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バトゥール湖にさざ波がたち、鏡に映ったようなバトゥール山、アバン山の姿が、一瞬揺らめいた。梢の葉がささやき合うように揺れ、風の通り道を作る。吹き上がってきた風が通り抜けると、肌は凍てつくように冷たくなっていた。ここは本当に熱帯なのだろうか。巨大な円形劇場のようなカルデラをもつバトゥール山(標高1717m)とその周辺は、バリ随一の景勝地キンタマーニの名称で旅行者にもよく知られている。外輪山の上、見晴らし台から眺めるその姿は、バリの水源バトゥール湖を中心に、西にバトゥール山、東にアバン山がそびえる大パノラマだ。
1917年と1926年には、バトゥール山は大噴火を起こしている。噴火にともなう大地震は島中に大きな被害をもたらし、今もバトゥール山の山肌には黒々とした溶岩流の痕跡が残っている。
ビューレストランが並ぶ外輪山の上の村ペネロカンPenelokanからカルデラの中へ、曲がりくねった道を下るとバトゥール湖畔の村クディサンKedisanに出る。三日月形をしているバトゥール湖は、バリ中部田園への水の供給源として知られる火口原湖だ。
湖畔に宿泊するなら、温泉の村トヤ・ブンカToya Bungkahがのんびりできておすすめだ。トヤ・ブンカの各ホテルでは、バトゥール山への日の出トレッキングのガイド手配もできる。そのほか湖の東岸には、風葬で知られるバリ・アガの村トルニャンTrunyanがある。しかしこの伝統村でも、村人たちから法外な入村料をふっかけられることもあるので注意。
ツアーやチャーター車で訪れるのが一般的。レンタカーやバイクで来た観光客は通行料(1名Rp.1万5000)を支払う。空港からはエアポートタクシーで約3時間(定額運賃はRp.75万)。
プラマ社のシャトルバスは、クタ(10:00発)、サヌール(10:30発)、ウブド(11:30発)から毎日各1本(所要3.5~4時間、Rp.15万)。復路はペネロカン13:30発。最少催行2名以上なので要事前予約。