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フリブール州の州都で、独仏言語の境目の町として知られる。町の名もフランス語ではフリブール(Fribourg)、ドイツ語ではフライブルク(Freiburg)とふたとおりある。1157年からの古都で、その歴史の長さはヨーロッパでも1、2を争う。旧市街の古さはヨーロッパ随一。もともとカトリック教会の支配地域だったこともあり、その影響は町全体に色濃く残っている。16世紀に創設されたカトリック系のフリブール大学神学部は世界的にも有名だ。
チューリヒとジュネーヴを結ぶICのルート上にある。チューリヒからICが1時間に2本(直通1本、ベルン乗り換え1本)あり、約1時間30分。ジュネーヴからのIC、IRは1時間に各1本(直通)、1時間20分前後。ベルンから1時間に3〜5本、ICやIRで約20分、各停で約30分。
サリーヌ川の断崖の上と下に町が広がっているので、出発前に地理感覚をつかんでおかないと、坂を下ったり上ったりしなければならなくなる。観光案内所は駅を出て左に向かい、200mほど先の右側。Manorの向かいの建物にある。
駅前から左へ行って、サン・ピエール通りRue St. Pierreに入る。そこからデザルプ通りRue des Alpesへと進もう。やがて右側にサリーヌ川と町のすばらしい景色が見えてくる。崖っぷちに建つ大きく古い建物が市庁舎Hôtel de Ville。すぐ近くに見える巨大な塔はフリブールのランドマークともいうべき聖ニコラ大聖堂Cathédrale St-Nicolas。
聖ニコラ大聖堂の北西には、美術・歴史博物館Musée d'Art et d'Histoireが建っている。ここでは教会とともに発展し、宗教的な絵画、彫刻も多く残されているフリブールの町の、16世紀から今にいたるまでの歴史と芸術がよくわかる。
博物館を出たら、ツェーリンゲン橋Pont de Zähringenを渡り対岸へ向かおう。橋の名は、この町の建設に当たって功績のあったツェーリンゲン家のベルヒトルト4世からきている。サリーヌ川の浅瀬に砦を築いて船の往来を監視した人物だ。この橋からの眺望もすばらしく、崖っぷちの家がよく見渡せる。
橋を渡った所で右に曲がり約100mくらい行った所で川に下りる坂道があるので見逃さないように。町の城壁づたいに下の町へ下りていく通路で、途中猫の塔Tour des Chatsを通る。下の町は車の往来も少なく、まるで中世の世界に迷い込んでしまったかのよう。風情のある屋根付きのベルン橋Pont de Berneを渡り、続いて石橋のミリュウ橋Pont du Milieuを渡る。谷底から見ると、家々が空に向かって積み重なるように建っていて、迫力満点だ。
このミリュウ橋のたもとにはマリオネット博物館Musée de la Marionnetteがあるのでのぞいてみるのもいいだろう。このあたりはドイツ語地域。広場に噴水彫刻があったり、家の造りも何となくドイツっぽく感じるのは気のせいか。
上の町を見上げながら不思議な気分で歩いていくと、道はやがてサン・ジャン橋Pont de St-Jeanを渡ってヌーヴヴィル通りRue de la Neuvevilleに入る。この付近にもしゃれた店やレストランが集まっているので入ってみるのもおもしろい。小さな広場に出るとそこから上の町行きのケーブルカーAgglo Funiculaireが出ているのでぜひ利用してみよう。これは1899年に開業。しかも駆動動力は水というから驚く。ケーブルカーに沿って階段もあるのでそちらを利用することも可能。これでようやく上の町へ戻る。
上に戻ったらローザンヌ通りRue de Lausanneを散策してみよう。一部がアーケードになった商店街には、しゃれた店やブティックが集まって、また違った町の顔を見ることができる。