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ムルジェ高原がアドリア海へ向かって緩やかに傾斜する、3つの丘に広がる「白い町」、オストゥーニ。町へと続く下の道から見上げる姿は堂々とした城砦のようであり、砂色のカテドラーレの下に広がる蜃気楼のように美しい。旧市街は坂と細い路地が続き、小さな踊り場からは、遠くにアドリア海とオリーブの林が望める。夏はリゾートとして華やいだ雰囲気に包まれ、小路に並んだみやげ物屋を眺め、おしゃれなカフェでアペリティーヴォが楽しい。
駅からのバスを旧市街で下車しよう。傾斜のある広場とオベリスクが目印だ。広場の手前、少し坂を下るとインフォメーションセンターがある。広場から北へ向かうカテドラーレ通りが旧市街へと通じ、そのまま坂を上がれば、カテドラーレだ。迷路のような路地を散策しながら、町を縁取るオロンツォ・クアランタ大通りViale Oronzo Quarantaへ下ろう。町の一部を下から眺められ、遠くに海とオリーブ林の開けた風景が広がる。
旧市街の中心を通るカテドラーレ通りVia Cattedraleの坂道の頂上にあり、バラ窓と羽を広げたようなファサードが特徴的だ。15世紀に建てられ、サンタ・マリア・アッスンタにささげられた教会で、後期ゴシック様式。バラ窓は
12使徒と天使の彫像で二重円を描き、その下(中央扉上)の「聖母子」も繊細で美しい。内部はたびたびの改装が行われているが、構造はほぼオリジナルのまま。入口近くのフレスコ画は15世紀、天井は16世紀、祈祷席は17世紀のもの。
大聖堂へ向かう坂の途中の左側、18世紀の旧修道院に置かれている小さな博物館。内部にはオストゥーニ周辺からの発掘品を展示。とりわけ貴重なのが、2万4500年前の女性の骸骨だ。死亡当時妊娠していたとされ、骨格の保存状態が見事だ。
車と人が行き交う町の中心広場。サン・フランチェスコ教会と市庁舎に囲まれ、地続きのサン・オロンツォ小広場Piazzetta S. Oronzoのオベリスクが目を引く。1711年に建てられ、高さ21m、頂点を飾るのは町の守護聖人の聖オロンツォだ。
旧市街は細い道が続き一方通行が多い。小型車かつ道をよく知らないと通行は難しい。町に入る手前に広い駐車場が
あるので徒歩で観光を。ホテルによっては駐車場からの送迎サービスを実施しているところもある。