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ヴォー州の州都であり、スイス的な落ち着きと静けさの残る古都。スイス連邦最高裁判所、ローザンヌ大学、ホテル学校、インターナショナルスクール、各種カレッジと、知的色彩が濃い。それにおなじみのIOC(国際オリンピック委員会)本部もここローザンヌにある。
町を取り巻くブドウ畑からもわかるように、ここもほかのレマン湖沿いの町と同様やはりワインの産地。このローザンヌを境に、ジュネーヴまでがラ・コート地区、そして反対側のエーグルまでが、ラヴォー地区と呼ばれる。ワインは断然ラヴォーのほうが質が上だ。ジュネーヴから続いたなだらかな斜面が、ローザンヌを過ぎると、湖に切り込む急斜面になる。この地形の変化が、景観に荘厳さを、ブドウに豊潤さを与えている。
旧市街の入り組んだ坂道を歩く
ローザンヌの町は坂道が多く、道も入り組んでいてわかりにくい。まず地図を手に入れてから歩き始めよう。観光案内所が中央駅構内にあり、ここでひととおりの情報は入手できる。
中央駅を出ると、正面にメトロ(m2)の駅がある。これはレマン湖畔のウーシーと呼ばれる地域と、中心部を結ぶ地下鉄。
メトロに乗って旧市街のフロン地区へ行ってみよう。サン・フランソワ教会Eglise St. Françoisから商店街の坂道を上っていくと、にぎやかなパリュ広場Pl. de la Paludに着く。疲れたら、正義の女神の噴水に腰かけてひと休みしよう。1階にアーケード、屋根に鐘楼をもつどっしりとした建物は市庁舎Hôtel de Ville。15世紀創建という歴史のある建物だ。
市庁舎正面を背に右側前方へ延びる中世そのままの屋根付き階段は、小高い丘に建つローザンヌ大聖堂Cathédrale de Lausanneのテラスへ通じている。
大寺院から細い通りをたどって、四隅に塔を設けたサン・メール城Château St. Maire(現在は州庁舎)を見たら、坂を下りて西側のリュミーヌ宮Palais de la Rumineへも足を延ばそう。以前はローザンヌ大学の校舎だったが、現在はふたつの博物館と図書館が入っている(州立美術館は移転)。
リュミーヌ宮前のリポンヌ広場Pl. de la Riponneから、教会の下のヌーヴ通りRue Neuveを通ってショドロン広場Pl. Chauderonへ行くと、町の様子が変わる。ショドロン橋を渡って左へ入り込むと、市民が憩うモンブノン公園Promenade de Montbenon。ここからはレマン湖の眺めがすばらしい。公園を抜けると、町歩きの出発点フロン駅に戻ってくる。
明るくにぎやかなレマン湖岸へ
メトロで、湖岸のウーシーOuchyへ下りてみよう。ウーシーはローザンヌの港町。湖岸の広場Pl. de la Navigationには古本、骨董品などの露店が出ていて、散歩する人も多くにぎやか。メトロを降りて左側前方にあるのがウーシー城La Château d'Ouchy。12世紀に建てられたこの城は、1923年に、トルコ、ギリシアと連合国との平和条約が結ばれた史実も残る、由緒ある建物だ。
ここから湖沿いにドナント公園Le Denantouまで歩いてみよう。途中には、この町でいちばんの見どころ、オリンピック博物館Le Musée Olympiqueもある。
ジュネーヴから35〜48分、ベルンから約1時間10分。パリからTGVで約3時間40分。