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クレルモン・フェランの町を歩いていると、やけに黒ずんだ町だなという気がしてくる。それもそのはず、近くの火山から採ってきた石で教会やら家やら建ててしまったのだ。その代表ともいえるのが、この町にあるふたつの教会。ひときわ高く、目立っているのはノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂で、夕暮れともなれば、周囲の山々を背景に黒く細いシルエットが浮かび上がる。もうひとつは、通り沿いの奥まった所にひっそりとたたずむノートルダム・デュ・ポール・バジリカ聖堂。とんがり帽子の屋根をもった典型的なロマネスク様式の教会だ。この町は、あのミシュランの生まれ故郷でもある。
見どころは、旧市街Vieux Clermontに集まっている。なかでも、ロマネスクの教会ノートルダム・デュ・ポール・バジリカ聖堂と、ゴシック様式のノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂は必見。両聖堂の界隈にはRue du Port、グラ通りRue des Grasなど16〜18世紀の建物が残る通りもいくつかある。大聖堂を見学したあと、Rue des Grasの坂を下りる途中、右側のグラ広場Pl. des Grasという小さな広場に、ロマネスク様式の浮き彫りを施した壁があるので見ておこう。「弟子の足を洗うキリスト」の図で、素朴だが心あたたまる。
この町は哲学者パスカルの生地として知られている。ノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂脇のPl. Lemaigreにはパスカルの生家跡を示す記念碑が立ち、哲学の道ならぬパスカルの道(パスカル通り)Rue Pascalもある。
見晴らしがいいのは大聖堂の塔と、アンボワーズの泉があるPl. de la Poterneだ。天気がよければ、ピュイ・ド・ドームPuy de Dômeの火山も見える。
パリ・ベルシー駅からIntercitésで約3時間40分。リヨンLyonからTERで約2時間30分。