カプリ島
Isola di Capri
アウグストゥス帝も恋した夢の島
古代ギリシア人は海から見た島の形からカプロスCapros(イノシシの意)と呼び、ローマ皇帝アウグス
トゥス帝は所有していたイスキア島とこの島を交換して「甘美な快楽の地」と呼んだカプリ島。古代から訪れる人を魅了してやまないこの小島の人口は約1万3000人。島は観光業を主とするが、自然保護地区であるため珍しい植物や動物、海中の生物が平和に共存している。
ピアッツェッタPiazzettaと呼ばれるカフェが並ぶ広場を中心に小さな町が広がり、その奥の名所へは上り下りの坂道が続く。徒歩でしか行けない小道を息を切らしながら歩けば、たどり着いた先に必ず忘れられない風景が待っている。自然のあふれる島西部アナカプリAnacapri地区へは切り立った絶壁を小型バスで行く。こちらの地域はオフシーズンにはクローズする店が多いが、見どころは多い。
カプリ島へはナポリ、ソレント、サレルノから頻繁に船が周航しているため日帰りでも十分楽しめるけれども、できることなら宿を取ってじっくりとその自然美を堪能したい。
世界的にも有名なカプリの見どころ
カプリ地区の見どころ
ウンベルト1世広場(Piazza Umberto I)
こぢんまりした造りの市役所、時計塔とカフェに囲まれているこの広場は、カプリに憧れて世界中からやって来た観光客や芸術家の社交場。
小さな階段を上るとアラブ風クーポラをもつバロック様式のサント・ステファノ教会Chiesa di S. Stefano、その向かいはアンジュー家のジョヴァンナ1世の城を改造して現在はカプリの歴史を紹介するカプリ・センタ-になっているチェリオ館Palazzo Cerio。また、ケーブルカーの駅前にはマリーナ・グランデを見下ろすバルコニーもあり、広場の奥には高級ブティックやおみやげ屋が並び、そぞろ歩きするだけでも楽しい一角。
サン・ジャコモ修道院(Certosa di S. Giacomo)
典型的な中世の建築物。
1371~74年にアンジュー家のジョヴァンナ1世王妃の秘書であったジャコモ・アルクッチの希望により建てられた。教会の入口扉には14世紀の浅浮き彫りとフレスコ画、内部には17世紀のものが装飾されている。そのほか大小のキオストロ、食堂跡にあるドイツの画家ディーフェンバッハの作品と青の洞窟から発見されたローマ時代の彫刻を展示する美術館Museo Diefenbachなどが興味深い。
修道院からの眺望もすばらしく、また、周囲は緑濃い散歩道になっている。散歩道の一角にはカプリ名産の香水工房とその販売所があり、運がよければ製造作業を見学することもできる。
- 住所
- Via Certosa
- 電話番号
- 081-8376218
- 開館時間
- 5月 10:00~18:00、6~8月 10:00~19:00、9~10月 10:00~17:00、11~4月 9:00~15:30
- 休館日
- 月曜日、1/1、12/25
- 料金
- €6 オーディオガイド込み(アウグスト公園との共通€5。アウグスト公園で購入のみ)
- ※
- ※ 切符売り場は閉場30分前まで。10~3月の第1㊐は無料
アウグスト公園(Giardini d' Augusto)
19世紀末カプリに住んでいたドイツ人大富豪フリードリッヒ・アウグスト・クルップによって整備され、現在は市民公園になっている。噴水や色とりどりの花が咲き乱れる美しい庭園の奥の階段を上ると、天然のアーチをもつファラリオーニの岩島群Faraglioniを見下ろすパノラマが広がる。
- 開園時間
- 3/16~10/15 9:00~20:00、10/16~3/15 9:30~17:00
- 入園料
- €1
- ※
- サン・ジャコモ修道院との共通券€5、有効1日。アウグスト公園での販売のみ
マリーナ・ピッコラ
小さな自然のアーチとローマ時代の港の跡が残るセイレンの岩礁Scoglio delle Sireneを中心に、東にペンナウートの浜、西にムーロの浜と呼ばれる小さな砂浜が広がる。夏は海水浴場としてにぎわう。
アナカプリ地区の見どころ
サン・ミケーレ教会(San Michele)
17世紀女子修道院として建てられた物を基礎に、18世紀バロック様式を用いて完成させた教会。内部には「アダムとイヴの楽園追放」をテーマにしたマヨルカ焼の床がある。1761年フランチェスコ・ソリメーナの下絵で、ユニコーンをはじめ人間の耳をもったワニ(右端)などさまざまな珍獣が壮大なスケールで描かれている。一見大理石造りに見える木でできた両脇の祭壇(中央祭壇のみ大理石)も興味深い。入口のらせん階段を上ると上から床一面を見渡すことができる。
- 住所
- Piazza S. Nicola
- 電話番号
- 081-8372396
- 開館時間
- 4~9月 10:00~19:00、10月 10:00~17:30、11~3月 10:00~14:00
- 休館日
- 11/27~12/8
- 入館料
- €3
ヴィッラ・サン・ミケーレ(Villa San Michele)
医師でありアンティーク家具の収集家でもあったスウェーデン人作家アクセル・ムントが1876年にここを旅行で訪れた際に気に入り、ローマ時代の別荘を改築し居住していた所。
現在は17~18世紀の家具などを展示する美術館になっている。ここでは藤棚のある庭園やテラスからのパノラマを楽しみながらゆっくり時を過ごしたい
- 住所
- Viale Axel Munthe 34
- 電話番号
- 081-8371401
- 開館時間
- 11~2月 9:00~15:30、3月 9:00~16:30、4・10月 9:00~17:00、5~9月 9:00~18:00
- 定休日
- なし
- 入館料
- €8
ソラーロ山(Monte Solaro)
カプリで一番高い標高589mのソラーロ山へはリフトなら約10分、徒歩でゆっくり登って行けば約1時間半の道のり。南側が断崖の岩壁になっている頂上からは、遠くにナポリ湾やサレルノ湾が眺望でき、すがすがしい。
- ソラーロ山へのリフト
- 住所
- Via Caposcuro 10
- 電話番号
- 081-8371428
- 営業時間
- 3~4月 9:30~16:00、5~10月 9:30~17:00、11~2月 9:30~15:30
- 定休日
- なし
- 料金
- 片道€9、往復€12
- URL
-
https://www.capriseggiovia.it/
※山頂まで約15分。季節により休止の場合あり。
カプリ島でトレッキング
自然美があふれるカプリ島、各所にトレキッグロードが広がっている。美しい海とファラリオーニを見下ろす、島南東部の見どころを中心にグルリと回るコースがおすすめだ。
カプリ・ウンベルト1世広場→アウグスト公園→トラガラの展望台→フランギーニの見晴らし台→マテルマニアの洞窟→(レストラン)→天然のアーチ→ウンベルト1世広場を回ると約2時間。道路は全体によく整備され、この順路は下りが多い。ただ、フランギーニの見晴らし台→マテルマニアの洞窟→(レストラン)の間はやや荒れ、上り坂と
階段が続く。トラガラの展望台~マテルマニアの洞窟近くまではバールなどはないので、必ず水の持参を。
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