サース・フェー

Saas-Fee

氷河が見える村なんてスイスでは珍しくない。しかし、周囲をぐるりと氷河に取り囲まれ、今にも押しつぶされそうな村はほかにないだろう。その源であるミシャベル連峰がまたすばらしい。村は13の4000m峰に囲まれていて、わざわざ展望台へ上がらなくてもホテルでモルゲンロート(朝焼け)に陶酔できる。村の標高はおよそ1800m。山の向こうにあるツェルマットと何かと比較されるが、こちらのほうがずっと自然を身近に感じることができるだろう。
氷河から溶け出したフェー・フィスパ川Fee Vispaは河岸をえぐり、村の中心で峡谷を造っている。野生動物が多いのも特徴で、マーモット、アルプスカモシカ、早朝や夕暮れ時にはアイベックスも村の目の前までやってくる。春から夏にかけてはサース谷特有の高山植物が、秋にはカラマツの黄葉がハイカーの目を楽しませてくれる。一般車を締め出した静かな村のたたずまいもいい。

サース・フェーの歩き方

サース・フェーはこぢんまりとした素朴な村で、15分も歩けば村の端から端まで歩けてしまう。電気自動車しか走っていない通りをぐるりと1周してきたら、村から5方向に架けられたロープウエイなどに乗って展望台へ上がろう。
村のヘソは2ヵ所ある。郵便局と教会前広場Dorfplatzだ。この氷河の村と下界をつなぐ交通手段はポストバス。だから郵便局のガレージがバスターミナルになっている。郵便局前広場の正面には観光案内所がある。ここで情報を仕入れたら、歩き出す前にまず、隣の小山に置かれたベンチに腰かけてみよう。真正面に迫っているのがフェー氷河Feegletscher。その末端は本当に村の目の前まで来ている。まれに轟音を響かせて大崩落を起こし、観光客を驚かせることもあるという。
ひと息ついたら案内所前の細い坂を下ろう。スーパーを左側に見て突き当たった所がメインストリート。メインストリートと呼ぶにはあまりにも狭いけれど、なかなか風情のある石畳の小道だ。左へ3分ほど歩くと教会前広場へ出る。スキー&登山学校は広場手前の左角。右側の建物が村役場で、サース谷にスキーと観光客を呼び込んだ功労者イムセン牧師の像が立っている。教会の裏側で鋭く天を指しているピークは、左がテーシュホルンTäschhorn(標高4491m)、右がミシャベル連峰の主峰ドームDom(4545m)だ。通りをさらに進むと、次の角、右側にサース博物館Saaser Museumが、さらにしばらく歩くと左側にパン屋博物館Bäcker Museum(Hotel Imseng内)がある。
道はやがてフェー・フィスパ川Fee Vispaに出る。通りをそのまま進めばレングフルーとプラッティエン行きのロープウエイ駅に出るが、グレッチャー橋Gletscherbrückeを渡ったらすぐに左折してみよう。ミッテルアラリンへ上がるロープウエイ駅の前を通って林沿いの道を歩くと、パノラマ橋Panorama-brückeに出る。その名のとおり、村と氷河とミシャベル連峰を見晴らす最高のビューポイント。足元に目をやれば、谷底の激しい流れに沿ってはしごが見える。
橋を渡って坂を上がった突き当たりに、木造の古めかしい小屋が建ち並んでいる。これは17〜18世紀に建てられたシュタデルStadelと呼ばれる干し草小屋で、サース谷の各地から、ここへ移築したもの。ここを左折すれば3分で教会前広場、右折すれば目の前が郵便局だ。

サース・フェーへのアクセス

ブリークBrigからサース・フェー行きポストバスで所要約1時間26分。フィスプからポストバスで約50分。バスはほぼ30分ごと。ブリーク、フィスプともバス乗り場は駅前。ベルン方面から行く場合は、IC特急を利用してフィスプまで行き、バスに乗り継ぐ。チューリヒ空港から約3時間20分。ベルンからなら約2時間。

写真

基本情報

ヴァリス/ヴァレー
使用言語
ドイツ語
標高
1803m
郵便番号
CH-3906
エリアコード
027(市内通話の場合でも初めにエリアコードをプッシュする)
観光案内所 Verkehrsbüro
電話番号
(027)9581858
開館時間
月〜土曜 8:30〜12:00 14:00〜18:00
'23年1/28~4/8、7/8~8/19
土曜 8:30~18:00 日曜 9:00〜12:00 14:00〜18:00
閉館日
4月下旬〜5月中旬の土・日曜、10月中旬〜12月中旬の土・日曜
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