ここに泊まることが旅の目的になる!世界の「すごいホテル」5選!

公開日 : 2022年10月11日
最終更新 :
インドネシアの無人島が5つ星の高級ロッジに(バワ・リザーブ)
インドネシアの無人島が5つ星の高級ロッジに(バワ・リザーブ)

世界100ヵ国以上の国が完全開国になり、海外旅行が本格的に回復しつつあります。これからの旅行者は、以前にも増して旅先選びに慎重になることでしょう。そんな旅行者に向けて、旅の図鑑シリーズの新刊『世界のすごいホテル』では、そこに泊まること自体が目的になる、世界中の特別なホテルを紹介しています。その中から5つの「すごいホテル」を紹介します。

氷河の中にある超高級ロッジ シェルドン・シャレー(アメリカ)

氷河の中にある超高級ロッジ シェルドン・シャレー(アメリカ)<br />
ロッジの周囲は1年中銀世界

日本の4.6倍もの面積をもつアメリカ最大の州アラスカは、たくさんのリモートロッジ(人里離れたところにあるロッジ)がある場所としても有名です。大自然の真っただ中にあるそれらのロッジは、自家発電機を備え、衛星回線を通じてインターネットにつながり、小型飛行機で運ばれる食材のおかげで、都市の高級ホテル並みの食事が毎回楽しめるという、究極の贅沢が楽しめる宿。シェルドン・シャレーはその代表です。ロケーションは北米最高峰デナリの麓を流れる氷河を見下ろす稜線の上。ロッジの周囲360度、氷河とアラスカ山脈に囲まれた紛うことなき大自然。昼間の周囲は白銀の世界で、夜になれば人工の光に一切遮られることなく満天の星が輝きます。

温かな部屋から眺めるアラスカ山脈の山
温かな部屋から眺めるアラスカ山脈の山

アクセスは雪上に着陸できるセスナまたはヘリコプターのみ。こんな場所にありながら2階建てのロッジ内には広々としたリビングとダイニング、そして5つの客室があり、シャレ―(山小屋)とは思えない豪華で充実した設備を備えています。温かい暖房に利いた室内からダイナミックな氷河を眺めながら、オバマ元大統領に食事を供したことがあるというシェフが作る料理を味わう……。まさに究極の贅沢が体験できる宿。

森と一体化したバワの最高傑作 ヘリタンス・カンダマラ(スリランカ)

森と一体化したバワの最高傑作 ヘリタンス・カンダマラ(スリランカ)
岩山の山腹に建てられた建物。敷地は幅1kmにもなる

ジェフリー・バワといえばスリランカ出身の建築家で「トロピカル・モダニズム」の巨匠として母国スリランカを中心に、数々の名建築を残しました。スリランカを代表する世界遺産「シーギリヤ・ロック」の近くに建つヘリタンス・カンダマラは、バワの最高傑作といわれるホテル。岩山の中腹に建つ建物は近くから見ても、それと分からないほど自然と一体化しています。1994年に建設された際、将来建物が覆われることを予想して植栽されたツタ、エントランスやロビーに残されたむき出しの岩、自然の要素がそのままスタイリッシュなデザインに取り込まれた建物に、訪れるすべてのゲストは驚かされます。

まさに森に溶け込んだようなホテル
まさに森に溶け込んだようなホテル

SDGsという言葉が登場し、それがだいぶ一般的になってきた昨今ですが、ジェフリー・バワは半世紀も前から、その概念を理解・実践し、そのうえで多くの人々に愛される建物を造ってきました。バワのホテルに宿泊した人の中には、その表面的なデザインだけでなく、設計思想に共感する人が多く、バワ建築を泊まり歩くような「バワ・マニア」と言ってもいい人もいるようです。

オーロラの下、北欧デザインの神髄を知る マンシャウエン(ノルウェー)

オーロラの下、北欧デザインの神髄を知る マンシャウエン(ノルウェー)
窓ではなくガラスの壁。未体験の解放感が味わえる

著名な探検家ボルゲ・オウスラントが購入したノルウェーの小島に建てたリゾート。海に突き出したキャビンは、床から天井まで一面ガラス張り。シンプル・モダンの北欧デザインの王道をいく建物では、部屋にいながら夜空を舞うオーロラを眺めることができます。客室は不要なものを排除されており(キッチンはあるがテレビはない)、また棚とテーブルが共用になっていたり、引き出しがベンチの代わりになったりと、北欧デザインの重要な概念である「ミニマリズム」の思想が反映されています。実際のところ、ノルウェーの厳しくも美しい海と自然を昼夜となく眺めるなら、ただ大きな窓があればいいので、室内に余計な装飾は不要です。

