韓国きっての世界遺産と美食の宝庫、「公州」「扶余」で百済文化を感じる旅~公州編~

公開日 : 2023年06月12日
最終更新 :

待ちに待った海外旅行再開! 距離的にも予算的にも気軽に行けるようになった韓国は何回目のブーム?というくらい、いま最も人気の旅行先のひとつです。そんななか日本とも歴史的に深い関係のある百済の歴史遺産が豊富な都市、「公州市」と「扶余郡」で今年2023年の9月23日~10月9日、さまざまなイベントが体験できる【大百済典】が開催決定! ひとあし先に、会場となるふたつの都市の魅力をレポートします。

【公州】ソウルから約1時間で行ける、“実は穴場”な世界遺産都市

「公州市」と「扶余郡」はどちらも韓国の「忠清南道」に位置している町。日本から直接行ける空港はないので、ソウルにまず入り、そこから公共交通機関またはツアーに参加し移動することになります。公州市は韓国高速鉄道KTXが通っており、ソウルから鉄道で1時間で行けますが、KTXの駅は町の中心部から約20km離れているため、さらにバスでの移動が必要。ソウルから長距離バスで行くか、効率よく観光地をまわるのであれば、ツアーに参加するのもおすすめです。

公山城(公州市)
公山城(公州市)

【公州の世界遺産①】歴史を感じながら絶景を体感!「公山城」

公州は、三国時代の475年〜538年に百済の首都となった場所。町の中心部は小さいながらも世界遺産がぎゅっと集まっていて歴史好き、世界遺産好きにはとてもおすすめの町です。ここでまず訪れたいのは首都が置かれていた熊津の防衛施設として機能していた「公山城」。入口の立派な城壁にまず驚きますが、ちょっとがんばって登った公山の頂上から町並みと城壁を見下ろせば、なんだか百済時代にタイムスリップした気分。食料を長期間保管するため、土の下に作られた冷蔵庫や、貯水施設などもあり、当時の知恵にも目をみはります。

丸で囲ってある部分が貯蔵庫として活用していた箇所(公山城)
丸で囲ってある部分が貯蔵庫として活用していた箇所(公山城)
頂上に着くと眼下には公州の町並みと錦江が広がる(公山城)
頂上に着くと眼下には公州の町並みと錦江が広がる(公山城)

【公州の世界遺産②】奇跡の発見をとげた王の墓「武寧王陵と王陵園」

城壁でいにしえに思いをはせたら、続いては百済時代の王族の古墳が復元された遺跡「武寧王陵と王陵園」へ。百済時代の王と王族の古墳が復元されている遺跡です。発掘時にあわせて出土した文化財はなんと4000点以上! 繊細な装飾から百済の技術や芸術性の高さがうかがえます。武寧王陵は盗掘されずに発掘された唯一の墓で、実際に展示に入り込めば当時のままの壁画も見ることができます。

武寧王陵の外観(武寧王陵と王陵園)
武寧王陵の外観(武寧王陵と王陵園)
武寧王陵、石室の壁画(武寧王陵と王陵園)
武寧王陵、石室の壁画(武寧王陵と王陵園)

【公州の世界遺産③】百済の技術と芸術を体感できるお宝ミュージアム「国立公州博物館」

武寧王陵から出土した文化財や、市内で発掘された文化財を収蔵・展示しているのが「国立公州博物館」。細かな装飾に目をうばわれる装飾品や、日本の木材を使用した棺など当時の王の威厳をリアルに感じることができます。

コウヤマキで作られた王と王妃の棺(国立公州博物館)
コウヤマキで作られた王と王妃の棺(国立公州博物館)
王の金制冠飾(国立公州博物館)
王の金制冠飾(国立公州博物館)

とくに注目したいのは、武寧王陵の入り口に置かれていたというこちらの石獣。魔除けの意図もあったといわれており国宝に指定されています。じっくり眺めるとなんだかとってもかわいいお顔! 博物館入り口前にもこちらをモチーフにした像があったり、公州市のいたるところでイラストを見かけるのですっかり愛着がわいてきます。

