タジキスタン共和国グルメレポートNo. 6 - Кафе "Sapporo"

公開日 : 2023年07月28日
最終更新 :
筆者 : 村中千廣

タジキスタンにはどのような飲食店があるかご存じですか?

英語でブラウザー検索をかけると、首都ドゥシャンベ市内の飲食店に関する一定の情報は得られますが、日本語で得られる情報は皆無と言っても過言ではありません。

手当たり次第に暖簾をくぐり、タジキスタンで出会うことができる様々な料理を紹介してゆきたいと思います。

  • 「美味しい」は、記述がない限り筆者個人の主観です。
  • 良い部分をピックアップできるよう、最低でも2度利用し、3種類以上のメニューを味わよう心がけています。
  • 食の水準は発展途上であるという見方もあります。批評に終始せず、明るくユーモラスなレポートとなるよう心がけます。
  • 食あたりに関しては、どこで何を食べたとしても一定のリスクが伴うというのが同国の現状です。本稿は「安全」のお墨付きではございませんので、旅行者の皆様におかれましてはくれぐれも体調とご相談の上で、利用をご検討ください。

Кафе "Sapporo"

タジキスタンの食レポート第6弾は「Кафе "Sapporo"」(以下、サッポロ)。日本食 (風) レストランです。筆者の故郷である北海道の県庁所在地、札幌市の協賛を受けて営業されているわけではありません。

隣国ウズベキスタンの首都には、最近本格的な日本食レストランが誕生しましたが、ドゥシャンベには未だ板前さんや日本料理専門のシェフなどが常駐する飲食店は皆無であるというのが現状です。

一方で、サッポロでは、巻き寿司の他、カレーライスや麺類、唐揚げ定食など、かなりリアルな日本の料理を楽しむことができます。「タジキスタンの人々に日本食なんて馴染みあるの?」と疑問に思いましたが、時間帯によっては、そこそこお客さんの出入りがあるようです。

時折日本食ロスに陥る在タジキスタン日本人駐在員の心の拠り所「サッポロ」をご紹介します。

店内の様子

正面出入口
正面出入口

お店は「Taj Palace」というホテルの一角にあります。「寿司」という文字に「ラーメン」や「天ぷら」の写真。久しく日本食を口にしていない筆者の口元には早くもよだれが...。

カウンター
@chiviilain カウンター

何やら日本語の文庫本が積まれています。筆者が本を眺めていると、スタッフの男性が「持って行って読んでもいいですよ」と声をかけてくださいました。優しい方のようです。

だるまさん & 赤べこ
@chiviilain だるまさん & 赤べこ
壁画
@chiviilain 壁画

壁には「おいしい」と「いただきます」の文字。日本の文化振興にも貢献されているようです。素晴らしいの一言に尽きますね。

壁画
@chiviilain 壁画

「サッポロと名付けている割には、北海道の形が...」といった感想は、心の奥底に留めておくようにしましょう。

この形はタジキスタンのアーティストの努力の賜物であると同時に、「如何に日本という国に馴染みがないか」を忠実に体現している抽象的アートと言えるでしょう (筆者の感想です)。

それから、裏を取ったわけではありませんが、個人的にはあの位置にある大きめの丼は「帯広名物の豚丼」ではないかと推測しています。イスラム教の影響が強く、一般的に豚肉を入手することが困難である土地柄であるという事実が、一層謎を深めます...。

そんなことを考えていると食べ物が運ばれてきました。

筆者おすすめのメニュー

チキンカツカレー
@chiviilain チキンカツカレー

1人前: 59ソモニ (約750円)

この地域でも一般的に「カツレツ」と言うと、キエフ・カツレツが連想されるので、恐る恐る注文しました。実態は、日本のそれに限りなく近いものでした。

揚げ方は非常に上手だと思います。3回程異なる機会に注文しましたが、衣はいつもサクサクです。日本のカツカレーには一般的に別途肉が入ることはないと思いますが、こちらのメニューには角切りの鶏肉と人参、玉ねぎ、じゃがいもがふんだんに入っており、大満足です。

ランチ定食1
@chiviilain ランチ定食1

1人前: 40ソモニ (約508円)

こちらは人気のセットメニューで、価格的にも「ザ・ワンコインランチ」です。但し、ダブル炭水化物を受け入れられるのが条件になります。マヨネーズは日本産のものではなさそうですが、キャベツの千切りは日本風でした。鶏のから揚げもサクサクで美味しいです。

その他のメニュー

メニュー (QRコード)
@chiviilain メニュー (QRコード)

最近QRコードのメニュー表も導入されましたが、従来のメニュー表と比較すると掲載されている品数が少ないことが確認できました。更新をいただけると、ロシア語を充分に理解できない筆者のような人間にとっては非常に有難い存在となり得ます。

もっとも、現地にお住まいの方との意思疎通を試みることは旅の大きな醍醐味の一つなので、地球の歩き方読者の皆様におかれましては、非日常的な小さな苦労を存分に楽しんでいただきたいと思います。

メニュー
@chiviilain メニュー

正規のメニュー表ですが、日本語や英語の表記はありません。写真で選んでみるのも面白いかもしれないですね。

鶏丼
@chiviilain 鶏丼

1人前: 43ソモニ (約547円)

「牛丼」や「豚丼」を実際に目の当たりにされた経験をお持ちの方が考案したであろうメニューです (筆者の推測です)。その証として、色合いに限っては懐かしの帯広豚丼を髣髴とさせてくれるものでありました。主に鶏のむね肉が使用されています。やや筋肉質な歯ごたえなので、筆者のようにムキムキスーパーマッチョを志す健康志向の方にはエクササイズ用飯として最適かもしれません。

鶏肉入りラーメン
@chiviilain 鶏肉入りラーメン

1人前: 35ソモニ (約445円)

鶏肉のチャーシューと完熟のゆで卵です。

カレーライス
@chiviilain カレーライス

1人前: 35ソモニ (約445円)

シンプルなカレーライスですが、こちらも具沢山です。ルーの濃度はその日次第といったところでしょうか。

鶏巻
@chiviilain 鶏巻

1人前: 40ソモニ (約508円)

世の中には色々な巻き寿司がありますね。

ウナギ巻
@chiviilain ウナギ巻

1人前: 40ソモニ (約508円)

同じ寿司であり、同じ寿司ではない。料理の世界というものは、到底計り知れるものではない。そんな体験をすることができるのも、ここ「サッポロ」です。

かっぱ巻
@chiviilain かっぱ巻

1人前: 20ソモニ (約254円)

安心の内容でした。キュウリは強いです。

デザート
デザート

メニューをめくり続けると、後ろのページにはデザートの写真が並んでいました。ティラミスや抹茶という文字にはそそられますね。機会があればこれらも味わってみたいです。

タジキスタンの首都ドゥシャンベにある日本食 (風) レストラン「サッポロ」、中央アジア料理尽くしで日本食が恋しくなったタイミングに最適の選択肢です。是非、お試しあれ。

名称
Кафе "Sapporo"
英語メニュー
なし
日本語メニュー
なし
英語を話すスタッフ
なし
アルコール飲料の提供
あり
  • 記載価格は2023年7月1日時点、OANDA(138.8円=1米ドル)とタジキスタン国立銀行(1米ドル= 10.92ソモニ)発表の両替レートに基づいて算出しています。

筆者

タジキスタン特派員

村中千廣

人道支援・開発援助分野でキャリアを構築しながら、駐在・渡航先での発見や観光情報を発信するライター。

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