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ヨハンナ・シュピリの名著『ハイジ』は、1880年にスイスで生まれた。発表から1世紀以上たった今も世界中の子供たちに愛されており、累計発行部数は5000万部以上といわれる。この驚異的なベストセラーの故郷が、スイスの東の端にある小さな村、マイエンフェルトだ。
のんびりと草を食む牛の群れ、風に揺れるモミの木のざわめき、はるかに広がるブドウ畑。シュピリは、この風景のなかを散策していて物語の着想を得たといわれる。「デルフリ村」のモデルになった集落や「アルムおんじの家」は、世界中からやってきたハイジファンでいっぱいだ。
マイエンフェルト一帯の村々には“ハイジ”とつく名が多くてややこしいが、マイエンフェルト駅に着いた旅行者は、それらの名前はあまり気にせず、駅を出たらハイジヴェーグHeidiweg(ハイジの道)と書かれた赤い標識に従って歩けばいい。
観光のいちばんのポイントがこのハイジヴェーグで、素朴な村をのんびり散策して、ハイジの物語の世界に触れるのがここを訪れる目的だ。見どころであるハイジドルフHeididorf(ハイジの村)は、このハイジヴェーグの途中にあるので、まずはそこを目指そう。ハイジドルフには、物語でハイジがおじいさんと暮らしたアルプの山小屋Heidis Alphütteや最初に造られたハイジの家Heidihaus、そしてショップの2階にヨハンナ・シュピリの小さな博物館Johanna Spyris Heidiweltがある。このハイジドルフから500mほど北に行った所にHeidihofという名前がついたホテル&レストランがある。車でアクセスが可能で、駐車場もあるので、団体旅行者はここまでバスに乗ってきて、ここから歩き始める。
ハイジドルフからは、さらに山の上に延びる道がある。オリジナルのアルプの山小屋にいたるハイジ体験の道Heidi Erlebniswegと呼ばれるハイキングコースだ。それなりの健脚向けのコースだが、より深くハイジの世界に触れる体験ができるだろう。
チューリヒから1時間5〜6分。直通列車はほとんどなく、おもにサルガンス、ランドクアルトでの乗り換えとなる。