武寧王陵の入り口に置かれていた石獣(国立公州博物館)
武寧王陵の入り口に置かれていた石獣(国立公州博物館)

【公州の世界遺産④】仏教と自然の調和が美しい「麻谷寺」

最後は、1000年以上もの歴史をもつこちらも世界遺産のお寺「麻谷寺」。新羅の慈蔵律師が640年に創建したと記録されています。町の中心部からは車で30分とすこし離れていますが、広い敷地内には大雄殿、霊山殿、大寂光殿など重要な建築文化財のほか、たくさんの木々や小川が流れており歩いているだけで気持ちがよい場所で行く価値ありです。なかでも注目したいのは1000体もの仏像がまつられている「霊山殿」。最初に目が合った像の顔が運命の人と似ているといわれており、たくさんの仏像のなかからこれぞという推しに出会う楽しみもあります。お寺の敷地内では春には桜、秋には紅葉も楽しむことができ、韓国の華やかなお寺を絶景とともに楽しめるスポットです。

ランタンの飾りつけ(麻谷寺)
ランタンの飾りつけ(麻谷寺)
霊山殿(麻谷寺)
霊山殿(麻谷寺)

名産の栗を使ったスイーツやマッコリも楽しみ!

公州のお楽しみは歴史遺産だけではありません! 公州は韓国国内ではだれもが知る栗の名産地。市内には栗を使ったスイーツを提供するカフェや栗のマッコリ、栗の焼酎をつくる酒造も。どちらもほんのり甘くて栗本来の風味がしっかり感じられて絶品でした。

ベーカリーパムマウルの栗ラテ、栗シュークリーム、栗のパイ
ベーカリーパムマウルの栗ラテ、栗シュークリーム、栗のパイ
栗のシュークリームはその場で新鮮な栗クリームを注入!賞味期限は1時間というレアスイーツ
栗のシュークリームはその場で新鮮な栗クリームを注入!賞味期限は1時間というレアスイーツ
●ベーカリーパムマウル
http://marronvillage.com/
栗を使用したマッコリや焼酎(公州市)
栗を使用したマッコリや焼酎(公州市)
●サゴク酒造
www.bamsul.com

公州での宿泊は伝統的な韓屋にステイ

公州韓屋村
公州韓屋村

公州市での宿泊は、韓国の伝統的な家屋「韓屋」がずらりと並ぶ宿泊施設「公州韓屋村」がだんぜんおすすめ。寒い季節でも快適に過ごせる韓国式床暖房の「オンドル」もばっちり完備。伝統的な衣装、韓服を着る体験などもできるので思い出に残るステイが叶えられます。

【大百済典】が2023年9月23日~10月9日、開催決定!

公州市の魅力、いかがだったでしょうか? さらにこの百済の地を盛り上げるべく、2023年秋に大百済典が開催されます。大百済典として開かれるのは2010年以来2度目、10年に一度の祭典です。開会式は公州市、閉会式は扶余郡で開催。イベントでは百済文化のストーリーを映し出す「水上マルチメディアショー」や、百済歴史文化をデジタルコンテンツに変換した「マルチメディアアート展示館」、体験プログラム、芸術公演、パレードや歴史遺産のライトアップなどたくさんの催しが行われる予定です。世界遺産都市をもっと深く楽しめるチャンス、お見逃しなく!

  • 「大百済典」公式サイト:https://www.baekje.org/jpn/
  • 開催期間:2023年9月23日~10月9日
  • 会場:忠清南道の公州市と扶余郡
  • テーマ:「大百済、世界と通じる」
公州もばっちり収録!韓国全土を網羅した最新ガイドブック「地球の歩き方 韓国」
公州もばっちり収録!韓国全土を網羅した最新ガイドブック「地球の歩き方 韓国」

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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