旋舞教団

公開日 : 2000年08月12日
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白いスカートを翻して、くるくる回りつづける男達。トルコ8日間周遊というような旅行の場合、カッパドキアからパムッカレへ向けての移動でつぶれてしまう1日がある。この時、カッパドキアから3時間ぐらいのところで通過、または短い観光をする街。それがコンヤである。かつてセルジュクトルコの首都であったこの都市は、今ではイスラム神秘主義の一派メブレヴィー教団の本拠地として有名。12月半ばに行われる祭典には、信者だけでなく世界中から観光客がやってくる。セマーと呼ばれる一種の「ショー」を見るために。しかし観光客にとってのもの珍しいショーも、信者にとっては恍惚のなかで「神と対面する」神聖なる儀式に他ならない。教義によって禁止されたアルコールに代わり、人をトランス状態に誘導する手段としてこの宗派は独特のダンスを生み出した。赤いのっぽ帽と白いすその長い衣装をまとった信者達は、音楽に合わせておもむろにまわりだす。延々と回る続けるうちに、いわゆる目が回った状態、恍惚の域に入ってしまうのだ。そしてそこで、神と、出会う。そんなばかなと興味本位に訪れる観光客の多くも、見ているうちに信者の真剣さにひきこまれて顔から笑いが消えて行く。単純だけれど、長時間にわたるのでかなりハードである。たまに女・子供が混じっていて倒れてしまったりすることも。倒れないまでも、独特の音色の中とろんとしてきた信者の顔を間近で見ていると、なんだか不思議な気持ちになってしまう。しかし12月のコンヤにまで的を絞って旅行するのは難しいだろう。だんだんトルコ中に増えてきたメブレヴィー教会の一つが、イスタンブールではガラタ地区にあり毎月第3日曜にセマーを行う。そしてさらに今年は、観光の中心スルタンアフメット地区で見学できるようになった。スルタンアフメット(ブルーモスク)のすぐ裏にあるアラスタバザールのレストランMESARE前で、木・金・土曜日19時から23時のスケジュール。音楽も楽しみの一つだろう。有名どころが奏でるネイ(尺八のような笛の一種)やカヌン(一種のハープ)などの民族楽器の音色を、水タバコでも吸いながらゆっくり楽しんでみては?しかしどんどん観光化されていくメブラーナ教団の行く末が、なんとなく心配になってしまう私ではある。

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