ポケトークとGoogle 翻訳、海外で使うならどっちが便利?
観光スポット巡りやショッピング、レストランでの食事など、楽しみがいっぱいの海外旅行。でも、言葉が通じるか、うまくコミュニケーションが取れるか不安を感じるかもしれません。そんな方に向けて、翻訳機能をもつサービスとアプリを紹介したいと思います。今回、筆者はAI通訳機「ポケトーク」とアプリ「Google 翻訳」を駆使して海外旅行を楽しんできました。それぞれのサービスについて、特徴と実際に使った感想をレポートします!
AI通訳機「ポケトーク」とは?
「ポケトーク」とは、互いに相手の言葉を話せない人同士の会話を可能にする通訳ツールです。外国語から日本語、日本語から外国語の翻訳が行え、翻訳可能な言語は74以上(※)。翻訳機能のほかにも発声練習機能や、機器によってはAI会話レッスン機能もあり、さまざまなシーンを想定した会話練習や言語習得にも役立てることができます。
※2023年6月時点。音声・テキストでの翻訳は74言語、テキストのみの翻訳は11言語、計85言語に対応。
ポケトークは、持ち運びできるタイプのものだと「ポケトークS」「ポケトークS Plus」の2種類があり、それぞれ機能が異なります。今回はより小さく持ち運びがしやすいポケトークSを選びました。
ポケトークは購入することもできますし、空港などでレンタルすることも可能です。筆者は羽田空港にあるJALエービーシーの空港カウンターでレンタルしました。渡航先によって料金は異なると思いますが、今回はトルコへの滞在7日間で7168円(安心補償料金込み)でした。
「Google 翻訳」アプリとは?
「Google 翻訳」は、Googleが提供するサービスで、音声・テキストの翻訳が可能です。iOS、Androidどちらもアプリ版がリリースされており、無料で利用することができます。また、カメラを使ったリアルタイム翻訳にも対応しています。
対応言語はなんと133言語(※)で、英語の方言や少数民族の言語などにも幅広く対応しています。
実際に使ってみた
今回は音声とテキストそれぞれで翻訳を行ってみました。渡航先はトルコだったので、どちらも使用前に「トルコ語→日本語」の設定をしておきます。ちなみにどちらのツールも、相手の言語がわからない場合は、何の言語か検出したうえで翻訳する、という機能もあります。
音声(会話)編
ポケトークもGoogle 翻訳も、どちらも基本的な使い方は同じです。自分もしくは相手が話している間、ポケトークでは機器の下にあるボタンを押しっぱなしにし、Google 翻訳では開始時と終了時にマイクボタンを押下します。
音声を翻訳する方法
- ポケトークでは機器下部のボタンを、Google 翻訳ではマイクボタンを押した状態で、機器に向かって話す
- 会話が終わったら、ポケトークではボタンから手を放し、Google 翻訳ではもう一度マイクボタンを押すと、機器の画面に日本語テキストで翻訳結果が表示される。また、ポケトークでは自動で、Google 翻訳では読み上げボタンを押すと音声で翻訳結果が読み上げられる
まずはトルコのカフェで、「おすすめのメニューは何ですか?」「この近くのおすすめ観光スポットは何ですか?それはここからどれくらいの距離ですか?」と、それぞれのツールを使って会話してみましたが、どちらのツールでも問題なく意思疎通をすることができました。
簡単な会話であれば、どちらでも困ることはなさそうです。
テキスト(カメラ翻訳)編
次に、カメラ機能を使ってテキスト翻訳を行いました。Google 翻訳の場合、カメラを向けてリアルタイムで翻訳する機能もありますが、今回はどちらも一度写真を撮ったうえで翻訳にかけています。
まずは博物館へ行った際に翻訳した、13世紀にセルジューク朝の宰相だったジェラーレッディン・カラタイについての説明文から見てみます。
ポケトーク
Google 翻訳
多少の表記違いはありますが、どちらも理解しやすい文章に翻訳されており、内容を把握するには大きな問題はなさそうです。ただし、ポケトークの方では翻訳結果を表示させるスペースが足りなかったのか、一部文章が途切れています(説明文の上から3行目)。また、Google 翻訳では元の説明文にある改行が反映されているのに対し、ポケトークではすべての文章がつながって表示され、少し見づらさを感じます。
次はレストランのメニュー表を翻訳してみました。
ポケトーク
Google 翻訳
比べてみると、翻訳内容はおおむね違いがありませんでしたが、Google 翻訳ではメニューの品目ごとに翻訳されていて比較的見やすいのに対し、今回もポケトークではすべての文章がつながって翻訳されやや見にくい結果となりました。
現地の言葉がわからない場合、翻訳結果を見ながらメニューを指さして注文することも多いのですが、ポケトークではどのメニューに対しての翻訳かがわからないのが困る点でした。
それぞれのメリット・デメリット
実際に使ってみた結果も踏まえて、それぞれのサービスについておもなメリット・デメリットをまとめてみます。
ポケトーク
メリット
- 今回レンタルしたポケトークSは手のひらサイズのため、持ち運びしやすい
- 通信機能がついているため、Wi-Fi接続作業が不要。到着後すぐに利用開始できる
- スマホとの併用が可能(スマホで地図アプリを開き、ポケトークでは翻訳を行う等)
- 1日中使っていてもバッテリーが十分持つ
デメリット
- カメラ翻訳時、翻訳した文章がすべてつながって表示される
- カメラ翻訳時、一部翻訳結果が表示されない
- ポケトークSの場合、小型ゆえに文字サイズが小さい
- 画面の明るさ調節ができず、屋外では画面が暗く見づらいことがある
- カメラ機能において、シャッターを押してから確定までに時間がかかり、ぶれることがある
Google 翻訳
メリット
- 無料で利用できる
- アプリをインストールするだけなので、スマホ1台の持ち運びでよく便利
- カメラを向けるだけで翻訳されるリアルタイム翻訳がある
- 多くの国で日常的に使われているため、会話相手が気軽に利用してくれるケースが多い
デメリット
- オフラインでは利用できないため、スマホをネットにつなぐ必要がある
- ほかのアプリと併用して使うことで、バッテリーの消費が上がる
結果とまとめ
今回ふたつのツールを使ってみた感想ですが、音声・テキストの翻訳内容のクオリティ自体はどちらも大きく差はありませんでした。そのうえで、筆者はGoogle 翻訳のほうが使いやすく感じました。スマホ1台で完結できることや、何より無料で使える点がメリットとして大きかったです。旅行中は、急に話しかけられたり、急いで意見を伝える必要があったりと突発的に会話が発生することもありますが、その際に現地の方もGoogle 翻訳を使い慣れていて、互いにGoogle 翻訳を使い合って会話できた、という場面もありました。
ただし、上述したようにそれぞれのツールでメリット・デメリットがあります。ポケトークでは通信機能があるためWi-Fi接続が不要だったり、スマホと使い分けることによりそれぞれのバッテリー残量を気にしなくてよかったりと、状況によってはポケトークの方が使いやすいこともあると思います。
ご自身の状況に合わせて、どちらのツールがよいか確認してみてくださいね。また、ポケトークは今回紹介した機器以外にも、アプリがリリースされています。気になる方はぜひチェックしてみてください!
トップ画像:iStock
筆者
地球の歩き方 永倉
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