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青く輝くイオニア海とエトナ山を一望する風光明媚な保養地、タオルミーナ。世界中の人たちの憧れのリゾートだ。エメラルドグリーンに輝く澄んだ海には「美しき島イソラ・ベッラIsola Bella」が浮かび、高台にはいにしえのロマンを伝えるギリシア劇場がたたずむ。古代ローマの人々も眺めたであろう舞台の先には紺碧の海とエトナ山、そして晴れた日には海峡を隔てたカラーブリアの山々を望む絶景が広がる。メインストリートのウンベルト通りにはカフェやおしゃれなブティック、ブランドショップも並び、そぞろ歩くだけで華やいだリゾート気分にしてくれる。
シチリア第2の規模(直径115m)を誇る古代劇場。紀元前3世紀に建造され、ローマ時代の2世紀に円形闘技場として改築された。丘の天然の窪みを利用して階段状に観客席が巡り、正面の舞台には円柱がそびえ、その間からは緑に
縁取られたイオニア海とエトナ山の雄姿が広がる。この美しい風景を背景に、現在も夏には演劇、バレエ、コンサートなどの催しが行われる。
大聖堂脇の階段を下り、サン・ドメニコ広場Piazza S. Domenicoから眺めのよいローマ通りVia Romaを下って向かおう。町の人々や観光客にとっての憩いの場だ。海を見下ろしてテラス状に広がる園内には、ブーゲンビリア、ハイビスカス、オレンジ、レモンなどの花々が咲き乱れ、緑の木陰が心地よい。
バスターミナルからの坂道は町の入口であるメッシーナ門Porta Messinaへと続く。メッシーナ門は中世の城壁に19世紀に再建された物。ここから華やかなメインストリート、ウンベルト1世大通りCorso Umberto Ⅰが続き、ショッピングやそぞろ歩きが楽しい界隈だ。小さな広場に建つコルヴァヤ館は、11~15世紀の複合建築で、2連窓のファサードが美しい。趣のある中庭と2階へ続く14世紀の外階段も印象的なたたずまいだ。
内部にはツーリストインフォメーションやシチリア民衆伝統芸術博物館Museo Siciliano di Arte e Tradizioni Popolariがおかれている。
ウンベルト1世大通りの中ほど、狭い路地が開けると見晴らしのよいテラスが広がる。カフェがパラソルを広げ、いつも観光客でいっぱいの気持ちよいスポットだ。張り出したテラスからは、眼下には緑に包まれて弧を描く、美しい海岸線のパノラマが広がり、眺望とともに開放感あふれる。広場の左には15世紀のゴシック様式のサンタゴスティーノ教会や17世紀の時計塔がある。山側には古い館や教会などが残り、中世の雰囲気を残している界隈でもある。
正面のバロック様式の噴水を飾るのは、町のシンボルでもある「女ケンタウロス像」。その奥の大聖堂は、13世紀に創建され、15~16世紀と18世紀に改修された物。小さいながら、バラ窓が飾るファサードは重厚だ。三廊式の内部の、右側の第1祭壇には1463年の『聖母マリアの聖エリザベト訪問』Visitazioneの板絵、左側の第2祭壇には『聖アガタ』像が収められている。
映画「グラン・ブルー」のロケでも使われた、美しい入江にある小島。ふたつの岬に挟まれた静かな入江に、美しい海と緑の島影が浮かび、絵のように美しい。観光ボートも運航しており、「青の洞窟」をはじめ、カーポ・タオルミーナ、サンタンドレア岬などへも行くことができる。また、入江の北側にはマッツァーロMazzaroの砂浜が長く続き、海水浴に最適。
ロープウエイまたはバスで。ロープウエイの駅はバスターミナルとメッシーナ門の間にある。バスの場合は、ターミナルからASM社のバス(所要約10分、料金€1)で。
健脚派はピランデッロ通りの展望台Belvedereから細い脇道に入り、坂道と階段を下るとマッツァーロの海岸へ出る。
メッシーナ門の北東にある、サン・パンクラツィオ教会から階段状の歩行者専用道路を4㎞下ったところにあるのが、マッツァーロ海岸。今は、ほとんどの人がロープウエイを利用し、タオルミーナの町から下ってくる。マッツァーロ海岸は、サンタンドレア岬によって、イソラ・ベッラと隔てられた、三日月状の美しい海岸線で、夏には海水浴客でにぎわいを見せる。たくさんのカフェが店開きしているので、ゆったりとした時の流れる、イタリアの夏の雰囲気を味わってみよう。
タウロ山Monte Tauroの山頂に建つ、古代のアクロポリスの跡に中世に築かれた城塞。城塞内部は公開されていないが、周囲からのパノラマがすばらしい。タオルミーナの町やエトナ山、向かい側のカステルモーラの集落を一望する。
とりわけ冬から春にかけて、山肌に雪が残るエトナ山の稜線と青く弧を描く海岸線のコントラストは美しく、まさに絵画的。バールやレストランもあるので、夕暮れ時に食前酒やディナーを兼ねて訪ねてみるのも楽しい。
バスを利用する場合は、下記のカステルモーラ行きのバスでマドンナ・デッラ・ロッカ下車。タクシー利用で$15~20。徒歩の場合はチルコンヴァラツィオーネ通りVia Circonvallazioneからつづら折りの急な階段を上る。
町から約5㎞、狭い道路の先にカステルモーラの集落がある。標高529m、石灰岩の断崖の上に築かれた中世の町で、すばらしい眺望が広がる。
駅もしくはPiazzale PirandelloのバスターミナルからINTERBUS社のバスで上る。(1日平日6便、㊐㊗5便)帰りの時間も確認しておこう!料金は片道$1.90、往復$3。所要約15分。
紀元前735年にシチリアで最初のギリシア植民地とされた都市。タオルミーナ岬から滑らかに連なるジャルディーニ・ナクソスの町は、夏はカラフルな海水浴客のパラソルが広がり庶民的な海水浴場として家族連れなどでにぎわう。スキゾ岬の考古学博物公園Museo Archeologico Regionalee Area Archeologico di Naxosには、ギリシア植民地跡の貴重な城壁や住居などが残っている。
タオルミーナから約5㎞。バスで10~25分。タオルミーナ駅発INTERBUS社(5分~1時間に1便)。INTERBUSマークのある停留所にバスは停まる。バスが来たら、通り過ぎてしまわないように手を挙げて運転手に合図をしよう。バスターミナルはVia Dionisioにあり、バス停は海沿いを中心に各所にある。切符は($1.90、往復$3)車内で購入できる。タオルミーナよりも値頃感のあるホテルが多い。
出発地 | 鉄道名 | 所要時間 |
ローマ | fs線 IC | 9時間30分~10時間30分 ICN(夜行)10時間30分 |
ナポリ | fs線 IC | 約6時間50分 ICN(夜行)約7時間30分 |
メッシーナ | fs線 R.RV.IC | 約40分~1時間(20分~2時間に1便) |
シラク―サ | fs線 R.RV.IC | 約1時間50分~2時間(約1時間に1便) |
カターニア | fs線 R.RV.IC | 約35分~1時間(20分~1時間に1便) |
出発地 | バス会社 | 所要時間 | 料金 |
メッシーナ | INTERBUS | 1時間20分~1時間56分(平日5便、日祝1便) | €4.30、往復€6.80 |
カターニア | ETNA TRASPORTI/INTERBUS | 1時間10分~約2時間(20分~2時間に1便) | €5~5.10、往復€7.80~8.50 |
●メッシーナ→(A18/S114)→タオルミーナ
●カターニア→(A18/S114)→タオルミーナ