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南島最大の人口を擁するクライストチャーチは、南北に細長い南島中央部のカンタベリーCanterbury地方に位置するニュージーランド第3の都市。島内観光の拠点として、国内各地とのアクセスを網羅した南島の玄関口でもある。
市内中心部の大聖堂を中心にゴシック様式の建物や美しい公園が点在するこの町には、ガーデニングやパンティング(船遊び)といった英国文化が色濃く根付いている。町の随所に緑が生い茂る美しい風景は「イギリス以外で最もイギリスらしい町」と称されるほど。2011年に起きた地震によって大きな被害を受けたが、12年たった現在は復興が進み、新しい商業施設が次々とオープンしている。町は近代的なビルが建設されている一方で、古くからの愛称である“ガーデンシティ”の美しさも保っている。
2011年2月に発生したカンタベリー地震により、カセドラル・スクエアCathedral Squareを中心とするクライストチャーチ中心部は、壊滅的な被害を受けた。大聖堂はいまだに再建途中だが、市民の意見を取り入れた復興案により、町全体の再開発が着々と進み、新しい見どころが続々と誕生。伝統ある英国スタイルと現代的な都市デザインが融合し、ニュージーランドのほかの都市にはない魅力にあふれている。壁画やオブジェといったストリートアートも多く、遊び心のある町づくりを感じられるのもクライストチャーチならでは。中心部はフラットで歩きやすく、徒歩で巡るほか自転車を借りて回るのも楽しい。 町中には重厚で美しいネオゴシック様式のアートセンターや、“ガーデンシティ”とたたえられるクライストチャーチを象徴するような植物園などもあり、南島最大の人口を有する都市とは思えないほど、優雅で落ち着いた雰囲気が漂っている。郊外の見どころへはバス・インターチェンジからメトロでアクセスできる。
日本からクライストチャーチへの航空便はオークランドでの乗り継ぎが必要となる。オークランドからクライストチャーチへは所要約1時間25分。また、オーストラリアやシンガポール経由で入る方法もある。クライストチャーチ国際空港ChristchurchInternational Airportは、国内ではオークランド国際空港の次に乗降客の多い空港だ。空港ターミナルは2階建てで、1階は到着ロビー、2階は出発ロビー。空港内には免税店やオールブラックスの公式ストア、レンタカー会社のカウンターなどがある。
ヘアウッドHarewood地区に位置するクライストチャーチ国際空港は市内中心部まで約12kmと近く、車を使えば約20分の距離だ。料金を一番安く上げる交通手段はメトロと呼ばれるバスだが、停留所から目的地までは自力でたどり着かねばならない。時間に余裕があれば、人数が多いほど料金がお得になる乗合バスのエアポートシャトルを利用するのも手だ。また、タクシーなら最短時間で目的地に向かうことができる。
空港から市内中心部にあるバスターミナルのバス・インターチェンジBus Interchangeまで、メトロMetroと呼ばれるバスが運行している。バス・インターチェンジ経由サムナーSumner行きのパープルライン、フェンダルトンFendalton経由バス・インターチェンジ行きの#29の2ルートがあり、それぞれ1時間に1〜2本の運行。どちらも各停留所に停まりながら、市内中心部へは所要30分程度。チケットは乗車時にドライバーから購入する。ICカード乗車券のメトロカードでも可。
タクシーよりも低料金で、タクシー並みに便利なのがスーパー・シャトルSuper Shuttle社が運行するエアポートシャトル。行き先や目的地によって料金・所要時間が異なるが、24時間利用することができ、人数が多いほどひとり分の料金は安くなっていく。基本的に公式サイトもしくは電話で要事前予約。自転車など大きな荷物の持ち込みには追加料金がかかることもある。
国際線、国内線ターミナルの外に1ヵ所ずつタクシー乗り場がある。料金はメーター制で、市内中心部までなら$45〜65くらい。乗り降りの際には自分でドアを開けるようになっている。
インターシティInterCityが各都市から長距離バスを運行している。同社のバスはよく整備されていて、座席が大きく、車内も比較的広い。どの路線でもたいてい毎日1便はあるし、旅行者の多い区間については、1日に複数便運行されていることも。途中停まる場所も多いので、長旅でも快適だ。
そのほか、クライストチャーチとウエストコーストのグレイマウス、ホキティカを結ぶアトミック・トラベルAtomic Travelもある。チェックインはどちらの会社も出発の15分程度前から始まるので遅れないように。預ける荷物はインターシティの場合、1人2個各25kgまで、アトミック・トラベルの場合、1人1個23kgまで無料。それ以上は追加料金がかかり、事前に申し込みも必要なので要注意。預ける荷物のほかに小さな手荷物の持ち込みは可能。
