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バゲリーアBagheriaはパレルモの東約15㎞、コンカ・ドーロ盆地の中央にある人口4万6000人の町である。現在は、パレルモへ通勤する人たちのベッドタウンだ。パレルモからは鉄道の利用が便利。R利用でひと駅または2駅だ。
駅から怪獣のヴィッラがある、町の中心のガリバルディ広場Piazza Garibaldiまでは約1.5㎞、徒歩で15~20分だ。バゲリーア駅の切符売り場は時間帯により閉まっているので、パレルモで往復切符の購入を。
バゲリーアは17世紀の半ば頃当時のブテラの君主によって建てられたヴィッラから発展した町で、現在でもいくつかのヴィッラが残っているが、最も有名なのは「怪獣のヴィッラ Villa dei Mostri」と呼ばれるヴィッラ・パラゴニアVilla Palagoniaだ。この名前はこのヴィッラを叔父である君主から譲り受けたフェルディナンド・グラヴィーナ・アッリアータが屋敷の周囲の壁の上を砂岩でできたさまざまな像で埋め尽くしたことによる。塀の上には音楽師や動物や人物像だけでなく、ちょっと不気味でユーモラスな怪獣(?)がずらりと並んで圧巻だ。
今は町なかの小さなヴィッラになってしまい、周囲にはためく洗濯物の中でその怪獣たちが静かにこちらを睨んでいるようだ。ヴィッラの中には、壁が鏡で埋め尽くされた鏡の間Salone degli Specchiなどがあり、往時の華やかさが偲ばれる。バロック時代の装飾過多ともいえる趣味がそこここに見られて興味深い。
個人所有のヴィッラなので突然の閉館がある。事前確認がおすすめ。