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ブリスベンの沖合に浮かぶモートン島は約20km2、同じオーストラリアのフレーザー島、ノースストラドブローク島に次ぐ世界第3 の大きさの砂の島だ。海岸線は美しい白砂のビーチが続き、中央には高さ280m にも及ぶ巨大な砂丘がある。
島の中ほどにあるタンガルーマ・ワイルドドルフィン・リゾートTangaloomaWild Dolphin Resort には、宿泊施設のほか、プール、レストラン、バー、スーパー、スカッシュコート、テニスコートなどがある。日帰り客でも楽しめるリゾートだが、その魅力を存分に満喫するのなら、やはり1 泊はしたい。スノーケリングやダイビング、4WD での砂丘ツアーや、砂丘での砂滑りなど、アクティビティには事欠かない。
そしてこの島を特に有名にしているのが、夕方桟橋脇に現れる野生のバンドウイルカへの餌づけだ。リゾートスタッフが持ってくる餌の魚を自分の手から食べさせられる。ただし、むやみにイルカの体に触ったりするのは厳禁。また朝はビーチにやってくるペリカンの餌づけも楽しめる。
イルカで有名になったモートン島だが、実は周囲の海では、貴重な海洋生物に出合える。最も貴重とされるのは人魚のモデルになったともいわれるジュゴン。島の南部の海底にジュゴンが好む海草が多く、600頭ほどが生息しているとされる。毎日催行されるマリン・ディスカバリークルーズに参加すれば、ジュゴンに出合えることもある(運がよければ、ボートの周りをジュゴンが埋め尽くすことも……)。また、クルーズ中はほぼ確実にイルカ、ウミガメに出合える(ウミガメはリゾート発のスノーケリングツアーでも見られる場合が多い)。
冬季・春季(6月中旬~10月中旬)は、モートン島沖合が南極海からやってくるザトウクジラの通り道になる。そのため、この時期はリゾート発でホエールウオッチング・クルーズも行われる。目の前でジャンプしたり(ブリーチ)、船の様子を眺めようと顔を出したり(スパイホップ)……、オーストラリア沿岸部は出産、子育ての場所でもあり、親子で泳ぐクジラの姿を目にすることも多い。
モートン島の大地は砂でできている。その大きさは、モートン島の北にあるガリ=フレーザー島(世界遺産)、南に続くノースストラドブローク島に次いで、砂の島としては世界で3番目の大きさだ。島の多くは亜熱帯の森に覆われているものの、ところどころに巨大砂丘がある。タンガルーマのすぐ近くにあるタンガルーマデザートへはリゾート発の数種類のツアーがある。一番人気はデザート・サファリツアー。大型4WD で砂丘へ向かい、広大な砂の丘から滑り降りるサンドトボガンが楽しめるのだ。また4 輪バイク(ATV)を駆って、砂丘内を走り回るツアーもアクティブ派に好評だ。
リゾートの南側にある大砂丘地帯タンガルーマデザートTangalooma Desertへ大型の4WD で出かけ、サンドトボガン(砂滑り)を楽しむツアー。途中、ガイドが一見真っ白に見えるここの砂が、実はさまざまな色の砂が混じったものであること、あるいは500種にも及ぶモートン島の植物に関することなどを説明してくれる。
モートン島のビーチ前は穏やかな海。パラセイリングやバナナボートから、カヤック、SUP、カタマランセイリングまで日中いつでも気軽にアクティビティが楽しめる。またリゾート北側沖にある難破船エリアは好スノーケリング&ダイビング・スポット。ツアーがあるので、参加して数多くの魚やウミガメウオッチングを楽しみたい。
またビーチでのセグウェイやビーチバイク、さらにペリカンやワライカワセミの餌づけ見学など、1日では遊びきれないほどのアクティビティメニューがある。
野生のイルカに餌づけできる場所は、世界的に見てもまれ。1992年4月に桟橋脇にやってきていたビューティーと名づけられたイルカが、偶然にもスタッフが投げ入れた魚を食べたのが餌づけの始まり。現在では毎夕約8頭のイルカがリゾートを訪れている。イルカの野生を保つため、与える餌の量は制限。そのため餌づけには人数制限を設けている。原則、リゾート滞在客(滞在中1回)、イルカ餌づけ付きクルーズ参加者が対象だ。イルカは日の暮れる頃に桟橋脇にやってくる。スタッフの指示に従い餌の魚をやる。人なつこいイルカの姿に感動するはずだ。餌づけの様子はスタッフが写真撮影しており、翌日島内の写真店で販売される。
6月中旬〜10月中旬、モートン島沖合は南極方面からやってくるザトウクジラの通り道となる。この期間、リゾートから週3回、ホエールウオッチングのクルーズが出るのでぜひ参加したい。見られる確率は7〜8割。運がよければ船のすぐ間近を通り過ぎたり、ブリーチしたりするクジラの勇姿も見られることだろう。