フランス旅行者のための賢い両替テクニックとシャルル・ド・ゴール空港の両替店

公開日 : 2022年12月09日
最終更新 :

海外旅行の準備で悩むのがお金の準備。現金で持って行った方がいいのかそれともクレジットカードの方がいいのか……。フランス旅行の際の所持金の準備の仕方や、現金・クレジットカードそれぞれの長所短所についてまとめました。

フランスでの支払いはクレジットカードがおすすめ

フランスはクレジットカードのタッチ決済が主流 ©iStock
フランスはクレジットカードのタッチ決済が主流 ©iStock

フランスはクレジットカード社会です。ほとんどのお店がクレジットカードに対応しています。そのため現金の使用頻度は低く、クレジットカードを持っていれば支払の時に困る場面は少ないです。

クレジットカードの利点はまず防犯面です。現金だと盗まれたらそれでおしまいですが、クレジットカードなら盗難後すぐにカード会社へ連絡すればカードの使用を止められます。私も普段は20〜30ユーロしか財布内には入れていません。クレジットカードをメイン決済手段とするなら、フランスに持っていく現金は旅行全体で「10〜20ユーロ×旅行日数分」くらいを目安にし、出掛ける際は財布に20〜30ユーロを入れておく程度にしましょう。

クレジットカードを主な支払ツールとする場合、カードは最低2枚は持っておいた方が良いです。何かの理由で一方のカードが使えない時にその予備になりますし、万が一盗まれた際のスペアにもなります。また少なくとも1枚のカードブランドはVISAかマスターカードにしておくとどちらも使用できない! ということは限りなく無いに等しく便利です。アメリカン・エキスプレスやダイナースクラブ、JCBも使えますが、VISAとマスターカードに比べると使用が制限されているお店が多い印象です。

日本で新規発行されるクレジットカードはどれもICチップ入りだと思いますが、もし普段使用しているクレジットカードがICチップ入りでない場合、フランス旅行前にクレジットカード会社に連絡してICチップ入りに切り替えておくことをおすすめします。クレジットカードのタッチ決済(非接触決済)がフランスでは広く普及し主流になっています。そのためタッチ決済対応のものに切り替えておくと旅行中も便利です。

VISA、マスターカード、アメリカン・エキスプレス、ダイナーズクラブ、JCBといった主要カードブランドはどこもタッチ決済に対応していて、フランスでも同様に使えます。しかし、それらカードブランドを発行する日本のクレジットカード会社が一部でタッチ決済対応のカードを出していない場合もありますので、もしタッチ決済のクレジットカードに切り替えたい場合は、お手元のクレジットカードの会社に問い合わせてみましょう。

クレジットカードのデメリット

為替での一喜一憂は海外旅行に付き物 ©iStock
為替での一喜一憂は海外旅行に付き物 ©iStock

前述した通りフランス旅行では、現金よりもクレジットカードの方が便利な点が多いですが、クレジットカード特有のデメリットも存在します。

まずクレジットカード会社の為替レートが高めに設定されているということ。なぜならVISAの場合はVisa Worldwide、マスターカードの場合はマスターカードの所定レートに事務処理コストが加わるからです。大手だと三菱UFJニコスや三井住友カードが発行するクレジットカードだと各カードブランドのレートに2.2%(税込)が載ります。

これを避けるために、ソニー銀行などユーロ建ての外貨預金口座を作れる銀行のデビットカードを決済に使うという手もあります。ユーロ建て外貨預金口座のデビットカードは、事前に円からユーロに変えておき、その口座内のユーロを実際に買い物する際に使うという仕組み。円からユーロへは、クレジットカード会社のレートより有利な条件で変えることができます。ただし、買い物をする度に決済するクレジットカードと異なり、事前にある日時のレートで円からユーロに変えるため、為替の上下によっては買い物をするその瞬間のレートと比べて損をすることもあります。

タッチ決済はコロナ禍によって、フランスではさらに広がりましたが、手軽なだけに使用する際はちゃんとした確認が必要です。店員が金額を誤って入力し、それを確認せずに決済してしまうことが多々ありますので(客側がかざすのではなく店員がカードを受け取ってかざしてしまう場合もあります)、カードをかざす前に私たち客側もきちんと正しい金額が入力されているかどうか確認する必要があります。

またタッチ決済の仕組みを利用した新手の犯罪も増えています。決済端末を分らないようにしのばせておき、地下鉄など混んでいる公共交通機関の中で、そっと相手のカードから一定額を決済してしまうというもの。私はまだ一度も被害に遭ったことはありませんが、そういう可能性も常に頭に入れておきましょう。

これらタッチ決済のミスや犯罪を防ぐ方法は、クレジットカードからタッチ機能を外すかタッチ決済の限度額が設定できる場合は低くしておくことが、最も可能性を減らせるか被害を最小限にする方法です。利便性を取るか防犯などを取るか悩ましいところです。

円からユーロにどこで両替すればいいのか

紙幣を持つならなるべく50ユーロ以下の額面で ©iStock
紙幣を持つならなるべく50ユーロ以下の額面で ©iStock

フランスはクレジットカード社会ですが、一部の日本発行のクレジットカードが使えないケースがあります。例えば同じVISAブランドが付いたクレジットカードでもフランス発行のものは使えて日本発行のものは使えないなど……。商店や飲食店はどちらもほぼ問題なく使えると思いますが、高速道路の料金所や駐車場の精算機、フランスのサイトのウェブ決済でそういう機会に出合うことがあります。そのため万が一のためにも必要最低限の現金は用意しておきましょう。

一番良いのはフランスへ出発する前に、日本国内の両替各社の為替レートを見比べて、最も有利なところで両替しておくという方法。両替する際は紙幣の額を最大でも50ユーロ札までに止めておくこと。可能であれば10ユーロ札と20ユーロ札で用意してもらいましょう。50ユーロ札の上は100ユーロ札ですが、50ユーロ札以上の額面の紙幣は、フランスでは偽札をつかまされるのを避けるため店側が受け取りを拒否することがあります。町なかでも100ユーロ札以上の高額紙幣はほぼ目にしません。

出発当日までに両替するのを忘れてしまった場合は、日本の出発空港で両替しましょう。空港の両替所の場合、事前に申し込んでおいて出発当日に受けとるというサービスもあります。もしそのどちらもできなかったら、パリに到着後にシャルル・ド・ゴール空港かまたはパリ市内で両替をすることになりますが(両替所はフランス語で「Bureau de Change/ビューロー・ド・シャンジュ」)、日本で両替する場合に比べてレートが不利なことが多いです。特にシャルル・ド・ゴール空港はどこもレートが悪いですので、可能な限り日本国内で両替することをおすすめします。

ユーロと円の今日の為替レート

パリ市内のオペラ地区には両替所がたくさんあります。なかには高い手数料を取るところもありますがコントワール・シャンジュ・オペラは良心的です。どの両替所を使うにせよ、レートと手数料は必ず確認しましょう。

Comptoir Change Opéra(コントワール・シャンジュ・オペラ)
住所
9 Rue Scribe 75009

クレジットカードに海外キャッシング枠がついている場合は、それを使い現金を得ても良いでしょう。フランス国内で両替所を探し、しかも悪いレートで両替するよりはATMからキャッシングしてしまった方が手っ取り早く、レートもフランス国内の両替所と比べて高めの傾向にあります。もしくは、既述したユーロ建の口座を作っておけばそこから引き出すということもできます。

旅行のお金をどのように持つかは、為替レートや手数料の損得だけでなく防犯対策にもなります。その国にあった持ち方で賢く使いたいですね!

監修:地球の歩き方

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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