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キャンベラの観光は、「自然を楽しむ」というよりも「深くオーストラリアを知る」ということに重点をおきたい。この町の教育水準はオーストラリアいちといわれ、多くの研究機関がある。アカデミックな見どころが多いのもうなずける。計画されて造られた都市をベースに生まれた独自の見どころをしっかりと見て回りたい。
キャンベラ中心部はバーリーグリフィン湖によって大きくふたつに分けられ、北側はシティヒルCity Hill、南側はキャピタルヒルCapital Hillを中心に、放射状に広がっている。キャピタルヒルには国会議事堂を中心に、おもな政府機関や各国大使館などがおかれ、一方シティヒルには、住宅やデパート、劇場などが整然と建ち並び、生活地域となっている。
キャンベラでぜひ見てほしいのは、オーストラリア戦争記念館だ。オーストラリアが参戦したあらゆる戦争の悲しみと実態が展示されている。英国のために戦った第1次世界大戦、日本軍に迫られた第2 次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争の記録、記念物、絵画、ジオラマから戦車、戦闘機まである。第1 次世界大戦では、オーストラリア軍艦を日本海軍が護衛した絵もある。しかし隣には日本軍の空襲に遭ったダーウィンの惨状があるといった具合だ。日本がかかわっている展示が意外に多く、自国の戦争の歴史をも再確認させられる。
川をせき止めて造った人工湖、バーリーグリフィン湖の南側は連邦政府街と大使館街。連邦政府の建物は公園の中にあるといったのどかさで、役所の前の芝生で昼寝でもしたくなってしまうほど。大使館街は丘陵公園の散策路といった感じで点在する。この地区が観光バスのルートになるところが、いかにもキャンベラらしい。
またバーリーグリフィン湖のほとりにある国立博物館は、オーストラリアの過去、現在、未来のすべてを集結させている。展示物についてどれくらい知っているかで、自分のオーストラリアの知識が確認できる。
シティヒルのすぐ近く、ノースボーン・アベニューNorthbourne Ave. にあるのがジョリモント・ツーリストセンターJolimont Tourist Centre。長距離バスやツアーバスの発着するビルで、小さなインフォメーションブースもある(詳細な情報が必要なら、バーリーグリフィン湖近くのレガッタポイントにあるキャンベラ&リージョン・ビジターズセンターへ行くといい)。ここを起点に町歩きを楽しもう。町でにぎわう通りは、モールになっているシティウオークCity Walk。いろいろな店が建ち並び、ウインドーショッピングが楽しめる。
シティヒル、キャピタルヒルに見どころは集中しているが、数日の滞在なら周辺のエリアにも目を向けたい。特にシティヒル北のレストラン街ディクソンDickson、ミニチュア村のコッキントングリーン・ガーデンズや国立恐竜博物館のあるガンガリン・ツーリストエリアGungahlin Tourist Area、シティヒルの西側にある大きなショッピングモールをもつベルコーネンBelconnenなどは要チェックだ。
どのポイントにもバスの便はない。レンタカー、ツアー、タクシーなどでのアクセスとなる。
戦争記念館の背後にそびえる標高842m の山で、ここからはアンザック・パレードから国会議事堂まで真っすぐ見える。車ならシティから頂上まですぐ。オーストラリア戦争記念館の裏側から徒歩でも登ることができる。
オーストラリア国立大学の西側にある山で、標高812m。山頂には高さ195m のテルストラタワーTelstra Towerがあり、キャンベラの町並みが一望できる。展望台、回転式レストラン、コーヒーショップ、みやげ物店がある。 ブラックマウンテンの山裾から国立大学にかけては、オーストラリアン・ナショナルボタニックガーデンAustralianNational Botanic Gardensが広がっている。矢印で示された散歩コースに従って温帯雨林やユーカリ林を散策しよう。
南キャンベラにある小高い丘(722m)。キャピタルヒルからメルボルン・アベニューMelbourne Ave. を真っすぐ進むと着く。頂上の展望台には、売店やレストランがある。
毎年9月中旬〜10 月中旬に、バーリーグリフィン湖畔のコモンウェルスパークで開かれるオーストラリア最大規
模の春のイベント。期間中は公園内がチューリップやバラなど、さまざまな花で彩られ、ミニ遊園地も出るなど催し物もいっぱいだ。
フロリアード・スプリングフェスティバル Floriade Spring Festival
URL:https://floriadeaustralia.com/