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あふれる陽光、冬でも暖かい気候、ときおり吹き荒れるミストラル。プロヴァンスは南国ムードいっぱいの地方だ。フランス人が南仏を意味する「ミディ」と言うとき、そこにはパリなどではとてつもない貴重品である太陽に恵まれた地中海岸への羨望がある。パリからマルセイユに抜ける高速道路A6、A7は「太陽の道路」と呼ばれ、バカンスシーズンともなれば、家族とレジャー用品を満載した車が一路南へ向かう。赤い瓦屋根に石造りの家、巻き舌のプロヴァンス訛りは、イタリアやアラブの影響が感じられる。ラテンの血が濃厚に流れ、「フランスで最も親切」といわれる人々の笑顔は屈託がなく、明るい。
[気候]
夏は30度を超える日も珍しくないが、湿度が低いので過ごしやすい。春先や秋から冬にかけて、ミストラルという季節風が吹くと震え上がる寒さになる。1年をとおして雨は少ないが、秋は大雨が降ることも。
[特色]
恵まれた自然に加えて、アルル、ニームなどいたるところに残るローマ遺跡、アヴィニョンの教皇庁宮殿など、この地方は歴史的遺産の宝庫でもある。
[周遊のヒント]
見どころの多いアルル、TGVが発着するアヴィニョン、エクス・アン・プロヴァンスを拠点にするといいだろう。各町を結ぶ列車、バスの便は比較的多い。
5月
巡礼(サント・マリー・ド・ラ・メール/24・25日):ヨーロッパ中から巡礼者が集まり、聖マリアの像を担いで行進
6月
野外音楽祭(オランジュ/19日〜7月24日'23):ローマ時代の劇場を舞台に繰り広げられるオペラのフェスティバル
7月
衣装祭(アルル/第1日曜):プロヴァンスの民俗衣装に身を包んだ女性たちが華やかさを競い合う
演劇祭(アヴィニョン/上旬〜下旬):町中がステージとなる国際的な演劇祭
11月
サントン人形市(マルセイユほか/下旬〜12月下旬):プロヴァンスではクリスマスにキリスト生誕場面を描いた人形を飾る習慣がある
新鮮な野菜や地中海の幸に恵まれたプロヴァンス地方の料理は、素材のよさを生かしたシンプルさが特徴。ニンニクと野生のハーブの香りが食欲をそそり、鮮やかな色彩が目を楽しませてくれる。