の台地を蛇行して流れるロット川と、その支流セレ川。ふたつの川の渓谷沿いでは、豊かな緑のなかに中世の村や城がたたずむ絵のような風景がそこかしこで見られる。フィジャックはセレ川のほとりにある古い市場町。中世の面影を色濃く残しながらも、生活の活気にあふれる心地よい町だ。ここは、あのロゼッタストーンを解読したジャン・フランソワ・シャンポリオンの故郷でもある。
駅から緩やかな坂道を下っていくと、5分ほどで、セレ川のほとりに出る。川の向こうにフィジャックの旧市街がある。12〜14世紀の町並みがよく保存されていて、建物の外壁に施された装飾を眺めて歩くだけで楽しい。観光案内所は13世紀の造幣局だった建物の中にある。
かつての市場町の雰囲気を味わいたいなら、朝市の立つ土曜に訪れるといい。古い建物に四方を囲まれたカルノ広場Pl. Carnotに、チーズやフォワグラ、ワイン、新鮮な野菜など、この地方の特産品が並ぶ。
ジャン・フランソワ・シャンポリオンは、1790年、フィジャック最初の本屋を営む両親のもとに生まれた。10ヵ国語以上を理解した彼は、知識を駆使してロゼッタストーンの碑文を解き明かした。彼の生家は現在シャンポリオン博物館Musée Champollionになっている。また、エクリチュール(文字法)広場Pl. des Ecrituresには、ロゼッタストーンの拡大複製があり、彼の業績をたたえている。
トゥールーズからTERで約2時間30分。またはカプドナックCapdenacまで行き(約2時間10分)、TERまたは国鉄バスに乗り換えて10〜20分。