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ブーツ型をしたイタリア半島のちょうど爪先の部分にあたるレッジョ・ディ・カラーブリアは、メッシーナ海峡を挟んでシチリア島と向かい合う町だ。シチリアへはここから連絡船が渡る。町は1908年の大地震で倒壊し、新たに造り直された。海岸線と平行に道路が敷かれ、整然と都市が整備されている。海からの風が街路をさわやかに吹き抜けて、いかにも海峡の町らしい。また、この町の背後には、モンタルト山(1955m)がそびえ、冬にはスキーも楽しめる。
南イタリアで最も重要な考古学博物館のひとつで、改築と展示の大幅変更が行われ、2016年春に再オープンした。新たな建物は階別にLivello A~Eの4階建てで、見学順路は上階からとなっている。4階のLivello Aはマーニャ・グレーチャ以前の線描画や壺、武器、3階のLivello Bはマーニャ・グレーチャの都市と聖域からの彩色された神殿飾り、埋葬品など、2階のLivello Cはネクロポリ出土の陶器や彫像、1階のLivello Dにリアーチェのブロンズ像、モザイク、彫像など、地下階のLivello Eにはネクロポリ出土の柱頭、墓碑、再現された墓を展示。最も有名なのが、1階奥のリアーチェのブロンズ像Bronzi di Riaceだ。
1972年にイオニア海に面した町リアーチェの沖合150メートルの海底から発見されたこの2体の像は、紀元前2世紀頃のローマ船が、ギリシアから戦利品として持ち帰る途中で難破したために海に沈んだと推測されている。製作年代は紀元前450年前後。戦士と思われる威厳に満ちた表情や、解剖学に忠実な肢体はまるで生きているよう。現存するギリシアのブロンズ像の傑作と謳われているものだ。
近年修復を終え、その白亜の全体像が見られるようになったロマネスク様式の大聖堂。正面入口の両側に、フランチェスコ・イェラーチェ作の聖パウロと聖ステファヌスの石像を配している。3廊式の内部は広々として、ステンドグラス越しに差し込む光が柔らかで心地よい。ドゥオーモ前の広場は三々五々人々が集まる社交場になっている。
ドゥオーモ裏手のVia A. Ciminoを北へ進んだところにあるアラゴン時代の城。円筒形の塔と外壁の一部が残っている。城の周囲は緑の多い公園になっていて、ひと休みにちょうどよい。
中央駅から北へ海岸沿いに延びる1.5㎞ほどの眺めのよい大通り。
メッシーナ海峡を挟んでシチリアのエトナ山までも見渡せる。沿道には珍しい熱帯性の植物が並ぶ。陸側にはローマ時代の浴場跡Terme Romaneやギリシア人の城壁Mura Grecheが残っており、柵越しに見ることができる。
町の中心を貫く町一番のストリート。主要な公共機関から銀行のATM、スーパーマーケット、ブティックの類まで何でも揃っている。カフェやバールが長い通りの間に点在するので、ひと休みにもよい。
fs線を利用した場合はレッジョ・ディ・カラーブリアからシチリアへは列車ごとフェリーに乗り込むことになる。ゆっくりと船の中を進む様子はひとつの珍風景だ。ただし、この場合、カターニアへは4時間もかかるのが難点だ。
速さを選ぶならレッジョ・ディ・カラーブリアとメッシーナ間は連絡船を利用しよう。1時間に1便程度の運航で、メッシーナまで約30分、カターニアまでfs線利用で約2時間30分、かなりの時間短縮だ。
連絡船乗り場はレッジョ・ディ・カラーブリアでは、緑が続くVia Genoveseを下ったかつてのマリッティマ駅そばにターミナルがある。メッシーナでは中央駅から200mほどの港内にターミナルがある。ターミナルは2ヵ所に分かれ、リパリ行きもあるので、間違えないように。