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パレルモから約80㎞、岩山を背景に弧を描く美しい砂浜が広がり、舞台装置のようなドゥオーモが町並みにアクセントを添える。石畳が続く昔ながらの通りには、商店やレストラン、島めぐりを誘う旅行会社の看板が並び、砂浜では人々が海水浴に興じる庶民的なリゾートだ。天然の良港に恵まれ、紀元前2世紀にはフェニキア人との交易で栄えた、歴史ある町でもある。 ルッジェーロ2世により建立された大聖堂は、アラブ・ノルマン様式の建築群のひとつとして、2015年に世界遺産に登録された。
カフェがパラソルを並べる広場の上、2つの塔を従えた砂色の堂々とした大聖堂。町並みに不釣合いなほどの大聖堂がここに建てられたのは、1131年アマルフィ制覇からパレルモへ戻る途中のルッジェーロ2世の艦隊は嵐にあい、無事に帰還できたらその地で、神にささげる大聖堂を建立すると誓ったところ、チェファルーにたどり着いたから、といわれている。
モンレアーレのドゥオーモとほぼ同時期の1131~1145年に建設され、後陣、連続する尖塔型アーチ、三身廊のプランなどよく似ている。ノルマンの時代には完成をみなかったため、金色に輝くモザイクは後陣に見られるだけ。きらびやかさは少ないが、より信仰心を感じさせる。高い柱が6つのアーチを支え、ひときわ高い後陣に描かれているのは『パントクラトール=全能のキリスト』、その下に両手を広げた『聖母と大天使』、さらに下に2段に分かれて十二使徒。キリストの上の奇妙な鳥のような図はセラフィム。最上級の天使で、神の周りにいつも仕える天使だ。
ドゥオーモを望むメインストリートのルッジェーロ大通りを北に進み、突き当たりを左に進んだ砂浜に一部面した通りVia V.Emanueleの中ほど、階段を下った所にある。勢いよく冷たい水が流れ、夏でも涼しい。仕切られた水槽に岩を削った洗濯板が設けられた、洗濯場だ。山からの水が洗濯場を通って海へと注いでいる。
海から大聖堂に抜ける小路にあるマンドラリスカ博物館。展示品は、19世紀のエンリコ・ピライノ・ディ・マンドラリスカ男爵の美術や考古学、科学分野のコレクション。なかでもシチリアの古い貨幣や、アントネッロ・ダ・メッシーナの傑作『男の肖像』Ritratto d' ignotoは必見。
町並みと海を見下ろす、チェファルーのシンボルともいえる岩山=La Rocca。海と町を見下ろして登山道が続いている。切符売り場から標高150mのディアナ神殿の跡Tempio di Dian(a Edifi cio Megalitico)まで約20分、さらに高台の標高270mの城跡Castelloまで約20分。神殿跡近くの海に開けた展望台からは、海と町を一望する特筆すべきパノラマが望める。
鉄道
パレルモからIC、RV、Rで42分~1時間。約1時間に1便、$6.20。
メッシーナからIC、RV、Rで約2時間。1~3時間に1便、$10.90。㊐㊗は減便。
車
パレルモからS113。メッシーナからS113。
駅を背に右に道なりに坂を下りそのまま進むと5分ほどでメインストリートの入口。通りはVia MatteottiからCorsoRuggeroと名前を変える、緩やかな坂を上がる左右にバールや商店が並ぶ楽しい通りだ。観光案内所はこの通りにある。この通りの途中、ディアナ神殿へは標識に沿って右に入る。メインストリートをさらに進むと右側に大聖堂、さらに進み突き当たりの左右に海岸が広がる。左へ進み、海岸を見て、中世の洗濯場、マンドラリスカ博物館へ。