マレーシア、地元で愛される食堂が今、熱い。

公開日 : 2023年03月07日
最終更新 :

「地球の歩き方 マレーシア ブルネイ」編が約 3 年ぶりに改訂版を発売!多彩な味を求めて外食を楽しむ人が多いマレーシア。町を歩くと、地元の人でにぎわう食堂をいたるところで目にします。コロナ禍を乗り越え、以前にも増して繁盛する名物食堂をたっぷり紹介。3年ぶりに現地を訪れた取材レポートです。

ユッキー・レストラン

クアラルンプールのチョウキットにある「ユッキー」。
1928年創業で、現在は3代目店主のメルビンさんが切り盛り
クアラルンプールのチョウキットにある「ユッキー」。
1928年創業で、現在は3代目店主のメルビンさんが切り盛り

麺やトーストなどマレーシアの定番料理を提供するレトロな喫茶店。土曜の朝10時に訪れると、以前と変わらず人気で、外で20人ほど待っていましたが、ひとりだったので相席でどうぞ、とすぐに案内してくれました。注文したのは、マレーシアの定番朝ごはん、カヤトースト(トーストした薄切りの食パンにカヤジャムとバターをサンドしたもの)と海南麺(ハイラムミー)です。

ココナッツミルクで作る自家製の甘いカヤジャムは販売もしている。
飲みものは冷たいコピ(練乳入りの甘いコーヒー)をチョイス
ココナッツミルクで作る自家製の甘いカヤジャムは販売もしている。
飲みものは冷たいコピ(練乳入りの甘いコーヒー)をチョイス
うどんそっくりの太麺を海老と豚のだしで炒めた海南麺。フライドオニオンの香ばしさが絶妙なアクセント。
うどんそっくりの太麺を海老と豚のだしで炒めた海南麺。フライドオニオンの香ばしさが絶妙なアクセント。

海南麺は、見ための地味さから想像できないふくよかなコクがあり、思わずうまっ!と声に出してしまったほど。もちっと弾力のある麺に白菜や豚のだしがよく染みています。

カヤトーストに卵2個、麺1皿という、けっこうなボリュームだったにもかかわらず、自分でも驚くほどの速さでさくっと完食したので、名物のカヤロールも追加注文。これもまた秒で胃袋へ消えていきました。

ふわふわとしっとりのちょうど間ぐらいの硬さで食べ飽きないカヤロール
ふわふわとしっとりのちょうど間ぐらいの硬さで食べ飽きないカヤロール

コロナ禍3年、メルビンさんにお店の様子を伺うと「テイクアウトのみの営業を強いられたときはかなり厳しい経営でした。常連客が通ってくれたおかげで、なんとか続けられています」と。この味が食べられるのは、奇跡ぐらい幸運なことなのかもしれない、とあらためて感じた訪問でした。

住所
1, Jalan Kamunting Chow Kit, Kuala Lumpur
営業時間
7:30~15:00、月・中国正月休
アクセス
LRTダン・ワンギ駅より徒歩約10分

ナシカンダー・プリタ

クアラルンプール中心地、ペトロナス・ツインタワーから徒歩圏内にある「ナシカンダー・プリタ」
クアラルンプール中心地、ペトロナス・ツインタワーから徒歩圏内にある「ナシカンダー・プリタ」

カレーや、ビリヤニ、ナンはもちろん、スパイスで調理したさまざまなおかずを提供する24時間営業のカレー食堂。全面開放のオープンな空間で店内は広々、観光客も入りやすいお店です。滞在したホテルがちょうど目の前だったので、朝食に夕食にと、何度も訪問。味がいい上にひとりでも気軽に立ち寄れるのがこの店の魅力です。

生地の仕込みから焼くところまで、すべて店内で行っているロティチャナイは、絶対に外せない一皿。いつもは具無しのプレーンを頼むのですが、3年ぶりなので奮発してバナナ入りを注文。

小麦粉の生地を薄く焼いたロティチャナイは、もっちりサクサクの食感が特徴。
具無しのカレーソースにつけて食べる
小麦粉の生地を薄く焼いたロティチャナイは、もっちりサクサクの食感が特徴。
具無しのカレーソースにつけて食べる

手でちぎると、とろっと溶けた熱々のバナナの香りがふわっと漂い、これをカレーソースにたっぷりつければ、バナナの甘さとスパイスの辛さが絡み合うという魅惑のマリアージュ!