白木のぬくもりと冷たいガラスの組み合わせがいかにも北欧らしい
白木のぬくもりと冷たいガラスの組み合わせがいかにも北欧らしい

リゾート内には独立した7つのキャビンがあり、食事はメインハウスにあるレストランで。地元産の新鮮な海産物を使ったノルウェー料理をワインやビールとともに楽しめます。メインハウスの2階にはラウンジやライブラリーがあります。部屋では静かに自然と向き合い、ラウンジでは宿泊者同士交流を深めるのもいいでしょう。

野生動物の息遣いが聞こえるワイルドな宿 スカイベッド(ボツワナ)

野生動物の息遣いが聞こえるワイルドな宿 スカイベッド(ボツワナ)
隣の棟はかなり離れているのでプライベートも保たれる

アフリカ南部、カラハリ砂漠にあるオカバンゴ・デルタは世界最大の内陸デルタ。ここはさまざまな野生動物が見られる、アフリカでも有数の動物ウォッチングスポット。このデルタの北東部にあたるクワイ私有保護区にロッジがあります。名前の通り、簡素な木造のロッジの屋上に空にむき出しのベッドが置かれています。蚊帳に覆われただけの野外ベッド。なかなか経験することがない非日常が味わえる機会であり、夜間に活動することが多い野生動物をベッドの上から観察できる貴重な体験にもなるでしょう。宿泊できるのは雨が降らない乾季の4~10月で、宿泊のみは不可。動物観察を行うサファリなどとパッケージになったツアーに参加することで貴重な滞在が経験できます。

動物観察に星空観賞、寝る暇がないかも
動物観察に星空観賞、寝る暇がないかも

屋上の高さは約5m。この高さなら安心して動物の観察が可能です。壁も柱もないので360度視界が開けており眺望は抜群。夜は地上の動物だけでなく、見上げれば満天の星空が。ベッドに寝転んで飽きるまで星を眺めるのもよさそうです。

近未来の建物から体験するタスマニアの自然 サファイア・フレシネ(オーストラリア)

近未来の建物から体験するタスマニアの自然 サファイア・フレシネ(オーストラリア)
ジャングルに着陸した宇宙船といったイメージ

オーストラリアのタスマニア島は、貴重な固有種の動物と豊かな自然で知られ、自然を愛する人にはあこがれの島。しかし1世紀前の島は鉱物資源を採掘するために開発がすすめられ、当時盛んだった捕鯨のための基地が作られた、いわば消費されるだけの島でした。その後鉱業は下火となり、捕鯨もストップ。島には放棄された荒地があちこちで見られるようになりました。このホテルがあるフレシネ半島もそのひとつで、ホテルの建設にあたって、まず植林から始めました。ここではゆっくりと再生されつつある自然を楽しむプログラムが盛りだくさん。オールインクルーシブなのでシーカヤックやマウンテンバイクなど、たくさんのアクティビティもすべて無料で楽しめます。

貴重なタスマニアンデビルをガイド付きで観察できる
貴重なタスマニアンデビルをガイド付きで観察できる

島固有の動物であるタスマニアンデビルをガイド付きで観察したり、近くの養蜂場でハチの世話をしたり、ホテルのすぐ近くの入り江にあるカキの養殖場を訪ね、その場でカキを味わったり……、ユニークなプログラムがすべて料金に含まれています。

世界のすごいホテルを集めた図鑑が「地球の歩き方」から登場!

ご紹介した5軒のほか、泊まることが旅の目的になる全126軒のすごいホテルを世界中から集めて解説した『世界のすごいホテル』が、地球の歩き方【旅の図鑑シリーズ】から新登場! ロケーション、絶景、自然、歴史、デザイン、エコがすごい至極の宿を、美しい写真や旅の雑学とともに徹底紹介。超豪華なホテルから庶民的なロッジやキャンプまで、特別な時間を体験できる宿のみ厳選しました。SFの世界が現実となる「宇宙ホテル」とは?! ホテルにまつわるコラムやトリビアも満載です。

日本にいながら海外旅行気分を味わったり、次に泊まってみたいホテルを探したり、旅先を選んだりするのにぴったりの1冊です!

※当記事は、2022年10月11日現在のものです

TEXT: オフィスポスト・イット 永岡邦彦
PHOTO: マゼラン・リゾーツ・アンド・トラスト/(C)Sheldon Chalet_BURKARD/
(C)Aitken Spence Hotels/(C)Manshausen_Steve King, Kjell Ove Storvik/
(C)Natural Selection/(C)Saffire Freycinet

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年10月11日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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