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バリ東部最大の町であるスマラプラ(旧称クルンクン)は、クルンクン県の県庁所在地だ。300年以上の歴史を誇る古都で、この町を訪ねること、それはバリの歴史を知る旅だ。
16世紀、ジャワのマジャパイト王国の影響のもと、スマラプラの南、ゲルゲルに都をおくゲルゲル王朝が誕生する。古典文学や仮面劇、影絵芝居、音楽、絵画、彫刻など華麗なる宮廷文化が花開き、バリ全土に大きな影響力をもつ、バリの支配王朝となった。しかし18世紀に入って、スマラプラへ遷都して新たにクルンクン王朝を興すと、地方の領主たちもこぞって王国を造った。これ以後、バリは統一王国から、8つの王国が覇を競い合うことになる。
19世紀後半からオランダがバリへ介入を始め、各王国がオランダ軍に滅ぼされた。クルンクン王朝は最後まで戦い続けたが、1908年の壮絶な「最後の抗戦(ププタン)」を経て、ついに王朝は滅び、バリ全土はオランダの支配下に入ることになる。
現在のスマラプラには、栄華を極めた王宮跡と、オランダ軍との最後の抗戦を記すププタン記念碑が残る。この町で私たちは、バリ中世の栄枯盛衰を目の当たりにするのだ。
町はププタン記念碑Monumen Puputanを中心に考えればわかりやすい。ププタン記念碑前の十字路が町のヘソで、この十字路から東西南北へ延びる通りの位置関係さえ頭に入れておけばOK。ギャニャール方面へ延びるジャラン・スラパティJl.Surapatiを挟んでププタン記念碑の向かいには、スマラプラ随一の見どころ、クルタ・ゴサを敷地内にもつ旧王宮がある。
ジャラン・ディポネゴロJl. Diponegoroに沿った商店街は、この町で最も活気のある場所。カマサン・スタイルの絵画や竹楽器アンクルンを売る店、アンティークショップ、さらに生活必需品を扱う小売店など、さまざまな店が建ち並んでいる。
スマラプラはデンパサールから40kmほど東にある。空港からエアポートタクシーで1時間(定額運賃はRp.60万)。