昔と変わったのは、紙のメニュー表が無くなり、かわりに店内にモニターが設置されていたこと。かなり見やすくなっていて、次はあれも食べよう、とまたまたリピート決定です。

住所
No113, Jalan Ampang Kuala Lumpur
営業時間
24時間
アクセス
LRT KLCC駅から徒歩約10分

ファッティー・ロー・チキンライス

ペナン島で3代続くチキンライスの老舗「ファッティ・ロー」の店主ローさん
ペナン島で3代続くチキンライスの老舗「ファッティ・ロー」の店主ローさん

「ファッティー・ロー」は1969年創業。当時は小さな移動式屋台でしたが、今では100席を超える人気店に。つやつやの鶏皮をまとったスチームチキン、ターメリックで淡い黄色に染めたパラパラのご飯、フルーティーな自家製のチリソースが名物。

ローストチキン(中央)は、伝統のアルミ窯「アポロ」を使って香り高く焼き上げている
ローストチキン(中央)は、伝統のアルミ窯「アポロ」を使って香り高く焼き上げている

久しぶりに会ったローさんは、目にも止まらぬ速さで丸鶏を解体し、皿に盛り付け、お客さんのところにみずから運ぶという猛烈な働きっぷり。それでいて、肌はつやつや、笑顔は満点。以前に比べるとメニュー数が増えていて、むしろ発展している様子。ローさんあっぱれです!

住所
21, Jalan Fettes, Tanjung Tokong, Penang
営業時間
9:00~17:00、中国正月休
アクセス
ペナン中心地より車で約15分

サンメイヒョン・サテーハウス

マラッカ中心地にあるサテー専門店「サンメイヒョン」の4代目店主ロイさん。すべての仕込みを店内で行う
マラッカ中心地にあるサテー専門店「サンメイヒョン」の4代目店主ロイさん。すべての仕込みを店内で行う

マレーシアではめったにない珍しい豚のサテーが名物。注文したのはもちろん、豚、豚のレバー、豚の腸、鶏といったサテー全4種です。

サテーはそれ自体にもしっかり味が付いている。
自慢のピーナッツソースは、パイナップル入りでフルーティー
サテーはそれ自体にもしっかり味が付いている。
自慢のピーナッツソースは、パイナップル入りでフルーティー

炭火で焼かれたサテーは香ばしく、ピーナッツソースは深いコクがありながらも後味はすっきりで、これはエンドレスで食べられる! とくに秀逸なのは豚の腸のサテー。タマネギに見えたのは豚の脂で、これを肉の間に挟むことでジューシーに。

「コロナ禍で営業できなかったとき、自宅で楽しめるようサテーの冷凍品の販売を始めました。湯煎で温めれば、自宅で簡単にうちのサテーが楽しめます」とロイさん。「でも今は忙しくなったので、冷凍品の生産まで手がまわらないんだよね」とニコリ。お客さんが戻ってきてよかった!

住所
Jalan Kota Laksamana 1/1, Taman Kota Laksamana, Melaka, Malaysia
営業時間
10:00~18:00、火休
アクセス
マラッカ中心部から徒歩約15分

ナシウラム・チェグ

クランタン州コタバルのハンディクラフトセンター敷地内にある「ナシウラム・チェグ」
クランタン州コタバルのハンディクラフトセンター敷地内にある「ナシウラム・チェグ」

伝統的なマレー料理を提供するナシチャンプル店。魚、鶏、野菜などのおかずをご飯と一緒に食べるスタイルで、生野菜や生ハーブが豊富に揃っているのがこの店の特徴。悩んだ末、揚げ魚をメインに、ご飯にココナッツカレーをかけて、ハーブを数種盛ってみました。

食べたいおかずを皿に盛るセルフスタイル、それを店の人に見せて会計する。
ハーブは消化促進によいといわれている
食べたいおかずを皿に盛るセルフスタイル、それを店の人に見せて会計する。
ハーブは消化促進によいといわれている
白い皿はブドゥダレ。塩気の強い魚醤ブドゥに、レモン汁やハーブ、唐辛子を加えて好みの味のタレにする
白い皿はブドゥダレ。塩気の強い魚醤ブドゥに、レモン汁やハーブ、唐辛子を加えて好みの味のタレにする

ブドゥダレのしょっぱさが魚によく合い、暑さで疲れた体にスッとなじんでいきます。ハーブは想像以上に渋くて強烈で 日本にはない味です。しみじみと3年ぶりにこの地に来れたことを実感。

周りを見渡すと、家族連れや友人同士のグループが慣れた様子で食事を楽しんでいます。きっと彼らはいつもこの店に通っている常連客。そんな人たちと隣り合わせで食事ができるのも食堂の魅力。日常の心地よさと、そして尊さに包まれた気がしました。

住所
Kampung Krahtangan, Jalan Hilir Kota, Bandar Kota Bharu, Kelantan, Malaysia
営業時間
10:30~17:00、金休
アクセス
シティ・カディジャ・マーケット Siti Khadijah Marketから徒歩約5分

「地球の歩き方 マレーシア ブルネイ」最新版がいよいよ発売!

今回は、3年ぶりに訪れたマレーシアのローカル食堂をご紹介しました。現地の人たちに囲まれながら、日本ではなかなか出会えない料理を食べるのは海外旅行の醍醐味ですよね。多民族国家マレーシアは、グルメのバリエーションも驚くほど豊富。治安もよく、物価も高すぎることがなく、観光資源も多彩なので久しぶりの海外旅行にうってつけ。ぜひ、最新版の地球の歩き方と一緒に、マレーシア美食探訪をしてみてくださいね。

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(関連記事)https://www.arukikata.co.jp/web/catalog/article/travel-support/

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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