アグリジェント

Agrigento

壮大な神殿群の残る町

ギリシアの大叙情詩人ピンダロスが「世界で最も美しい」と謳い上げた、アグリジェント。遠くに海を臨む高台に神殿が点在する姿は、まさに古代ギリシア。遥か遠い時代にタイムスリップした気分にさせてくれる。神殿が築かれ、繁栄を極めた時代には30万人が暮らしたといわれ、神殿の傍らに座り、海を眺めていると遠い古代人のさざめきが聞こえるよう。
緑が広がる公園内には春にはアーモンドの花、夏には夾竹桃が咲き誇り、緩やかな坂道の上に神殿はまるで舞台装置のように浮かび上がる。時には振り返り、この美しいたたずまいをゆっくりと楽しもう。

中世・近世地区にある駅近くには南イタリアらしい緑深い庭園が広がり、夕暮れ時のカフェは町の人の憩いの場だ。さらに道を進むと、町は高台に中世の町並みが網の目状に広がり、善くも悪くも南イタリアらしい風景を作りあげている。

神殿の谷と呼ばれる地域には、中央駅からバス1、1/、3/番が連絡する。中央駅から約10分。左に見える大きな駐車場が目印だが、下車バス停はややわかりづらいので運転手に教えてもらおう。場内は日陰が少ない。とりわけ夏の正午頃は日差しが最もきつくなるので、くれぐれも日射病には気をつけるようにしたい。飲み水を持参し、サングラスや帽子もあると軽快に歩ける。

緑が広がるギリシア植民都市

紀元前580年頃にロードス島と植民地ジェラのギリシア人によって造られ、瞬く間に発展を遂げたというアグリジェント。その後のカルタゴとの戦いで勝利の後、海上覇権を手中に収め領土を拡大し、経済・文化が花開き多くの神殿が築かれた。

紀元前262~261年の第一次ポエニ戦争後、町はローマ支配となり勢いを失うこととなった。ビザンチン時代の衰退を経て、イスラム支配の時代に息を吹き返し、1087年にはノルマン、続いてホーエンシュタウフェン家の支配が続き、北アフリカの交易で経済が活気を呈した。11世紀、ノルマン人の手により建てられたのが大聖堂('20年2月現在、修復のため長期間の閉鎖中)だ。しかし交易が途絶えると町は再び衰退し、住民の流出が始まり、これを好機に領主の館や修道院が建てられ、現在見られる中世の町並みが造られた。

アグリジェントへの行き方

鉄道

パレルモ→アグリジェント
fs線 R 2時間4分(約1時間に1便、月・祝日は8便)※ 平日の8:43~10:43、日・祝日8:43~13:43、14:43~17:43の間は運行がないので、事前にトレニタリアのサイトで時刻を確認のこと

バス

パレルモ→アグリジェント
CUFFARO 約2時間(平日8便、土曜日6便、日・祝日3便) €9、往復€14.20

パレルモ→(S121/S189)→アグリジェント
カターニア→(A19/S640)→アグリジェント
シラクーサ→(S115)→アグリジェント

鉄道利用が便利

パレルモ中央駅からRで約2時間(切符$9)。通勤列車として利用されているまだ新しい列車(トイレあり)で、ほぼ1時間に1便の運行(ただし運行のない時間帯があるので注意)。途中で切り離しがあるので、進行方向の前方2両に乗車しよう。終点の中央駅で下車したら、ホームを背に右の階段を上がる。途中にバールがあり、ここで市バスの切符を販売。帰りの分も購入しておこう。駅を出て、広場を横切ると道路に突き当たり、そこに神殿行きのバスのバス停がある。バスは1、1/、3/などに乗車。

神殿の谷入口のバス停はサンタンナSant'Anna、ポルタ・クイントPorta Ⅴ(Quinto)で、ここに広い駐車場がある。切符売り場は各種売店などの先にある。

出入口は他にジュノーネ・ラチニア(ヘラ)神殿の下にもあるが、ここはバスの通行が少ない。出口のみ、エルコレ(ヘラクレス神殿)を下った場所にあるので帰りはここから出るのもよい(バールのある通りを下ると以前の入口だった場所に出る)。バス停はないが、道路脇からバスに乗車できるので、手を挙げて乗車の意思を示して乗ろう。

夕方にはアグリジェント駅の切符窓口は閉まる。自動券売機はあるが、心配ならパレルモ駅で往復の切符の購入を。

写真

  • 神殿の谷への入口を示す看板

    神殿の谷への入口を示す看板

基本情報

アグリジェントのインフォメーションセンター
Servizio Turistico Regionale
住所
Via Empedocle 73
電話番号
0922-20391
営業時間
8:00~14:00
休業日
土・日曜日
最終更新 :

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