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シニア旅も楽ちん、安心! 70代から楽しむスイス旅行
2023.8.8
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この町を紹介する時の枕詞は「スイスの古都」。確かにその歴史は古く、1291年に結ばれたスイス建国の元となった「永久同盟」に、原初3州に次いで加盟(1332年)している。旧市街を歩けば、当時とさほど変わらない街並みが残り、そこかしこで何世紀もの歴史を感じる遺物と遭遇する。その一方で旧市街から川を1本挟んだ反対側には、未来都市と見紛うばかりのモダンな建築物が湖畔にどっしりと構えている。
歩くのにちょうどいい旧市街や充実した博物館や美術館があり、世界的な音楽祭も開かれる古都は、スイスを代表する観光都市のひとつだ。アルプス山脈の北側に位置し、標高はさほどないが、眺望抜群の独立峰に、リギやピラトゥスといった展望台があり、風光明媚な湖畔の村を船で訪れることもできる。町歩きに1日、そして近郊の見どころで1~2日、最低2泊はしたいところ。
狭い範囲に新旧が同居するアンバランスさが、現代のルツェルンの魅力であり、歩くのが楽しい理由でもある。見どころの多くは、中央駅周辺と旧市街に集まっており、町の規模のわりにとても観光しやすい。
中世の雰囲気が味わえる建物や広場がある旧市街は、駅を背にして川を渡ったらすぐ。迷路のような路地が広がっているが、ここでは地図もスマホも見ずにあてもなくさまよってみるのも楽しい。旧市街には、ロイス川に架かるカペル橋 Kappellbrückeや市庁舎など、たくさんの見どころがあり、歩き始める前に(すんなり行けるかどうかは別にして)どこを訪れるかは決めておこう。
ルツェルンは長い歴史をもった教会が多い。16世紀の宗教改革では、スイス各地で改革の火の手が上がったが、ここルツェルンは反宗教改革の中心地で、今でもカトリックの教会が多い。ふたつの尖塔をもつホーフ教会 Hofkircheやロイス川に面して建つイエズス教会 Jesuitenkirche、フランシスコ教会 Franziskanerkircheなどが代表的な教会で、これらもぜひ訪れてみたい。
ルツェルンは、充実した博物館や美術館がある町としても知られる。美術館としては駅のすぐ隣にあるルツェルン美術館やローゼンガルト美術館は特におすすめ。鉄道や飛行機に特別興味がない人でも、行けばきっと楽しめるスイス交通博物館は、その規模も展示内容もヨーロッパ有数。そのほかクラシック音楽に興味のある人なら、リヒャルト・ワーグナー博物館がおすすめだ。主要な美術館、博物館に有効なルツェルン・ミュージアムパスもある。
ルツェルン中央駅
ルツェルン中央駅は古都の玄関にふさわしい壮麗な建物。火災で焼失して1991年に再建された。駅の外のバスターミナルに残されている門は焼け残ったオリジナルの建物だという。ホームのある地上階は、カフェテリアなどがあり、地下に降りるとショッピングアーケードが広がる。
ルツェルンをベースに近郊へ
アルプス観光のさきがけとなったリギや世界一急勾配の登山鉄道で知られるピラトゥスなどの展望台を訪れたり、複雑な湖岸に点在する村を訪れるクルーズを楽しんだり、ルツェルンからは、日帰りで楽しめる見どころがたくさんある。
チューリヒから直通列車で40〜50分。ほぼ30分ごと。ベルンからは直通のIRで約1時間、REで約1時間30分。それぞれ1時間ごと。インターラーケン・オストからは直通のIRで約2時間弱。1時間ごと。