- イタリア
- スポット
火山と温泉の楽園エオリエ諸島で過ごす、大自然に包まれたシチリアの休日
2023.11.1
キーワードで検索
エオリエ諸島で一番大きく、観光の拠点となる島。高台には城塞が威風堂々とそびえ、町の中心には島の歴史を伝える博物館や古代遺跡が残る。港を結ぶ小路には、特産の黒曜石やケッパーを売るみやげ物屋がにぎやかに軒を並べる。自然美を満喫するなら、島巡りのバスや観光船に乗ってみよう。白く輝く軽石の採石場Cave di Pomice、エメラルドグリーンの海が鮮やかなカンネットCannettoやアクアカルダAcquacaldaの海岸、ヴルカーノ島や海岸線を一望するクワトリオッキQuattriocchiの展望台へ運んでくれる。お気に入りの風景を見つけたら、気ままに散策やひと泳ぎするのも島の休日ならではの楽しみだ。
先住民は紀元前4000年頃、シチリアから来た人々とされている。その後リパリ島の黒曜石に魅せられ、ギリシアからも人々がやってくるようになる。この黒曜石がリパリ島の商業的発展に導いた。
ノルマン人は到来とともに、ここに大修道院を建設し、また軍事基地として使われていた。一年中温和な気候のエ
オリエ諸島はアリクーディ島、フィリクーディ島、リパリ島、パナレーア島、サリーナ島、ストロンボリ島、ヴルカーノ島の7つの島からなっている。
観光シーズンの幕開けは復活祭の休暇頃から。海遊びが楽しいのは6~9月頃だ。島巡りに欠かせない観光船は復活祭からクリスマス頃まで運航しているが、頻繁に運航するのは本格的観光シーズンの7~9月。この季節、島は一番の華やぎを見せる。リパリ島などを巡るバスもこの期間には本数が多い。
島を結ぶバスはルンガ港にターミナル(ガソリンスタンドそば)がある。コルタ港からルンガ港へは、にぎやかなメインストリートを抜けて徒歩で約10分。リパリ⇔カンネット⇔軽石の採石場⇔アクアカルダへのバスは夏季は1~2時間に1便程度。
リパリ⇔カンネットは10~30分に1便程度と頻繁にある。
リパリ⇔セッラSerra⇔ピレッラPirrera行きのバスでピレッラで下車し、徒歩20分程度のフォッジャ・ヴェッキアFoggiaVecchiaでは噴出した黒曜石の姿を見ることもできる。
ガリバルディ通りVia Garibaldi から続く長い階段の先にはノルマン時代に創建された町の大聖堂が建っている。ファサードは15世紀にバロック様式に改装された。内部の左側には豪華な装飾に囲まれた銀の守護聖人バルトロメオの像が収められている。また聖堂の左側には、ノルマン時代の古い回廊が野外につながり、力強いドーリス式の柱が神秘的な姿をみせる。
かつての司教館を改装した、大聖堂に隣接する博物館。周囲には紀元前16世紀から2世紀に築かれたアクロポリが広がる。博物館はリパリ島をはじめエオリエ諸島からの発掘品を展示する。先史・歴史時代、火山学部門、古典考古学などの各部門ごとに展示室が分かれ、展示品は多岐にわたり、新石器時代からギリシア、ローマ文化の流入期までの陶器類、特産の黒曜石を加工した矢じり、復元されたネクロポリ、墳墓の埋葬品の人形像などのほか、エオリエ諸島の海底に沈んでいた難破船の積み荷だった黒絵の壺、アンフォラ、大砲などが展示されている。
とりわけ、墳墓から出土した表情豊かなテラコッタの人形像は質・量ともに見事。仮面劇の登場人物を形どった人形類は、紀元前の豊かな生活を彷彿させる。ぜひ訪れたい、島の悠久の歴史を伝えてくれる場だ。
考古学博物館から続く要塞。海を見下ろす自然の高台に16世紀にスペイン人が城塞を築いたもの。
海からの眺めは堅牢な城塞そのものだ。博物館前から奥に進むと、テラス部分へ行くことができ、すばらしいパノラマが広がる
ルンガ港Lungaから真っすぐに続く、V.エマヌエーレ通りは、リパリで取れる香辛料を売る店や、おみやげ屋、レストランが並ぶにぎわいのある大通り。
マドンナ・デッレ・グラツィエ教会Madonna delle Grazieの横にある野外劇場。1978年に造られた物で、夏の夜はここで映画が上映される。