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遠い昔、一そうの小舟が南フランスの浜辺に流れ着いた。帆も櫂もない舟に乗っていた人々のなかに、3人のマリアがいた。聖母の妹のマリア・ヤコブとヨハネの母マリア、そしてマグダラのマリアである。彼女らはイエスの死後ユダヤ人によって海に追われ、ここまで流されてきたのだ。一行はここで別れ、マグダラのマリアはサント・ボームの地へ、そしてふたりのマリアと召使いのサラは上陸地にとどまって一生を終えた。墓の上には教会が建てられ、サント・マリー・ド・ラ・メール(海の聖マリアたち)と名づけられたこの町は巡礼の地となった。このような伝説が、今でも色濃く残る町である。毎年5月24・25日および10月22日に一番近い土・日曜には巡礼者の祭りがある。
マリアたちが祀られているのは、9〜12世紀建造の、要塞の形に造られた素朴な教会Eglise。クリプト(地下祭室)には、黒人の召使いサラの人形が立っている。祭りの日にはヨーロッパ中から集まってくる巡礼者たちがこの像を担いで町を歩き、海に入って聖水をかける。
教会の屋根の上からは、片方に地中海、もう片方にはカマルグの大湿原がはるかかなたまで見渡せる。白い壁に赤い屋根のサント・マリーの町並みもかわいらしい。
白砂の美しいビーチもあるので、夏は水着を用意して訪れるといいだろう。
アルル駅前のバスターミナル(Gare SNCF)からA50番のバスで約40分。Stes-Maries de la MerLes Razeteurs下車。
URL:https://www.lametropolemobilite.fr/