スイス観光の原点モントルー歴史と音楽が織りなす高級リゾート地の魅力

スイスが観光国として世界的にデビューするに当たって、モントルーが果たした役割は大きい。18世紀後半から19世紀の英国貴族の間で流行となったスイス旅行は、ジュネーヴに入ってからモントルーに、というコースが一般的だった。レマン湖畔で最も気候と景色のいいモントルーへと、貴族たちは馬車で平地を走り、山道になるとロバの背に乗って1日がかりでやってきた。スイスで最初にホテル（民宿）ができたのも、ここモントルーだ。
現在のモントルーは、世界に名高い高級リゾート。７月のモントルー･ジャズ･フェスティバルは、避暑地の夏を華やかに彩るイベントとしてよく知られている。

駅を背に駅前通りを左へ行くと右側に階段が見えてくる。この階段を下りると、レマン湖沿いのメインストリート、グラン通りGrand Rueに出る。湖岸の遊歩道を南に200mほど行くと観光局、そしてその先にイギリスのロックバンド「クイーン」と縁のあるカジノCasinoがある。

カジノ内には「クイーン」をはじめ、世界的アーティストが収録したレコーディングスタジオを体感型記念館に改修したクイーン・スタジオ・エクスペリエンスQueen The Studio Experienceがある。1979年から1995年まで「クイーン」がオーナーとして所有していたこのスタジオは、フレディ・マーキュリーが死の直前まで制作した最後のアルバム『メイド・イン・ヘブンMade in Heaven』を含む計7枚のアルバムの収録地。ほかにもザ・ローリングストーンズなど名だたるミュージシャンたちがレコーディングに利用した。館内では「クイーン」が実際に作業したミキシング用音響機器を再現した部屋や直筆の楽譜、舞台衣装などを数々のミュージックビデオを視聴しながら鑑賞でき、ファンはもちろん「クイーン」をあまり知らない人も楽しめる。

ジュネーヴから列車で約1時間5分。ローザンヌから20〜30分。インターラーケンからは、景色のいいゴールデンパス･ラインを通って、2時間10〜30分。ヴヴェイへは列車で5〜10分。バスの便でも結ばれている。