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町の名は、直訳すれば「ライン川沿いの石」。町より少し上流のライン川にある大きな岩に由来しているが、その町並みは、「シュタイン」のもうひとつの意味「宝石」がまさにぴったりだ。中世の雰囲気を残す町としてはスイスのなかで第1位に挙げても決して異論は出ないだろう。町の起源はローマ時代にまで遡るが、中世以降はベネディクト派の修道院を中心に発展した。
ライン川で取れる川魚料理が有名で、川沿いには味自慢のレストランが並ぶ。
世界遺産に登録されているベルンをはじめ、中世の雰囲気を残す町はスイス中にいくつもあるが、ここはひと味違う雰囲気が感じられる。とにかく壁画の美しさに圧倒される。特に市庁舎広場 Rathausplatzとそこから延びるUnterstadt通りに立つと、本当に別の世界にタイムスリップしてきたような気分になる。レストランや商店の看板、ディスプレイのどれをとっても本当に絵になる町だ。ここでは新しい建物やCoop、ファストフード店までも町の雰囲気に調和するように造られている。
観光の中心になる旧市街は、駅からライン川を挟んで反対にある。駅から坂道を下って橋を渡れば、そこは中世の世界。
最初に右側に見える11世紀に建てられた聖ゲオルグ修道院 Kloster St.Georgen。そしてその斜め前にある市庁舎 Rathausとその前に広がる市庁舎広場は、地元の人々や観光客が集う旧市街のハイライトだ。特に広場に面した建物の壁面いっぱいに施された装飾画は、いつまでも見飽きないほど見事なもの。それぞれ「王冠の家」「鹿の家」「赤牛の家」などの名前がつけられており、この地方に伝わる話や歴史をモチーフにしている壁画も少なくない。広場の建物は15世紀以降に建てられたもの。そのうちのひとつ、ホテル・アドラーにはアロイス・カリジェのメルヘンチックな壁画が描かれている。
レストランや店の並ぶにぎやかなUnterstadt通りを西に向かって歩くと数分でウンター門 Untertorがある。旧市街はここで終わりだ。
旧市街のライン川沿いにもホテルやレストランが数軒並び、テラス席は人々でにぎわっている。広い遊歩道になっているので、散歩を楽しむ人やベンチでのんびりしている人も多い。
チューリヒからSバーンに乗りヴィンタートゥールで乗り換え。またはIC、REに乗りシャフハウゼンで乗り換え。それぞれ約1時間5分、1時間に1~2本。また春〜秋期にはボーデン湖畔の町クロイツリンゲンやシャフハウゼンからのライン川の船も1日3〜4便運航されている。スイストラベルパス有効。
ライン川下り:クロイツリンゲン→(約2時間半)→シュタイン・アム・ライン→(約1時間15分)→シャフハウゼン
ライン川上り:シャフハウゼン→(約2時間)→シュタイン・アム・ライン→(約2時間40分)→クロイツリンゲン