【スペイン】バレンシアで飲まれるクレマエというコーヒーとは?
スペインでは朝食と昼食の間に軽食を食べる習慣がありますが、ここバレンシアではその軽食をアルムエルソ(almuerzo)と呼びます(※アルムエルソは昼食を意味する地域もありますが、バレンシアでは昼食はコミダといいます)。ほかの地方に比べてよりこの軽食を重んじるアルムエルソ文化があり、朝から12時頃までアルムエルソセットを提供するバルも少なくありません。たいていはテーブルオリーブとピーナッツのおつまみ+ボカディージョ(スペイン版バゲットサンド)+飲み物+コーヒーのセットです。軽食タイムは10~11時頃なのですが、飲み物はビールやワインを頼む人も多々います。
このアルムエルソの〆に飲むバレンシア伝統のコーヒーが‟クレマエ(cremaet)”です。材料はエスプレッソにラム(ブランデーのことも)、レモンの皮、シナモンスティック、1~2粒のコーヒー豆、そしてたっぷりの砂糖。酒飲みが飲むコーヒーといった感じです。
この‟クレマエ”はどのバルにもあるわけではなく、またあったとしても正しい‟クレマエ”ではないこともあるのだとか。‟カラヒージョ(ブランデーやウイスキー、コニャックなどのアルコールを入れたエスプレッソ)”と混同しているところ、レモンの皮やシナモン、コーヒー豆を入れないところもあるらしいのです。私の知っている限り、名前もそのままのBar Cremaetや、鉄道駅のすぐ近くのPelayo Gastro Trinquet、中央市場横のEl Trocito del Medioには正しい‟クレマエ”がありました。
YouTubeでクレマエをつくる動画を見つけました。たっぷりの砂糖とレモンの皮、コーヒー豆、ラムの入ったグラスを温めた後に火をつけてアルコールを飛ばし、そこにエスプレッソを注いでいます。4分19秒と短いので、ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=ILzU1LBoGik&t=3s
バレンシアにお越しの際はぜひ食後に、できればバレンシアっ子と一緒にアルムエルソを食べた後に‟クレマエ”をお試しくださいね。
筆者
スペイン特派員
田川 敬子
東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。
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