インターシティのバスはリッチフィールド・ストリートとコロンボ・ストリートの角にある、バス・インターチェンジのインターシティのオフィス前から発着する。
クライストチャーチと各都市を結ぶ長距離列車は、キーウィ・レイルKiwi Railによって2路線が運行されている。 コースタル・パシフィックCoastal Pacific号は、夏の間のみ運行される、海岸を北上していく列車だ。終点ピクトンまでは、所要約5時間40分、ピクトンには南島と北島を結ぶフェリーターミナルがあり、ちょうどよい時刻設定なので、北島への旅行者はここでフェリーに乗り継げばウェリントンに行くこともできる。
もうひとつは、トランツ・アルパインThe TranzAlpine号だ。クライストチャーチ〜グレイマウスを結ぶ列車で、サザンアルプスを横断してアーサーズ・パス国立公園にも停車する。所要約4時間50分。途中車窓からの景色を目のあたりにすれば、この列車が世界的に有名なのも納得がいくだろう。どちらの列車にもカフェ車両があり、美景を眺めながら食事が楽しめる。1日1往復しか運行しないので、出発時刻には十分気をつけよう。出発20分前までに必ずチェックインを済ませよう。
クライストチャーチでは、メトロと呼ばれるバスが市内広範囲をカバーしている。路線によって運行会社が異なるが、料金や乗り方などの基本システムはまったく同じ。市の外側を一周するオービターを除き、イエロー、ブルー、オレンジ、パープルなど色の名前がついた路線があり、市内中心部のバス・インターチェンジを経由する。
<バス・インターチェンジ>
市内中心部のリッチフィールド・ストリートLichfieldSt.沿いにあるバスターミナル。建物内のインフォメーションでメトロカードの購入やチャージができる。オービターをはじめ、中心部を通らない便を除くすべてのメトロはここを経由するので、乗り換えにとても便利だ。インフォメーションスクリーンに行き先とバスの発着時刻が表示されるので、確認して乗車しよう。建物内にはコンビニや軽食の店があるので、食事を取りながらバスを待つこともできる。
<オービターThe Orbiter>
メトロの1路線で、クライストチャーチの郊外を環状に走っている。時計回り、および反時計回りに走り、一周するのにほぼ1時間20分かかる。ウエストフィールド・リカトン、ノースランズ・プラットホームやカンタベリー大学、病院などに停車するため、おもに市民の利用が多い。
<イエローラインYellowline、ブルーラインBlueline>
同じくメトロの1路線で、イエローラインは市内を東西に縦断し、ニュー・ブライトンとロールストンを結ぶライン。ただし、ローストン手前のザ・ハブ・ホーンビーまでの便が多い。また、ブルーラインは市内を南北に縦断しており、ベルファストBelfastとランギオラRangioraなどを結んでいる。
<メトロの乗降の仕方>
乗車は基本的に前のドアからだが、下車は前後どちらからでも可。料金は前払いで乗車の際ドライバーに行き先を告げ、言われた料金を現金またはメトロカードで支払う。現金の場合、トランスファーチケットTransfer Ticketと呼ばれるレシートがもらえる。このチケットは2時間有効で、同一ゾーン内なら1回の乗り換えが無料。メトロカードの場合、同一ゾーン内なら2時間乗り放題となる。目的の停留所が近づいたら車内の赤いボタンを押して降りる意思を表す。乗降者がいない停留所は通り過ぎてしまうので注意。また日本のバスと違い、停留所に名前がなく車内アナウンスなども流れないため、目的地がわかるか不安な場合は、あらかじめドライバーに「○○に着いたら教えてください」と頼むとよい。
現金での支払いよりも安い運賃で乗車できるカード。バス・インターチェンジでカード$5を購入し、チャージ$5〜する(再チャージはバス乗車時にも可能)。購入の際にはパスポートが必要。メトロカードを使用すれば、2時間以内の乗車運賃大人$2、25歳以下$1になる。何度も利用する人にはお得。
原則として流しのタクシーはないので、電話で呼ぶのが一般的。配車アプリのUberも利用できる。
市内を観光するのに便利なトラム。運行区間はカセドラル・ジャンクションからカセドラル・スクエア、ウスター・ブルバードを通り、オックスフォード・テラス、キャシェル・ストリート、ハイストリートへ。ハイストリートで折り返し、カセドラル・スクエアを通って、カンタベリー博物館へ。そこから右折し、さらにアーマーストリートを通って、ニューリージェント・ストリートからカセドラル・ジャンクションに戻る。チケットはトラムの運転手から直接購入し、購入当日は何度でも乗り降りが可能。運転手による観光案内のアナウンスを聞きながら町の中心部を回ることができる。
<市内観光周遊バスツアー>
クライストチャーチ・サイトシーイング・ツアーではクライストチャーチ植物園など中心部の見どころをはじめ、郊外にある石造りの洋館サイン・オブ・ザ・タカヘ、サムナー・ビーチやリトルトンなどをバスで巡るツアーが催行されている。午前発のツアーには国際南極センターと組み合わせたプランもある。